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116.ミヤコ君と北海道の銘菓

シリアスの間に挟まれる甘味。

北海道と聞いて思い浮かぶ、ジンギスカンキャラメルやよいとまけではありません。

でも有名どころのあの銘菓です。


熊本県民多分北海道すごく好きです。

年二回の北海道展はデパートの目玉だし、有名どころのスーパーや大型ショッピングセンターではしょっちゅう北海動の物産フェアしてます。

 マンションの一室にあるクロスノスの拠点。

 ツカサはミヤコをソファに座らせるや、自分はするっとキッチンへ向かい、冷蔵庫の中を漁り始めた。

 つい先ほど食べていたはずのハンバーガーは何だったのだろうか。


 ツカサは冷蔵庫から何か白い箱を持ってくると、それをほくほく笑顔でリビングのローテーブルへと置き、再びキッチンへ。

 今度はどうやら電子ケトルでお湯を沸かし始めたようだ。


「……えっと」


「しょっぱい物食べたから甘い物食べたいんだろうね」


 そう言うユカリも一度落ち着けたはずの腰を上げ、キッチンで何かを探し出す。


「すまん、俺が昨日買い置きの食い物を増やしたせいだ」


 そうマコトが謝ったが、何故買い置きを増やすとツカサとユカリが話そっちのけになるのだろうか。


 キッチンから浮かれた兄妹の会話が聞こえてくる。


「わーい、三方六も三種類ある!」


「えー、流石にそれは食べ過ぎだってユカリ。一つだけにしときなよ。今日はよいとまけにして、明日以降に三方六とかさ」


「でもでも、こういうのは食べ比べが大事じゃないかな? ミヤコ君だってきっと初めて食べるよ」


「そうかもしれないけどね、流石に多いって。余るんじゃ……大丈夫か」


「大丈夫だよ」


 どうやら自分がダシにされたらしいと分かり、マコトに無表情ながらもどこか困惑した目を向けるミヤコ。

 マコトは自分の眉間を揉みながら、もう一度すまんとミヤコに謝った。


「九州だと北海道土産は好まれるんだ。遠い地域の産品だから特別感があるんだろうが……特にツカサとユカリはマルセイバターサンドと三方六、北海道の菓子が好きで……つい昨日まで北海道の方に行ってた奴がいたから、土産代渡して買ってきてもらった」


 そうマコトが説明するうちに、湯が沸いたのかツカサがコーヒーを淹れ始め、ユカリもまたパントリーから大量のペットボトルのお茶を持ち出してきた。


 馥郁たるコーヒーの香りが部屋に広がり、ミヤコは思わずすんすんと鼻を鳴らして匂いを嗅いだ。

 その姿を見てくすくすとユカリが笑う。


「良い匂いだよね。食べながらでも話せるからいいんじゃない」


 お茶とコップをテーブルに置き、再びキッチンへ戻るユカリ。

 ゆったりとコーヒーを入れながら、「もんもんもんくーまもん」と謎の歌を歌うツカサ。

 二人がとてもはしゃいでいるのは、見て聞いているだけでも分かった。


 コーヒーはツカサとマコトの二人分だけ淹れられ、ミヤコの前にはパックの牛乳が置かれたのは、きっと配慮なのだろう。


「じゃーん、これがマルセイバターサンド! きっとミヤコ君も気に入ると思うんだ」


 ツカサが白地に赤いロゴのパッケージの菓子の包装を剥がし、中身を取り出す。銀色の個別包装に包まれているので中身は見えない。


「こっちが三方六ね。くちどけの良いしっとりとしたバームクーヘンに、風味の強いアイシングが欠けてあるんだよ。メイプル味が私のお気に入り」


 ユカリがお勧めする菓子の方は、パッケージを開く前からむせ返るほどの甘い匂いが立っていた。

 パッケージを開けば、ミヤコにとってはちょっときつく感じる程に甘い匂いが解放される。

 きっと美味しいというのは分かる。しかし鼻が良すぎる人間にとって、この香りの甘さは刺激的すぎた。


「……えっと、俺もコーヒー、飲みたい、です」


 明らかに自分の許容を超える甘さの気配に、ミヤコはおずおずとツカサにねだる。

 とたんツカサは目をきらりと輝かせ分かったと素早く立ち上がる。


「もう一杯淹れるね! ミヤコ君のために甘さの無いやつにしよう。甘い物を食べるときほど、深みのある苦さが引き立つものね。あでもブラックで飲んだことなさそう? 大丈夫?」


 どうやらツカサはコーヒーに少なからずこだわりがあるらしい。

 ただミヤコはブラックコーヒーを生まれてこの方一度も飲んだ記憶が無かったので、ツカサの配慮に甘える事にした。


「えっと、できればカフェオレにしたいです」


「そっか、分かったよ。じゃあ牛乳と相性の良いのにしよう。まあこの拠点にはドリップパックしか置いてないけど、会社の方にはちゃんと豆自体も置いてあるから、今度一緒に呑もうね!」


 ツカサの目がキラキラと輝いている。それはミヤコにとってそこそこ珍しい物のように思えた。

 ミヤコは嬉しそうなツカサに、こくこくと頷きを返す。


 ツカサはよほどコーヒーが好きらしい。

 だけど、会社に豆を置いていると言っても、自宅に置いているとは言わなかった。

 そう言えば黒江家に帰ってこないツカサは、一体どこで寝泊まりをしているのだろうか。


 ツカサは夜、一人になってたりしないのだろうか。

 それとも、ユカリやマコトが一緒にいるのだろうか。


 人と一緒に過ごして、一人部屋に帰って、翌朝リビングで誰かにおはようと言う。そんな生活に慣れてきたミヤコは、もし一人きりの夜があるのだとしたら、それはとても寂しいなと感じた。

六花亭やロイズとかも好きですが、それ以上に私は北見ハッカ飴のハードユーザーです。

北見ハッカ通商のハードユーザーです。

何せ万単位のお買いものするくらいですので。

毎年熊本で行われる北海道物産展の時期に、出店を知らせるハガキをいただいております。

あれは至高のハッカだと思う。

きつすぎず、まろやかで、さわやかで、最高のハッカだと思う。

そう、北見ハッカ、北見ハッカをよろしくお願いします!北見ハッカに清き一票を!

日本のハッカを世界へ!

それくらい北見ハッカ好きなんです。


本日の更新はここまで。

明日以降も一日一回以上の更新を目指します。

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