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第7話 嫉妬って怖い

 週末は色々あったな。そして今日からまた学校か。4日だけなのが救いか。とりあえず朝は職員室寄って入部届を出さなくては。確か今日はバスケ部練習あったはず。今日は珍しく憂鬱でもなく特別でもない朝を迎えた風華は、ちゃんとした朝食を食べていた。いつもなら面倒で適当だが今日は違った。


「失礼します。1年2組小雪風華です。樋口先生いらっしゃいますか?」

職員室来たの初めてかも。緊張する。あ、樋口先生きた。

「どうしたの小雪さん。珍しいですね」

「あの入部届を出したくて。女子バスケットボール部の顧問って先生ですよね」

「そうだよ。ていうか入部希望。しかもこの時期に」

「色々ありまして。でも私経験者なので練習ついていけると思います」

「でもうち強豪校だよ。大丈夫?」

「多分」

「わかった。それじゃあ今日の放課後からよろしくね」

「はい」

 ふう。何とか喋れた。そっかここ強豪校か。全国までは行かないけど、県内だとだいぶ強い方か。ベスト4には毎回残っているし。でも私なら大丈夫なはず。


「ねえねえ、ふーか職員室で何やっていたの?」

「おはよう八重。入部届出しに行っただけだよ」

「え、ふーかが部活に入るの?運動できるの?」

「走るのとジャンプはできるよ」

「そうなの。初めて知った。何部に入るの?」

「バスケ部だよ」

「バスケできるの。ここ強豪だよ。大丈夫?」

「大丈夫だよ。元々バスケをするためにこの学校に来たもん」

「そうなんだ」

 それから私たちは何気ない会話をしながら先生が来るのを待っていた。



  〜お昼休憩〜

 今日は目立たず食べたいな。

「ふーか一緒に食べよ」

「小雪さん僕たちもいいかな?」

「う、うん。いいよ」

うわ〜周りの視線が痛い。先週と同じく八重と麗夜、そして学校の王子様瑞稀と食べることになったのだ。

「ねえねえ聞いてよ。ふーかが部活に入るんだって」

「え、そうなの」

「うんそうだよ」

ちなみに八重はバレー部、麗夜と瑞稀はサッカー部だ。みんな運動神経良すぎて嫌になっちゃう。

「何部に入るの?」

瑞稀に聞かれた。絶対笑われるだろう。

「バスケ部だよ」

「へ〜そうなんだ。意外」

おや、笑われなかったようだ。それもそうか、八重以外私の運動神経の悪さ知らないんだった。

「でもうちの女バスって強豪だったとおもうんだけど、大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ」

 それから私たちは他愛ない話をして昼休みを楽しく過ごしました。



  〜放課後〜

 今日からまたバスケを再開するのか。少し楽しみなのと不安だな。でも頑張らなくては。

「みなさん初めまして。小雪風華です。よろしくお願いします」

「ということなので小雪さんが今日からチームメイトになります。小雪さんは経験者らしいからいつも通りやって構わないらしいです。それじゃあ練習を始めましょう」

 それから2時間ほど時間が経った。そして私は気付いてしまったんだ。そう、私より上手い人がいない。しかも1年生は私に対して当たりが強い。もしかして瑞稀とご飯しているのが問題なのかな?多分そうだよね。何人か上手い人いるけれど、私の方が上手いから、怪我しないで済んだのだ。

「瑞稀くんとご飯食べているからって調子に乗らないでよね!」

 わ〜お、怖い。女子ってどうしてこんなに怖いんだろう。私も女子だけど、わからない。まあでも自分より格下だから気にしないでいいや。気楽に行こう。気楽が1番いいよ。

 そして練習時間は残り30分。ついに5対5だ。楽しみすぎる。久しぶりすぎて暴走しちゃうかも。

「ピーーー!」

 笛の合図とともに試合が始まった。おっといきなり私のところにパスが回ってきた。スリーポイントラインから数歩離れているけれどうつか。そして私はシュートを撃った。これ外したら怒られるんだろうな。あ、でもこの軌道は入ったな。早く戻ろ。

「スパッ」

 よし狙い通り入った。腕は鈍っていなかったようだ。いや〜気持ちいね。ディフェンス煽りたいけど、怒られそうだからやめよ。ていうか視線怖。すごい怖い目で睨まれているんだけど。彼女は確か同じクラスの人だよね?名前なんだっけ。1年のエースらしいけど、そこまでだな。だから私にうたれるんだよ。さ〜て守備だ守備だ。うん?おかしくないか。私決めたのに会場が沸かないぞ。なぜだ。まあいいや。

 それからも私は大活躍し、圧勝したのだった。


「ねえ小雪さん中学どこ?」

「クラブチーム入ってた?」

「何であれほど実力があるのにウチを選んだの?」

 やばい脳がバグりそう。コミュ障の私が喋れるわけないじゃん!考えてよ!目立たなきゃよかった。調子乗りすぎたな。そんなこと言っても後の祭りか。

「ねえあなたちょっとこっち来て!」

誰だ?でもラッキー。やっぱり天はわたしを見放さなかったようだ。

「う、うん。わかった」



「あの、なんでしょうか?」

「調子に乗るなと言ったよね?」

言われたっけ?ていうかこいつ誰だ。でもとりあえず何か言わなくては

「調子乗ってませんよ」

「試合中にいきなりハーフくらいからシュート打って何してんのに何言っているの。あなたのせいで監督からの評価下がりそうじゃない」

どういうことだ?詳しく聞いてみると、

 彼女は監督から期待されていたらしくて、推薦でこの学校に来たらしい。確かに上手いけど、ディフェンスザルだよね。オフェンスしかできないようじゃダメだろ。そして今日私が来てボコボコにされたから、それが気に障ったらしい。

「明日からは手を抜いてやってね」

何言ってんのこいつ。寝言は寝て言え。

「それは無理ですね」

「はあ!なんでよ」

「逆になぜ手を抜かなければいけないの?」

「私より監督に評価されてほしくないから」

「なら練習すれば」

「本当に調子乗っているね」

「これの何が調子に乗っているの?ただあなたが努力すれば解決する簡単な問題じゃん」

「もういい。とにかく手を抜いてね。じゃないとお前のこと罠に嵌めるからね」

そうして彼女は去っていった。あいつ絶対頭悪いだろ。とりあえず今の会話録音しといてよかった。よし私も戻るか。



 今日は疲れた。久々の運動だったのに、面倒な奴に絡まれた。勘弁してくれよ。ぬるま湯に浸かった日常過ごしたいな。


 風華はまだ知らない。この先に壮絶な日々を過ごすことになることを。

今日は或いは今晩は。ザラメです。

更新遅くなってしまいすみません。毎日出せるように頑張ります。


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― 新着の感想 ―
会話録音してるの凄すぎです。壮絶な日常もこれで打破する時が来るのかな?たのしみです!
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