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第4話 素晴らしい時はやがて過ぎ去る

 気持ちいい朝だ。久々に憂鬱ではない。今日の私は多分最強。何者にも負けない。そんな気がする。何なら陽キャにも勝てるぞ。かかってこいよ。学力でぶちのめしてあげる。まあ、でも私学年一位なんだよね一応。しかもぶっちぎり。こんな私に勝てる奴はいないだろ。ボドゲでもいいわよ。チェスでボコしたる。麻雀でもいいわよ。いつもは運が悪く、なかなか揃わないけど、今日の私は数え役満ができてしまうかも。何なら四暗刻単騎、十三面国士無双だってできちゃうわ。そんな強強つよつよな私は今日だけ無敵ね。

 そして風華は機嫌よく朝食を食べ、学校に行った。風華はまだ知らない。この後、悪夢が待っていることを。


 

 《伊達八重視点》

 あ、風華だ。めっちゃ機嫌良さそう。後ろからっこそり着いていこ♪ おっと意外だな。鼻歌歌っているよ。何の歌かな?ふむふむ、知らない曲だね。珍しすぎる。今梅雨だけど、明日大雪かもね。もう少し観察するか。

「お〜い、八重。一緒に行こ!」

おっと、彼氏の麗夜に声かけられてしまった。

「いいよ。麗夜君おはよ」

「おはよう」

「え、八重いたの!おはよう」

「おはよう風華。今日は機嫌がいいね。鼻歌なんか歌っちゃうなんて何があったの?」

「あ、水瀬くんもおはようございます。八重聞いて驚きなさい!いつもなら朝は憂鬱なのに、なんと今日は気持ちいい朝だったのだよ。今日の私は強強だから、覚悟しなさい!」

「は、はあ」

なんか意味不明なこと言っているぞこいつ。大丈夫かな。これでも学年1の頭脳を持つから大丈夫なんだろうけどアホすぎないこの娘。将来が心配だわ。



 《風華視点》

 いつの間にか八重がいた。しかも麗夜まで。もしかして鼻歌聞かれたかな。

「ねえ、もしかして聞こえた?」

私は恐る恐る聞くと、

「うんバッチリ聞こえたよ鼻歌」

「ごめんね。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」

まじか聞かれたいた。恥ずい。穴があったら入りたい。

「水瀬くん、勝手に私が歌ってただけだから、気に病まなくていいよ」

「そう言ってくれるとありがたい」


 そうして私たちは3人で登校した。そして4限目まで終わり、ついに今日のメイン企画お昼ご飯の時間がやってきました。しかし、風華はまだ思い出さない。絶望まで後数分!



  〜昼休憩〜

 あ〜お腹すいた。早くご飯食べよ。今日は八重来ないのかな?授業が終わってすぐにどっか行っちゃたし。ということで、久々のボッチめし。なんだかんだ言って1人って結構楽だよな。

「ふ〜か、一緒に食べよ」

ご飯を食べる準備をしていると、八重が声をかけてきた。

「いいよ。・・・え、なんで東條くんいるの?」

「え、昨日話してたじゃん。覚えてないの?」

「・・・あ!そうだった。忘れてた」

「こんにちは風華さん。そして初めまして、同じクラスの東條瑞稀です。よろしくね」

「は、はい。こちらこそ。え、えっと名前は小雪風華でしゅ」

「噛んでるよ風華」

「落ち着いて小雪さん。深呼吸すると落ち着くよ」

「ありがとうございます水瀬さん」

「風華さんお昼ご一緒してもいいかな?」

「う、うん」

「ありがとう」


 それから私たちは4人でお昼ご飯を食べた。緊張しすぎて味がわからない。陽キャ3人に陰キャ1人ってどういう状況だよ。しかも多分私の存在感が強まっているから、周りに認知されている。やばい視線が痛い。特に女子の視線が。嫉妬の視線怖いよ。3人とも眩しいし。特に東條くん。彼は眩しすぎる。きみごときが僕を直視する気か?っていうオーラを発している。やっぱり陽キャ怖い。何が今日の私強強で陽キャに勝てるだよ。まともに会話すらできていないよ。


「東條くんって2次元好きなんだよね?」

何聞いているの八重。こんな陽キャが2次元好きなわけ。少し考えればわかるだろ。

「そーだよ」

「へー、結構意外」

え、そーなの!まさかそんなわけ。仕方ないこの質問をする時が来てしまったな。

「5人の中で一番好きなのは?」

「五女」「「三女」」「次女」

私が五女、麗夜、瑞稀が三女、八重が次女だ。

「本当だ。東條くんもこっち側の人間だったなんて・・。」

 それから私たちはアニメの話をずっとしていた。まさかこんな話ができたなんて。これって本当に現実?いや現実だ。絶望から助かるなんて45分前の自分からは想像できないわ。

 素晴らしい時間はやがて過ぎ去る。この楽しい時間とはお別れのようだ。

「楽しかったね。また明日も一緒に食べよ!」

八重が素晴らしい提案をした。

「いいよ」

「異論はない」

「わ、私もいいよ」

「全会一致で決まりだね。じゃあ、4人のグループラインを作ろ」

「賛成。僕もみんなと同じクラスがよかったな」

そっか麗夜だけ違うクラスなのか。

「そっか麗夜だけ違うクラスなのか。確かに少し残念だな」

瑞稀もそう言った。

「まあでもこうして昼休み集まれるから、来年同じクラスになれること期待しよ」

さすが八重。いつも明るいな。

「そうだね。来年同じクラスになれたないいね」

「どうしたの風華?そんなことを口にするなんて」

「私だってそんくらいいうよ」

「「あはは」」

「なんで2人とも笑っているの」

 一軍陽キャは怖いと思っていたけれど、喋ってみると意外と怖くないね。やっぱり人は外見だけで判断してはダメなようね。私は陽キャの評価を少しだけ上げたのだった。


  〜放課後〜

 帰りは独りだ。まあ帰りはみんなと違う方向だから、必然的に独りになるんだよね。さ〜て帰りま

「ねえ、小雪さん。少しいい」

「え、あ、う、うん。いいよ」


 なんか急に呼び出せてたんだけど。何かな?私なんかしちゃったかな?なんもしてないよ。う〜ん、なんだ?

「小雪さん、あなた今日の昼、瑞稀くんと一緒だったよね」

「うん。そうだったよ」

「何であんたみたいなパッとしないやつと瑞稀くんはお昼を食べて、私とは食べてくれないの。この女の何がいいのよ。勉強しか取り柄がないくせに。あんたも調子乗らないでよね」

なんか嫉妬ぽいね。怖。恐怖だわ。

「で、でも私はオマケみたいなものだよ。八重がいたから一緒に食べていただけだよ。私誘われた身だし」

「言い訳なんか聞いてないわ。あんたみたいなパッとしないやつが瑞稀くんに近づこうとしないで。陰キャが憑る。身の程を知りなさい」

「は、はあ」

「わかったならもうやめてね。今日は警告だけど、次はないからね!」

 そう言って、名前も知らない人は言いたいことを言って去っていった。結局時間の無駄だったな。彼女結構陰キャを見下しているね。たいして頭いいわけでもないのに。まあいいや。考えるだけ無駄だわ。そうして私も帰路に着いた。





 今日は本当に疲れたな。明日休日なのがほんと幸だわ。朝から意味わからないことして、学校の王子様とラブラブカップルと食事をし、嫉妬されるなどと情報量が多いわ。さて夜ご飯も食べ終わったしゆっくりするか。あれメールが来ている。誰だろう?それは祖母からだった。

『明後日に遺産分割協議の続きを行うから、明日うちに来てほしい。急になってしまいごめんね。親戚全員来るから出席してほしい。どうしても外せない用事があるなら欠席してもいいよ。読んだら連絡ください』

なるほどね。確かにまだ決めていないのあったな。特に用事ないし出席するか。

『連絡ありがとう。用事ないから出席するね。明日の夕方までには行くね。最寄駅に着いたらまた連絡するね』

少しめんどくさいな。でもな〜出席しなくては。前回は言えなかったから今回こそは言わなくてはいけないことがある。反対されたら嫌だけど、絶対に許可してもらうこれだけは。父、母には申し訳ないけど、させてもらうね。

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