第19話
現在の時刻は午前10時15分。
瑞稀が来るまであと15分。
部屋は散らかっている。
掃除しなくては。
"ピーンポーン"
まずい瑞稀が来てしまった。
あれまだ30分ではない、、、嘘、もう28分。途方に暮れていたら瑞稀が来てしまった。
「いらっしゃ〜い」
「お邪魔します」
部屋片付いていないけどいいか。
「手を洗ってダイニングテーブルに座っててください。コーヒーと紅茶どちらがいいですか?」
「じゃあコーヒーで」
「わかりました」
実は私コーヒー淹れるの得意なんですよね。ここは私の実力を見せつけてやりますか。
完成しました。本気で淹れた私のコーヒーは、美味しさのあまり、服が脱げてしまうかも知れない。
「砂糖とミルクはセルフでお願いします」
「ありがとう」
「では、早速始めましょうか。何から教えればいいですか?」
基本全教科できるけど、上手く教えられるかな。
「歴史と数学教えてもらってもいいかな」
歴史と数学か。どちらも得意教科だから問題ないね。
「わかりました。では歴史からやりましょう」
「お願いします」
気付いたらもう1時半だ。相当集中していたみたいだ。
「キリがいいので、一度お昼ご飯にしませんか」
「そうだね。お腹すいたし」
さて、何を作ろうかな。
冷蔵庫を見ると、そこには今日の夜ご飯の分の食材しかありませんでした。
「あの、東條さん、急いでスーパーに食材買ってきます」
今日のお昼はどうしようか。卵がないから買ってオムライスにするか。米は炊いてあるし。
「小雪さん、僕も一緒に行くよ」
明日以降の食料も買わないとだし、お言葉に甘えて荷物持ちしてもらうか。
「いいんですか!お願いします」
それから私たちは最寄りのスーパーに向かった。
「卵は混ぜすぎないようにしてください」
「はい」
どうしてこうなったのだろう。現在私は、瑞稀とお昼ご飯を作ってます。
まあ、でも経緯なんかどうでもいいか。ここは素直に手伝ってもらえばいいよね。
「いってー」
「大丈夫ですか⁉︎まず、軽く水で濯いでください」
流血沙汰だけは避けたかったけど、あまり料理しない人がするとこうなるのも仕方ないか。
「濯いだら手を出してください」
そうして私はエプロンのポケットに常備している絆創膏をつけてあげた。
「そこまで深く切ってはいないけれど、少しの間は痛みが続くと思うので大人しくリビングで待っていてください。あとは私が作ります」
「ありがとう」
瑞稀は大人しく引き下がってくれた。
私の前にあるのはオムライスもどき。瑞稀の前にあるのは完璧なオムライス。
そう、私は瑞稀が作ったのを食べ、瑞稀は見本で作った私のを食べているのだ。
「美味しい」
「そう言ってもらえて光栄です」
ほんと美味しそうに食べてくれるから、作り手からするととてもありがたい。
「午後は数学をやるで宜しいですよね。5時くらいに八重達も来るらしいので、それまで頑張りましょう」
「うん、お願いします」
二次関数はね計算ミスさえしなければ簡単だ。しかしこれが三次関数などと増えていくと面倒だ。
私の教え方で大丈夫かな?
「ここはどうすればいいんですか?」
「ここはですね、これとこれで連立してから解くと簡単に解を求めることができますよ」
こんな感じだけど大丈夫みたいだ。瑞稀は要領がいいから、理解が早い。
さて、私も少しは勉強しますか。
そうして私も復習を始めた。
時刻は4時前。
だいぶ集中していたみたいだ。
瑞稀からも特に質問はなく、黙々と解いている。
なんとなく瑞稀の方を見てみた。
(あ、好きだ・・・えっ⁉︎)
唐突だ。いきなり好きという感情が湧いてきた。
(いや、駄目だ。私は一度瑞稀のことを振っているわけだし)
とりあえずコーヒーを淹れて落ち着こう。
確か瑞稀はポーションミルクを一つ入れていたから、一つ入れて、昨日焼いたクッキーを添えておけばいいかな。
「東條さん、コーヒーを淹れたしたのでキリがいい時に休憩してください」
「ありがとう」
そうして瑞稀は一度勉強を中断した。
「とても集中してましたね」
「小雪さんの教え方が良かったからスラスラと問題が解けた」
嬉しいことを言ってくれるね。
「そんなことないですよ。東條さんは要領がいいのでそれが理由だと思いますよ」
"ピロン"
私の携帯が鳴った。誰からだろう?
携帯を見るとそこには八重からの通知だった。
『ちょっと早いけど、もう少しで着きそう』
「八重達がそろそろ来るらしいです。なので今日は勉強を終わりにしますか?」
「うん、そうだね。沢山勉強したからお腹いっぱいかな」
さて、八重達がきたら何しようか。
「東條さんは麻雀できますか?」
「できるよ」
「八重達もできるので、来たらやりませんか?」
「いいね。楽しみだ」
まさかの瑞稀も打てるなんて。
"ピーンポーン"
来たみたいだ。
「いらっしゃい」
「お邪魔します」
「今日は麻雀をします」
「はーい」
テンポのいい会話だね。
「2人とも手を先に洗ってください」
「「はーい」」
流石熟年夫婦
「「夫婦じゃない」」
ふふ、微笑ましいね。
「よく私の考えていることがわかったね。あと、そこまで来るとほんとお似合いだね」
「ふーかうるさい」
「小雪、一回静かにしよう」
「気が向いた、なんでもないです、ごめんなさい。もう二度と言いません」
びっくりした。麗夜の睨んだ顔怖かった。ヒュンとした。
そんなこんなありながら私たちは麻雀を始めたのだ。
「ツモ、清一色、対々和、三暗刻、赤一、嶺上、三槓子、数え役満1万6000オールで、八重が飛んで私の勝ちです」
気持ちええな、数え役満は。
「捲られた」
やはりトップは麗夜より私の方が相応しいようですね。
「ラストもう一回東風戦したらご飯作りますね」
「やったー、ふーかのご飯だ」
いつも通り私のご飯は好評のようだ。
終始和気藹々とした最終試合をし、私はご飯の準備に取り掛かった。
「小雪さん手伝おうか?」
なんだ瑞稀か。特に大変ではないしな
「大丈夫ですよ。皆さんと一緒にゆっくりしててください」
「わかった」
だいぶあっさりと退くよね。でも、そっちの方が楽なんだよね。
というわけで本日のレシピは、唐揚げ丼です。みなさんお肉が好きらしいのでこのようなレシピにしました。
鶏肉の下準備は既に済ませてあるから、卵の白身を使ったたまごスープを作りますか。
お鍋に水と愉快な仲間達を入れて沸騰させ、沸騰したら一旦火を止めます。止めて、箸でスープを混ぜて、流れに逆らうように卵を入れます。完成です。
次に唐揚げ。二度揚げは面倒なので一回しか揚げません。揚げたら一度別皿に置いておきます。
タレを作ります。タレの作り方は企業秘密なので、ここでは言いません。で、材料どもを入れ、唐揚げも入れます。そうしたら、丼に入れた米の上に乗せ、先ほどの卵の黄身を乗せれば完成。
あとは、昨日作っておいたマカロニサラダを器によそえば、みんな大好き唐揚げ丼定食の完成です。
「できたので、手を洗ってきてください」
「「「はーい」」」
みんな仲がいいですねー。
くだらないことを考えながらみんなの分の箸とお茶を用意して待つことにしたのだ。
「いただきます」
八重は元気だね。少しは落ち着きを手に入れた方がいいと思うけどね。思っても口にはしないけどね。
「なんかふーかが私を貶している気がする」
「そんなことないよ」
なんか八重と麗夜が胡散臭そうに私を見てくるんだけど。てか、なんで麗夜もなの⁉︎私麗夜に嫌われているのかな。
こちらも終始和気藹々とした時間を過ごすことができました。
「「「ごちそうさまでした」」」
「お粗末さまでした」
みんなに好評で良かったよ。頑張った甲斐がある。もっと感謝してくれてもいいけどね。
食事が終わったらみんなすぐに帰って行った。
なので、私は1人で少し考え事をしていた。
(瑞稀のことはどうすればいいんだ。自分の感情に嘘をつくべきか?いやよくない。あいつらに相談するか)
こうして私は決断した。高校は上がってからほぼ稼働していないグループLINE。そこには私と花奏、華燐の名前がある。
『相談したいことがあるのだけど、いつなら大丈夫?』
さて風呂に入るか。うん?通知が来たけど誰だ?
『私たちは今週の土曜日なら大丈夫だよ』
『わかった、土曜日に私の家来れる?来たらご飯作ってあげる』
『大丈夫だよ。10時くらいにいくね』
『御意』
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