表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/118

72『黒羽Dを介抱する』

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!


72『黒羽Dを介抱する』 






 HIKARIプロの黒羽Dじゃねえか( ゜Д゜)!?


 あ、マユさん(;'∀')。


 ああ……ごめん美優。時どきマユの意識が表面に出てきちまう。今のは、酔っ払いが黒羽Dだって分かっちまったショックだ……まあ、適当にやっから(^▭^;)。


 は、はい。


 地下鉄に乗って帰らなかったら、美優は、こんなことはしなかったかもしれねえ。


「よっこいしょ!」


 おお!


 酔っぱらった黒羽ディレクターを、自分の家まで肩をかして連れてきちまいやがった。


 だいじょうぶかぁ?


 大人としての判断なら、たとえ知り合いでも、AKRの事務所は、すぐそこ。とても自分の足では歩けそうにない黒羽さんに一言二言声をかけて、事務所の人に来てもらっただろう。


「事務所の人に来てもらいましょうか、黒羽さん」


 実際、一度は、そうたずねたよ。


「いや、事務所には言わないでくれ……いや、大丈夫。しばらく休んだら……大丈夫……あ、美優ちゃんかぁ꜀( ꜆-ࡇ-)꜆ 」


 ああ……とても大丈夫そうじゃねえ。そんで、美優を見る目は、まるで高校時代の美優を見る目だぜ。美優も地下鉄の中で感覚が高校生に戻っていやがったしな、その相乗効果ってやつだ。


――知らねえぞぉ、面白ぇけどよ――


 美優の中でつぶやいたけど、今は美優の心には届かねえ。持ち前の親切心と、ちょっとした冒険心で飛躍してやがる。



 なんとか家に連れて行くと、母親の美智子が電話をしてきやがった。



 美優のあとを追いかけて帰宅するつもりでいやがったけど、AKRから請けた衣装の縫製でトラブルがあって、今夜は帰ってこられねえという内容だ。


「うん、わたしなら大丈夫。お母さんは明日の開店に間に合えばいいから」


『そう、じゃ、なるべく早く帰るから』


「うん、じゃ、バイビー……」


『ハハハ』


「なにがおかしいのよ?」


『バイビーなんて、何年ぶり……高校生にもどったみたいよ!』


「そんなことないよ、たまたまだよ、たまたま!」


 少しムキになって言やがる。電話の向こうの母は泣き笑いしてやがる。


 なんか微笑ましいぜ。


「じゃ、切るよ」

 

 美優は、携帯を切ると黒羽のために水を持っていきやがる。


「あ……」


 ソファーに寝かせていた黒羽の姿がなかったぜ。


「黒羽さーん……」


 声をひそめて呼ばわると、自分の部屋から気配がした。


「もう、黒羽さん。どこで寝てんですかぁ!」


 ふとんをめくると、黒羽はパンツ一丁になって『く』の字になっていやがる。美優のベッドの中でよぉ(''◇'')。


「きゃ」


 美優は、小さな悲鳴をあげて、そっとふとんをかけ直す。また黒羽は、ふとんをはね飛ばしやがる(^_^;)。


 そんなことを三回繰り返して、美優は、エアコンの暖房を切って、窓を少し開けた。冷気がサワっと入り込んで、黒羽は自分でふとんを胸までたぐりよせやがったぜ。


「黒羽さん……お水」


「す、すまん」


 まるで素面のように、黒羽さんは半身を起こし、おいしそうに水を飲み干した。ちょっとホッとして……なんでもないわ。


「あ、あの……」


「うん~?」


 黒羽さんは、うるさそうに返事をかえした。


「いいえ、なんでも……」


「言いたいことは、分かってる……ちゃんと彼女はいるんだ。ちゃんと婚約までしてんだからな……」


「え……( ゜Д゜)!?」


 面白ぇ、美優の頭にショックと混乱が一度にやってきやがったぜ(^△^;)


「だから、オヤジには頼むよ……週末までには『コスモストルネード』仕上げなきゃならないんだ。だから頼むよぉ、兄妹なんだからさ、な、由美子。いい子だからさ……」


「え、あ、ちょ、黒羽さん(><)」


 そう言って、美優の頭を乱暴に撫でると、スイッチが切れたように寝ちまいやがった。


「妹さんと間違えてんだ……酔っぱらい」


 ホッとして、ベッドの脇を見ると、服を脱ぎ散らかしてやがる。美優は複雑な気持ちで、たたんでやったぜ。


「黒羽さんの奥さんになる人って苦労……すりゃあ、いいのよ!」

 

 美優は、乱暴にドアを閉めやがった。


 おもしれえ展開になってきやがったぜ。

  



☆彡 主な登場人物


マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院

里依紗      マユの同級生

沙耶       マユの同級生

知井子      マユの同級生

指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー

雅部 利恵    落ちこぼれ天使 

デーモン     マユの先生

ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある

レミ       エルフの王女

ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)

アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)

白雪姫

赤ずきん

ドロシー

西の魔女     ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)  

その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ

黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー

美優       ローザンヌの娘

光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー

浅野 拓美    オーディションの受験生

大石 クララ   オーディションの受験生

服部 八重    オーディションの受験生

矢藤 絵萌    オーディションの受験生

上杉       オモクロのプロディューサー

片岡先生     マユたちの英語の先生  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ