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53『WEST48に案内されて』

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!


53『WEST48に案内されて』 





 

 言うまでもなく行き先は「西の魔女」の城だ。



 五人でイバラの森にさしかかったとき、西の空から一クラス分ほどの空飛ぶ猿たちが飛んでくるのが見えた!


「来たあ、最初の関門だ。みんなドロシーがさらわれないように気をつけて! ペコン! ポコン!」


 かかしが言うと、ブリキマン、ライオン、それにトトはドロシーを真ん中にして、フォーメーションを組みやがったぞ!


 ……といえば、頼もしいドロシー親衛隊ができたように思えるが、みんな足が震えてやがる。


 ガシャガシャ ワシャシャ フワフワ


 ブリキマンはガシャガシャと町工場の機械みてえな音、かかしはわら布団をもみくちゃにするような音、ライオンは空気みたいな音をさせやがる。


 賑やかなんだけど、めちゃくちゃ頼りねえ!


「マユ、あなたの魔法でなんとかならないの……」


 ドロシーは、トトを抱き上げるとかわいいヘタレ眉になって注文を付けやがる。


「ちょ……あの猿たち、なんだか様子が変だぞ」


 マユが呟くと、猿たちは行儀良くマユたちの前に下りて整列しやがった!


 バシ! 


 ヒ(((( ゜Д゜))))


 勢いのいい音がして、一瞬ビビったけど、二列目の猿たちが横断幕を広げる音だったぜ。


 熱烈歓迎!ドロシー御一行様!!


 もみもみもみ……


 センターの猿がもみ手しながら出てきやがった。


「これはこれは、ようこそいらっしゃいましたぁ。わたしたちは西の魔女の先触れとしてご挨拶にうかがいましたWEST48で、ございま~す。まずは歓迎の歌と踊りを!」


 そういうと、選抜メンバーらしい16匹が前に出て、クルンと一回転するとAKBみてえな女子ユニットになって「ああ、言いたかった!」を歌い踊り始めやがった。


 ♪やっと気づいた 本当の気持ち! 正直に言うんだ! たった一つキミだけが好きだよ……♪


 マユもドロシーたちもガックン……ときたぜ。


 16匹……16人のパフォーマンスに気を取られているうちに、猿たちは、みんなAKB風の女の子に変わっちまってた。マユは一瞬AKRのみんなが懐かしくなったぜ。


「あの……なんだか様子がちがうってか、勘狂っちゃうんだけど。西の魔女って、わたしたちの……カタキなんだけど」

 

 ドロシーがそう言うと、センターにいたポニーテールに大きなリボンのやつが前に出てきやがった。


「前任の西の魔女は定年で辞めました。オズの魔法使いは、次の西の魔女を公募したんです。で、書類選考で残った5人を、オズの住人で総選挙をやって、今の西の魔女が選ばれたんです。おかげで、わたしたちも猿の姿から本来の姿にもどることを許されたんです。さあ、西の魔女がお待ちかねです。わたしたちがご案内します。どうぞついてきてください。ちなみに、わたしはリーダーのナミカタです。よろしくお願いします!」


「「「「「「「「よろしくお願いしまーす(^▽^)!!」」」」」」」


「あ、でも、わたしたち空は飛べないわ」


 ドロシーがナミカタに言うと、すっかり立ち直ったライオンが手を挙げた。


「ボクは、ハングライダーで飛べるし、マユのストローハットは飛行機になるから大丈夫だお("^▢^")/」


 うんうん(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)♪


 ライオンがフォローしてマユ以外全員がうなづきやがる。


「ああ、飛んできたのは演出です。今の西の魔女は、もうイバラの森のお城にはいません。今はこっちの方です! さあ、参りましょう!」


 ナミカタたちはマユたちを挟むようにしてにぎやかに歩き出しやがった。


 イバラの森の彼方に先代西の魔女のオドロオドロの城が見えた。そっちに向かう道は封鎖されていて、一行は左手に延びる小道に入ったぞ。

 軽自動車がなんとか入れるぐらいの小道だ。かえでの木が、両側から枝を伸ばしてトンネルのようになっていやがる。


 そのトンネルを抜けて「へ」の字に曲がった道を曲がって緑に囲まれた遺跡みてえな門柱を通ったぞ。


 おお……


 すると、意外に開けた庭に出た。


 庭の真ん中には大きな木がゆったりと立っていて、その周りを囲むように草花や庭木がきれいに並んでやがる。



「あれが、西の魔女のお家です」



 ナミカタが指差した方向には、質素だけど清潔に手入れの行き届いた二階家があったぞ。


「いい感じだなあ……あ?」


 振り返ると、WEST48のみんなは居なくなっていた。


「え……?」


 みんなも、そう思って、もう一度振り返ると、二階家のポーチのところに魔女が立っていやがる。


 褐色の大きな瞳に、半分白くなりかけたブルネットの髪をドラゴンテールにしやがって、いかにも引退した大物魔女の風格だぜ。


 その西の魔女が、アマゾンのトレードマークみてえにニヤリと笑いやがった。




☆彡 主な登場人物


マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院

里依紗      マユの同級生

沙耶       マユの同級生

知井子      マユの同級生

指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー

雅部 利恵    落ちこぼれ天使 

デーモン     マユの先生

ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある

レミ       エルフの王女

ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)

アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)

白雪姫

赤ずきん

西の魔女

その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ

黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー

光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー

浅野 拓美    オーディションの受験生

大石 クララ   オーディションの受験生

服部 八重    オーディションの受験生

矢藤 絵萌    オーディションの受験生

片岡先生     マユたちの英語の先生  



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