49『そいつは弱虫ライオン』
魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
49『そいつは弱虫ライオン』
ライオンが口をきいた……( ゜Д゜)!?
「キャー、ライオン( >◇<)!」「ウワアアアアアア( >▢<)!」
ミファが驚くとライオンも驚いて「く」の字の奥の方へ逃げていってしまいやがった!
「大丈夫だってぇ! この子たちは、おまえを助けに来てくれたんだよー」
「ほ、ほんと……( ºωº ; ) ?」
「ほんと」
「ほんとに、ほんと……( º▭º ; ) ?」
「ほんとに、ほんと……だってば!!」
「ウワー(>▢<)……怒鳴らないでお」
ライオンは、おそるおそる「く」の字の角から顔を出しやがった。
「「「ああ~~( ̄Д ̄;) 」」」
そろってため息が出ちまった。
大谷翔平が着ぐるみ着たみてえにガタイはいいんだけど、目も耳もヘタレてるし、短けえ脚は内股だし、右手の親指を口に咥えてやがって。『情けねえ』をテーマにしたコスプレなら一等賞間違いなしって姿だぜぇ。
もうほっといて帰るしかねえ。こんなのに関わったら、こっちまで情けねえ病に罹っちまう。
そう思ったら、ミファのやつが一歩前に出やがった!
「わたし、このジョルジュの友だちのミファ……」
し、仕方ねえ(-_-;)
「マユ……二人の友だちのマユだ」
「ど……どうも、ボク、ライオン。ごめんね、悪いね、情けないライオンで」
「でも、なんで、そんなに元気が無いのよ?」
ミファは偉ぇよ(^_^;)。
「ど、どうも……ボク頭はいいんだけど、勇気が無くてぇ」
「入り口に、あんな仕掛けしたの、おまえか?」
ジョルジュが、あきれたように聞いた。
「ああ、うん、えと、奥の方に別の出口があってね、入り口を塞いで、侵入者が驚いているうちに逃げだそうと思って」
「そうとうの怖がりんぼね」
「サンチャゴのライオンとは、かなり違うなあ」
「え、ボクの他にライオンがいるの( ゜Д゜)?」
「あ、おじいちゃんの夢の中にね」
「うらやましいねぇ、夢がみられるほど眠れて……」
「眠れないの、ライオンさん?」
「う、うん、いろいろ心配やら、怖いことが、頭に浮かんできて……」
「羊の数でも数えればいいんじゃね」
「だめだよ!」
「なんでだ!?」
「だって羊が怖いんだもん」
ああ~~(-△-;)
「ジョルジュ、おめえ、なんでこんなライオンに関わったんだあ(¬_¬) 」
「だって、最初に会ったときは、こんなじゃなかったんだもん」
「あのときは、ハングライダーで降りてきたばかりで、テンションが高かったんだお」
「ハングライダーでやって来たの?」
「うん、たたんで奥の方に隠してあるお」
「で、いってぇ、どういうわけでここに来たんだあ?」
肝心なことを聞いた。
「レミが、ここへ来るように教えてくれたんだお」
「レミがぁ……?」
悪い予感がしたぞ。そもそもレミは、このファンタジーの世界のゴタゴタにマユを巻き込んだ張本人だからな。
「レミが、ここに来れば、助けてくれる魔法使いがいるって言ったお」
「魔法使いって……」
「北の魔女のブリンダより優しくって、オズの魔法使い……ほど強くはないけど、力になってくれる女の魔法使いがいるって」
ジョルジュとミファが、ゆっくりとマユの顔を見た。
「それって、ひょっとしてマユのことじゃないのか……?」
「ちょ、指すんじゃねえよ!」
「ちょ、ジョルジュ」
「おお、きみが力になってくれる魔法使い!?」
「ち、違ぇよ!」
「そうだ、レミからプロフ送ってもらってたんだお!」
腹のポケットからスマホを出しやがる。
「おまえ、ライオンだろ! なんで腹にポケットがあるんだ!」
「母方のお祖母ちゃんがカンガルーだった(^_^;)」
「ふざけんな!」
「ふざけてないよ、ほら、ほらほら、この写真マユだよマユシーだお」
「「あ、ほんとだ!」」
ミファとジョルジュが正直すぎる反応をしやがって、今度は、ストローハットを飛行機にして空を飛ぶことになっちまった!
「ありがとう、マユシー! やっぱり、レミが言った通り、いい魔法使いだ」
「魔法使いじゃねえし」
「じゃ、魔法少女! 魔法少女マユシー! かっこいい、きまりだお!」
「魔法少女なんかじゃねえ!」
「やさぐれ魔法少女マユシー!」
「やさぐれてねえ!」
「二つ名はカッコいいお」
「いらねえ!」
いらんことばっかり言って、なんの用事かは、ライオンは言ってくれなかった。
「来てくれれば分かるお」
その一言で行く……ほど、マユは、お人好しではない。
「いいかげんに……」という言葉が口をついて、「しやがれ!」という、残り半分の言葉が頭に浮かんだとたん、久々にカチューシャに頭を締めつけられちまった。
やがて、ストローハットの飛行機は黄色い道を見つけ、その道に沿って、低く飛んだ。
そして、ポピー畑の真ん中で眠っている女の子を見つけたぞ。
「どこかで、見たような……」
そう思いながら、マユは、飛行機を、ポピー畑の側の黄色い道に着陸させたぞ。
☆彡 主な登場人物
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
雅部 利恵 落ちこぼれ天使
デーモン マユの先生
ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
レミ エルフの王女
ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
白雪姫
赤ずきん
狼男
黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
浅野 拓美 オーディションの受験生
大石 クララ オーディションの受験生
服部 八重 オーディションの受験生
矢藤 絵萌 オーディションの受験生
片岡先生 マユたちの英語の先生




