46『サンチャゴとライオン』
魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
46『サンチャゴとライオン』
気安く引き受けたミファだったけど、ロックオンまで二時間もかかるとは思わなかったぜ。
ピクピクピク……
R2ボタンを押している人差し指がケイレンをおこしかけてやがる。
ロックオンして間もなく、サンチャゴじいちゃんのボートは、大きな島の浅瀬で停まった。
「あ、着いたんだ……」
くそ、これならロックオンなんかやらなくて、ただボートを追いかけてるだけでよかったぞ(-_-;)
小さな碇を投げ入れると、身軽にボートから飛び降りて、膝まで水に漬かりながら砂浜に上がっていくサンチャゴ。
遅れて浅瀬に着くと、ミファもサンチャゴを追いかけた。
ノッポのヤシの木がブッシュって言うか薮の中からニョキニョキ生えてて、いかにもカリブの島だ。
サンチャゴは砂浜からずんずんブッシュの中に進んで見えなくなっちまった。
――▼マークが、まだ点いているだろ。ロックオンを続けろ――
無駄と思ったロックオンが、ここで役に立つ。
「サンチャゴじいちゃん、なんだか身軽になってたよ……」
――ってか、若返ってやがる。背筋は伸びてるし、あの身のこなしは……どうやら、ここからはドキュメンタリーじゃねえみたいだぞ――
十分ほど行くとブッシュをぬけて、草原に出たぞ。
え?
▼マークの下にいるのは……海兵隊のフル装備に身を固めた若者だ。
――あれ?……サンチャゴは?――
「あれだよ……じいちゃん、若い頃は軍隊にいたんだ。あれ、そのころのサンチャゴじいちゃんなんだよ」
――うそ……!?――
「だって、ここはもうドキュメンタリーじゃないんでしょ」
小悪魔のマユよりも、人間のミファのほうが、目の前のことを正確に受け止めているようだぜ。
サンチャゴ……サンチャゴ軍曹は、ゆっくりと草原を見渡した。むろんミファとマユが合体した女の姿は見えねえ。ここは、あくまでサンチャゴの夢の中なんだ。
やがて、サンチャゴ軍曹は、なにを見つけて小走りで寄っていった。まるで宝物を見つけたハックルベリーみてえにな。
え?
それは、大きなライオンだった。
ライオンは、金色に近い豊かなたてがみをしてて、それを草原を吹く風になびかせてうずくまってやがる。
ZZZZZZZ……ZZZZZZZ……ZZZZZZZ……
ゆったりとした呼吸は草原全体の時間を支配してるみてえに威厳があった。
サンチャゴ軍曹は、かがんで、ライオンの顔を居眠っている友だちのように見ている。
そして、目覚めるのを待つように、ライオンの横に並んで座ったぞ。
海兵隊の軍曹とライオン……変な取り合わせだったけど、なんだか友だちみてえだ。
「サンチャゴじいちゃん、ライオンが目を覚ますのを待っているんだね」
――これだったんだな、サンチャゴが見ていた夢は――
「あたしたちも、待っていようよ、ライオンが目覚めるのを」
――おお。ライオンが目覚めたら、全ての秘密が分かる気がするぜ――
「なんだか、胸がドキドキしてきた」
そこまでだ……!
え?
合体した二人の後ろで声がしたぞ。
☆彡 主な登場人物
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
雅部 利恵 落ちこぼれ天使
デーモン マユの先生
ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
レミ エルフの王女
ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
白雪姫
赤ずきん
狼男
黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
浅野 拓美 オーディションの受験生
大石 クララ オーディションの受験生
服部 八重 オーディションの受験生
矢藤 絵萌 オーディションの受験生
片岡先生 マユたちの英語の先生




