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34『唇交換魔法』

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!


34『唇交換魔法』 





「「赤ずきんちゃーん(^▽^)!」」



 レミと白雪姫が、頭のてっぺんから声を出しやがる。



 二人が声を出さなきゃ、赤い服がよく似合う、マユよりちょっと年上の女の子に見えただろうぜ。


「わたし、どうしてここへ?」


「わたしが、魔法で呼び出したの」


「提案したのは、わたし」


 白雪姫が、申し訳なさそうに言った。赤ずきんの顔色が冴えない。でも、目覚めた白雪姫を見て、赤ずきんは素直に喜んだ。


「まあ、白雪さん。生き返ったのね!」


「あ、まあ……」


「……ということは(^▢^)!?」


「残念だけど、マユが一時的に蘇らせただけだ。魔法でな。あと三分ほどで魔法がとけて、また仮死状態にもどっちまう」


「この人は……?」


「あ、こないだし話したでしょ。悪魔の……」


「あ、ああ! この人が希望の星の悪魔さん( ゜Д゜)!?」


 レミが説明しかけると、赤ずきんは分かったようだ。


「こ、小悪魔だけどな(^_^;)」


「あなたが、このファンタジーの世界を救ってくれるのね! わあ、めちゃくちゃ嬉しい!……あ、あ、で、わたしは何をしたらいいのかなあ(^▽^)!?」


 赤ずきんは、知井子みたいな笑顔でピョンピョン跳ねやがる。


「実はな……」


 マユが説明すると、三人はエサを撒かれたハトのように顔を寄せてきやがった。



「「「くちびる交換(((◎*◎)))!?」」」



 三人の声が、それぞれの頭のてっぺんから出て、三つずつの!と?がみんなの頭の上でこんがらがってしまった。


「アニマ王子には、明日の朝、会った女性にキスしたくなるように魔法がかけてある。だから、明日、この森に来て赤ずきんにキスをするんだ。で、その時のくちびるが白雪のだったら、それで白雪は生き返ることができるって寸法だ!」


「「「なーる……!」」」


 また三人がいっしょに感心した……と!が、また三人分飛び出して、ぶつかって火花を散らした。


「でもさ、お城には若い侍女さんとか、かわいい女の子がいっぱいいるから、その子たちにキスしちゃうかも」


 レミが心配げに言い、白雪姫と赤ずきんがうなずいた。


「大丈夫。効き目が出るのにタイマーをかけておくから。何時頃に王子は来やがるんだ?」


「判を押したように、朝の九時。それから、少なくとも日に三度は来るわ」


「じゃ、九時に……セット」


 マユは、スマホを出して時間をセットした。


「へえ、小悪魔さんでもスマホ使うんだ」


 みんなが感心した。


「スマホ型の携帯魔法端末。人間界にいるもんで、こういう型にしてあるんだ。じゃ、時間ないからいくぜ」


「あ、でも」


「なんだレミ?」


「魔法でキスするようにしたるんなら、わざわざ唇を入れ替えなくても」


「ああ、そこなんだけどよ。この魔法は目覚めて起きてる相手にしか効かねえんだ。それに王子のやつ、だいぶこじらせてやがるからよ」


 ほんとは、マユの魔法が未熟なんだけどよ、それは言わねえ。


「いくぞ!」


「「「うん!」」」


 返事が揃って、また三人分の『!』が飛び出した。


「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム……えい!」


 マユは、スマホ画面の白雪姫と赤ずきんのくちびるを指ですり替えた。


「ああ……」


 白雪姫は、赤ずきんの声を発したかと思うと、クルクルっと二回転して、棺に収まってしまった。


「時間ギリギリだったみたいね」


 マユは、冷や汗をかいたぜ。


「わたし、なんだか歌を唄いたくなってきた……」


 赤ずきんが、白雪姫の声で言った。


「白雪さんて、歌が好きだったから!」


 また『!』が一つ転がり出てきた。


「いつか王子さまがやってきて~♪」


 赤ずきんは、白雪姫の声で唄いだした。すると、森の向こうからドアーフたちの「ハイホー」の歌声が聞こえてきて、うまい具合にハモったぜ。


「ハイホー」は、いつか、驚きの声に変わり、七人分の歓声になって近づいてきた……。




☆彡 主な登場人物


マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院

里依紗      マユの同級生

沙耶       マユの同級生

知井子      マユの同級生

指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー

雅部 利恵    落ちこぼれ天使 

デーモン     マユの先生

ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある

レミ       エルフの王女

アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)

黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー

光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー

浅野 拓美    オーディションの受験生

大石 クララ   オーディションの受験生

服部 八重    オーディションの受験生

矢藤 絵萌    オーディションの受験生

片岡先生     マユたちの英語の先生  




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