第3話 最弱生物 バニラドラゴン
side 灰夢
「そういえば地球の神からあんたへの選別貰ってたわ。要らないから持っていって頂戴!」
そういって口の中に種のようなものを放り込むと同時に火口に蹴り落とされた。クソババァは無様に落ちていく僕の姿を見て鬱憤を晴らすと転移魔法でその場を去っていった。
side ???
また地獄宮にお客様ですか。今月6体目のお客様ですね。おやおやこれは哀れ最弱種バニラドラゴンに変えられたニンゲンですね。とても興味深い…。次のおもちゃはコレにしましょうか…
side 灰夢
途轍もない殺気を感じて飛び起きると4匹の醜い豚面のモンスターに囲まれていた。
筋骨隆々の豊かな体躯を持ち、涎を垂らしながら突撃してきた。
だけどこちらにも攻撃手段があるんだよな〜
ドラゴンの口から繰り出された火炎放射は豚の肌を焼き始めた。
「ブモーーー!」
「豚どもドラゴンを舐めるなよ!」
しかしながら醜い豚面は火炎を突破して容赦なく僕の脚に棍棒を叩きつけてきた!
「グァヅ!!」
鈍い音を立てて折れる脚が激痛と恐怖を心に植え付けてくる!翼も折れ正に満身創痍であった。そして一匹がとどめを刺そうと脳天めがけて棍棒を振り下ろした。
咄嗟に目を瞑りその一撃に備えること10秒、棍棒が振り下ろされることは無かった…。
ゆっくり目を開けると3体の消し炭と黒い翼を生やした胡散臭い男が立っていた。
「そこのドラゴン…私の下僕となりなさい。
そうすればこの地獄の王にしてあげましょう!」
とても胡散臭いけどこの話呑むしか無いよね。
少しでも逃げたら消されそうだし…
すると油断した灰夢の背中に棍棒が振り下ろされた
あの男わざと一体残したな?性格悪くない?
「質問を変えましょう!生き残りたかったら私の下僕となりなさい!そうすればこの地獄の王にしてあげましょう!」
僕は目の前の1流ペテン師に深々とドラゴン土下座を決めた…