1話 突然!異世界への生贄!
「うーん」。
目が覚めると住み慣れた我が家のベッドではなく
硬い大理石の床の上であった。目を擦りながら空を見上げると満天の星空と白い神殿群が広がっていた。
灰夢は「うーん夢か」と2度寝しようとすると突然肩を揺すられた。
「起きてよ、そこの君」と肩を揺する人物は僕の幼なじみで彼女なのだが、驚くことに名前が出てこない。
彼女も僕の名を憶えてないようで恋心を抱いた相手によそよそしさを感じてしまい悲しくなった。
悲しみのあまり思い切り頬を抓ると普通に痛かった…現実なのかコレ…。
すると目の前の神殿から一対の白い羽を持った天使がこちらに向かってきた。お迎えにでも来たのだろうか?
「貴方達は安宅灰夢様と■■■■様ですね。」
僕たちが頷くと天使は神殿の中まで案内してくれた。
先に進むと豊かな白髭を蓄えた小太りの老人と車椅子に座った穏やかな老婆が我々を待っていた…。
「ようこそ地球の民、私は神の1柱ライゼルじゃ」
「同じく神の1柱レモンだわい」
「高校生の安宅灰夢です」「高校生の■■■■です」
神?タチの悪い新興宗教に拉致されたか?
すると自称神ライゼルが興奮しながら話しかけてきた
「おめでとう!君たちは地球の神からの生贄に選ばれたのだ!神の直属の僕に選ばれるのはとても光栄なことだぞ!」
地球の神?生贄?何を言っている?
混乱した僕は”一生後悔する”選択肢を選んでしまう…