~次回作 予告~
~~~次回作 予告~~~
………
……
…
ん、んん……ふわぁ。
あれ、ここは……宮廷?
あたし、随分前に辞めたはずだったのに。
ていうか、死にそうだったんじゃないっけ?あたし。
そっかぁ夢なのね、これ。体も若返ってるし。
まぁ何でもいいや。続き、書かなきゃ。
……それにしても。あたし、こんな体型してたかしら。
──あら式部様、今日は早いお目覚めですわね。
おはよー女房さん、新人かな?
って、
式部……?
夢にしても様子がおかしい。
あたしは恐る恐る、鏡を覗き込んだ。
そこには……
「紫式部になってるぅーーーー!!」
……さい、
「って、誰?あたしの頭に、誰か居るの?」
……『出ていきなさい、』
「ま、まさか、この頭の声……」
『……私の体に、よりによって何で貴女が居るの?清少納言!!』
「やっぱり、紫式部だった……」
転生先が。
宿命のらいばるな上に、魂が残った状態だった。
ひとつの体に、ふたつの魂。
奇妙な“同居生活”が始まった。
◇ ◇ ◇ ◇
『貴方……私が寝ている間に、勝手に物語を変えましたね……』
「アンタの話、ドロドロしてて少しもをかしくないのよ」
『だからと言って……
せっかく育てた“ひろいん”達を全員囲って旅に出るなんて!』
「一夫多妻の冒険譚モノ、この先絶対流行るわよぉ」
『そんなもの、全然あはれでないわ!それに貴女、誤字多いのよ!』
その珍妙すぎる、個性のぶつかり合いは、
「あなや……
内面を抉る人間関係描写と、鋭い視点の外面描写が、交互する作品。
どろどろ、さばさば。どろどろ、さばさば。
これは“新しい”である」
“まりあぁじゅ”となり、読者達を魅了していく。
書物を発表するのは、彼女らだけではない。
「へー。君、物語なのに随筆を挟むんだね。
僕も書いてみようかな、仮名文字とか使って」
突然、時を超え空を超えて現れた、
「ふむ…
物語を、管弦とともに演じさせてみたらいかがだろう」
数多の好敵手たちと、与え与えられる、多くの刺激は。
己々の文字を、高め合っていく。
そして……
ついに甦ってしまった、
「春は夜明けがいい、って?」
「いつまでも、貴族暮らししたいとな?」
…
「何を言ってるんだい、春はいつまでも眠いだろ?朝は起きられない」
「栄華は久くは続かぬ、春の夜の夢のようにな……世は無常なのじゃ」
二人にとっての、
運命の、宿命の、敵。
生きる時代が違えども、
住まう世界が違えども、
目指す地点は皆同じ。
そう、総ては……
人類史全てへ届くべき、魂の救済の為に!!
これは、
出会って混ざってぶつかった、ふたつの魂による、
新たな文芸時代を切り拓く、
熱血・執筆・物語である。
「アンタ!この体、寄越しなさいよ!」
『貴方こそ、出ていきなさい、身体から!』
新連載
『 「清少納言だけど、転生したら紫式部でした」 』
制作予定、
全くなし!!