魔王を倒したその後に・・・・
勇者だ。それ以外に紹介することは無い。
魔王は倒した・・・しんどかったよ。勝てたのは運だね。
それで僧侶の告白したらフラれた。いけると思ったんだけどね。
まさか戦士とできているとか思わないじゃん。
あぁ、実家帰って来てダラダラしてるのは非生産的な生活だとは分かってるけど、いいよね、俺世界救ったし。
「・・・ほうじ茶です。」
「おぉ、悪いねアサシン、暑いときには熱い飲み物を飲むの好きなんだよ。」
あぁ、それにしても退屈だ・・・ん?
「なんでアサシン居るの?」
「・・・今更ですね。」
このアサシン女は俺のパーティーの一人なんだが、なんで俺の実家に居るのかワケが分からない。オカンに聞いてみよう。
「はぁ?アンタが三日前に帰ってきた時に一緒に居ただろう。てっきり嫁さん連れてきたと思って、近所の人に言って廻ったのに・・・違うのかい?」
「違うよ!!早とちんなよ!!俺はロリは守備範囲じゃねぇ!!」
アサシンみたいなチビッ子よりも、胸のデカいお姉ちゃんが俺は好きなんだよ。
「あらそうだったの?でもあの子はお前のこと好きだよ。」
何をバカなこと言い出したんだ、我が母ながら情けなくなるぜ。一応確認だけはしてやるがな、そんなことは万が一にも無いよ。
「なぁ、馬鹿みたいなこと聞くけどよ、アサシンよ、お前俺のこと好きか?」
「・・・す、好きです。」
ほら見ろ、頬赤らめちゃってよ。最初からそれは無いと思ってたんだ。
「た、大変だ!!母ちゃんアイツ俺のこと好きだってよ!!」
「ほらみなさいよ、で、どうなんだい?アンタはあの子好きなのかい?」
「いや好きとか以前によ、俺が23才でアイツ16才だぜ。不味くないかい。」
「う~ん・・・ギリギリセーフじゃないかい。」
このババァ他人事だと思いやがって。
「アンタ今失礼なこと考えたろ!!」
"ゴンッ!!"
「痛い!!」
たくっ、殴ることは無いじゃんかよ・・・いつまで経っても母ちゃんは怖いぜ。
「・・・大丈夫ですか勇者様?」
「ありがとう・・・って、うわっ!!」
もう急に出てくるだもんな。アサシンだから仕方無いけどさぁ。
「てかさ、自分で言うのもなんだけど、お前俺みたいな奴の何処に惚れたの?割と良いところなんて皆無だぜ。」
「そんなことはありません。勇者様は優しいです。」
おっ、いつもボソボソ喋るくせに、なんかハッキリ喋りやがった。
「俺って優しいか?例えば?」
「私の嫌いなピーマンと玉葱を食べてくれます。」
・・・それ優しいって言うかね。食い意地張ってるだけだと思うけどなぁ。
「それに、それに・・・勇者様は殺し屋だった私を救ってくれました。」
「お前・・・。」
急にマジなヤツぶち込んでくるなよ。てか、そんな大したことじゃねぇよ。殺し屋放っておくワケにもいかねぇし、流れで旅に同行させただけなんだよ。
「それを言うなら、お前だって俺を救ってくれたんだぜ。お前が素早く動いて魔王の注意を引いてくれたから俺達は魔王を倒せたんだぜ。お互い様ってヤツだよ。」
「それでも・・・私はあなたが好きです。」
わぉ!!駄目だねこれは、なんかアサシンちゃん変なスイッチ入ってるよ。
「母ちゃんも何とか言ってくれよ!!ほらいつもみたいに俺の悪いところ100個ぐらい連続で言ってくれ!!」
と、俺が母ちゃんに頼むと、母ちゃんは何故だか泣いていた。
「母ちゃんまでどうしたのよ!!」
「い、いやね・・・モテたいだけで魔王討伐に出たドラ息子が、ちゃんと人助けなんてしてたなんて感動しちゃってね。」
な、なんか気持ち悪いな。なんだって今日に限って俺の株が上がるんだ?魔王討伐した時もこんなに上がらなかったぜ。
「アサシンちゃん、ウチの娘になるかい?」
「はい、お母様。」
オイオイオーイ!!話を勝手に進めるなや!!
けれど時は流れて三年もすると結婚の話がドンドン進み、淀み無い川の流れのように俺とアサシンは結婚する羽目になっちまった。
嬉しい誤算だったのは、アサシンは身長も伸びて胸も大きくなってボンキュッボンになり・・・ムフフ。
二人の間に子供が8人出来て、とりあえずハッピーエンドですわ。