表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

企画参加作品(ホラー抜き)

親不孝

作者: keikato

 商店街の路上。

 二人の男がいきなり喧嘩を始めた。

 一人は学生風の若者。

 もう一人は四十歳前後のサラリーマン。

「おっさん、あんたがぶつかってきたんだろ」

 若者が口をとがらせて叫ぶ。

「なにを! おまえの方からぶつかってきたんじゃないか」

 サラリーマンも鼻息が荒い。

 どうやら通りすがり、互いの肩が触れ合ったことから言い争いが始まったらしい。

「いいや、あんたの方からだ」

「いや、おまえの方だ」

 互いに意地となり、二人とも一歩も引き下がろうとしない。

 二人の周囲では、ヤジウマたちが徐々に輪を作り始めていた。

 サラリーマンが若者の頭を指さす。

「男のくせに、なんだその金髪頭は? そんなヤツにロクなもんはおらんとしたものだ」

「オレがオレの髪をどうしようと勝手だろ」

「おまえの髪だと? もとはといやあ、親からいただいた大事なもんだろう。それを粗末にして、この親不孝の恩知らずが!」

 立て板に水とばかり、サラリーマンは若者に向かって説教をした。

 だが、若者も負けていない。

「親不孝だと? それはあんたの方だろう。えー、そうじゃねえのか」

「オレが親不孝だと?」

「ああ、親からもらった大事な大事な髪をよ、一本残らず失くしちまってから。このタコ頭!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
オチで笑っちゃいました。 コントですね。(^◇^) ただ、これテレビでやっちゃうと最近は・・・・(^^;)
これは痛い((´∀`*))ヶラヶラ …… ……ご、500文字ぴったりの旧作があったーーー!!!Σ(゜口゜;)//
サラリーマンが金髪の若者を「親不孝の恩知らず」と罵れば、金髪の若者は「親から貰った大事な髪を一本残らず失くした」と言い返すとは、まさしく「売り言葉に買い言葉」ですね。 こんな具合に痛い所を突かれてしま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ