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少年冒険者の生活  作者: ▲■▲
四章:復讐と裏切り
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鷹狩り



「それじゃ、冒険の前にレムスさん訓示を一つ」


「えー、本日はお日柄もよく――」


「そんな丁寧じゃなくていいよ……?」


 雲ひとつ無い青空の下、レムスさんに呼ばれたマーリンちゃんは突っ込みを入れつつ、他に招集に応じた人々の顔を見渡しました。


 全員、見知った顔です。


 レムスさん、セタンタ君、そして駆け出し冒険者のパリス少年とガラハッド君の姿があり、二人の師であるエレインさんもやってきていました。


 本日は指定暴力団体クラン・白狼会の初仕事。


 レムスさんが請け負ってきた冒険者ギルドの依頼を「皆で頑張ってこなそう!」という事で現在は都市郊外に通じる門の前で軽く演説中です。


「天気も良いし、絶好の魔物狩り日和だ。バンバン殺していこうぜ!」


「物騒」


「冒険者の仕事なんてそんなもんさ。おっと、改めて今回の俺らがやる仕事の内容を説明しておくぞ。わからない事があったら聞いてくれ」


『はーい』


 少年少女達が応じ、レムスさんは満足げにカンペを取り出しました。


「えーっとだな……本日はお日柄も良く――」


『戻ってる……』


「おっと失礼。今日は魔物の巣の破壊が仕事だ。ついでに巣にいる魔物も狩る」


 討伐対象は「アルコン」という魔物です。


「今日狩るアルコンは、言っちまえば鷹の魔物だ」


「向こうの空を飛んでるみたいな?」


「そうそう」


 パリス少年が指差した方向には急降下を行う鷹の姿がありました。


 全長は90センチ、翼開長は180センチほど。姿形も鷹に酷似していますが、あくまで鷹に似ているだけの生物――魔物です。


 自分より大きな人間相手でも構わずに仕掛けてくる人類の敵の一つです。


「空は飛べるが、普通の鷹よりは強えってぐらいで魔物の中では弱い部類だ。握力スゲーから爪で肌掴まれるとゾリっと肉えぐられるから注意な」


「うぇ……オレ様もガラハッドみたいに鎧を着てくれば良かったのか」


「アルコン対策に鎧はかなり有効だぞ。まあ、駆け出しの二人は今日は見学ついでの気分でついてきてくれ。俺が責任とってキッチリ守ってやる」


「あ、でも索敵はパリス担当でヨロシク」


「オレッ!? マーリンじゃねえの!?」


 急に指名を受けたパリス少年はちょっとオロオロ。


 弟子二人の付き添いで来てくれたエレインさんは「良い練習になります」とノホホンと言い、ガラハッド君も「頑張れよ」と肩を叩いて言ってくれました。


 ただ、それでもミスをした時が怖いのか、ちょっと不安げにしています。



「大丈夫大丈夫、ホントに危ない時はボクが警告するから」


「アルコンの羽音だけ捉えてくれりゃいい。練習ついででいいからよろしくな」


「ぐぅ……まあ、やってみる。失敗したらごめんな!」


「アルコン相手なら、即死はそうそう無いから大丈夫ですよ」


 空を飛ぶ厄介な特性はあるものの、人を見ると嬉々として飛びかかってくるので間合いの外から一方的に攻撃される事もありません。


 人の肌を軽くえぐる爪を持っているとはいえ、傷跡はナイフか剣で切りつけられたぐらいのものなので、よほど急所を捉えられない限りはエレインさんの言う通り、即死はありません。即死は。


 部類としては駆け出し冒険者でも狩れる弱い魔物です。


 アルコンが絡む死因で多いのは、他の魔物と戦っている隙をつかれて攻撃される事や、不意をつかれて動揺し、崖を踏み外してポロッと落下死するというもの。


 その辺に気をつけておけば対処は難しくありません。



「そんじゃ、元気に出発」


『はーい』


 そんなわけで、一行は都市郊外へと走り出ていきました。


 門から出た先に広がっていたのは緑乏しい大峡谷地帯。


 橙色の切り立った岩壁がいくつも点在している地帯で、高所に登れば遠くまで視界が通っています。草木も少なく、高い所からなら視界を遮るものが少ないです。


 それは魔物に不意をつかれにくいという利点もありますが、一方で魔物からも見つかりやすいという地形でもあります。


 ただ、都市近辺にはまだ強力な魔物が現出しづらく、襲ってくるとしたらアルコン程度なので一行は楽々ピョンピョンと峡谷を奥へと進んでいます。


「ここを数日、奥地へと進んでいったら星がよく降る場所があるんだ」


「星?」


「隕石だ。武器の材料になる特殊な隕鉄が取れるとこでな? 遠征部隊が泊りがけでそれを探すって事もあるんだよ」


 ちょうどそれらしき遠征部隊が奥地に向けて走っていっている光景が見受けられたので、レムスさんは足を止めてパリス少年とガラハッド君に指し示しました。


「隕鉄って儲かるの?」


「おう。隕鉄からしか取れない希少金属がよくあるんだ」


「へぇー」


「いまかなりアツいそうですよ、隕鉄採掘」


「そうなの? エレイン様?」


「そうなのですよ、マーリンちゃん」


 エレインさん曰く、ここ最近は隕鉄がよく取れるそうです。


 というのも落下してくる隕石が増えているらしく、場所によっては入れ食い状態のウハウハ。普段は落ちてこない場所にもドカン! と落ちてきているんだとか。


「隕石というより隕鉄そのものがよく落ちてきていたそうですよ」


「へ? 隕鉄の塊が落ちてくんの?」


「溶けそう」


「ところがどっこい、あまり溶けた様子なく落ちてきているそうです。お空の上で大きな鉄の船が砕け散ったんじゃないかー、って言う人もいるほどです」


「鉄の船って。エレインさんはおもしろいこと言うなぁ」


「与太話を言ってるですよ、与太話」


白狼会ウチでも隕鉄取りの遠征部隊結成するべきだったかなー」


「それはどうでしょうね。今から追っかけでやっても二番煎じ、三番煎じどころではない話になってきますからねー……」


「なるほど」


 レムスさんは深々と頷きました。


 頷いて、ちょんちょんとセタンタ君をつついて囁きました。


「エレインさん、美人でおっぱいデカくて最高だよな!」


「話あんま聞いてなかったな……」


「んな事ねえよ、ちゃんと失礼のない程度に女体を拝んでた。チラチラ堂々と」


「どっちだよ……一応言っとくけど、相手人妻だぜ?」


「ううむ、そこが惜しい……浮気はさすがにダメだ。惜しいぜ!」


 レムスさんはしばし女体エレインに「有り難い有り難い」と拝み、それ以降はほどほどに真面目に冒険に戻っていきました。



 一行は出来るだけ見通しの利く場所を行軍していきます。


 パリス少年も段々、アルコンが飛んでくる際の羽音を索敵魔術で捉えるのに慣れてきたらしく、次第にリラックスした様子で歩みを進めました。


「一種類ぐらいなら何とかなりそう」


「よしよし、じゃあ次は見つけたアルコンを誘き寄せてみろ」


「せっかく戦闘避けれるのにおびき寄せんの?」


「ベチって叩けば一撃だからな。ハエ叩くようなもんだよ」


「でも、どうやって誘き寄せればいいんだ?」


「例えば、こうですね」


 エレインさんがアルコンに向け、指笛を吹きました。


 すると、それを聞きつけて襲いにきたアルコンをレムスさんが素手ではたき落とし、地面にベチっと叩きつけられた魔物はそれきり動かなくなりました。


「な? 簡単だろ?」


「は、はたき落とす方はともかく、呼ぶのは音の魔術で何とかなるかな……」


 パリス少年は早速、新たに見つけた鷹に見つけ、音を伝えました。


 魔術により、指向性で届いた音はアルコンまで届き、またやってきてはレムスさんに無残に殺されました。


「ちょっと可哀想になってきた」


「人間襲ってくるから仕方ないさ。ま、こんな感じでアルコンはモロいから、森狼より殺しやすい。次はガラハッドに倒してもらおうかなー」


「す、素手で……?」


「その通りだ!」


 豪快に笑うレムスさんにガラハッド君ドン引き。


 後ろからそっと顔を覗かせたエレインさんが「素手でもいいですけど、武器防具を使っても良いですよ」と口添えしました。


 かくして索敵パリス少年、迎撃ガラハッド君、後の皆さんは郊外奥地に進みつつ囃し立てるだけという布陣になりましたが、パリス少年は首を傾げました。


 ちょっと疑問があるようです。


「魔物との戦闘は出来るだけ避けた方がいいんだろ? 今回はあくまで巣の破壊が目的なら、無駄な交戦は避けた方がいいんじゃ……?」


「普通はそうだな」


「じゃあ、オレ様達の訓練?」


「それもあるが、アルコンは空を飛べるって問題もある」


「飛べるから地形関係なくササッと移動できるので、追いつかれやすいのですよ。だから不意打ちされる前に倒しておきましょう、という考えがあるのです」


「なるほど、なるほどなー」


「向こうで鷹笛鳴らしてる冒険者達は、純粋に討伐目的だけどな」


 レムスさんが指差す方向には駆け出し冒険者達の姿がありました。


 アルコンを呼び寄せるために用意した鷹笛を鳴らし、近づいてきたところを迎撃して倒していっています。


 迎撃方法は森狼相手と同じく武器で攻撃する、という方法で狩っている冒険者もいますが、中には投網を使っている人達の姿もありました。



「迎撃に自信無いヤツは、網投げて絡め取って地面に落として、そっから網越しにトドメを刺してるわけだ。浮遊じゃなくて飛翔してる魔物だからな」


アルコン狩りには確実で無難な狩り方です。無理してカッコつけて目玉をえぐられたら大変ですからね。カッコつけより、生存優先……良い事です」


 無難な方法を「臆病者チキンめ」と嗤う人もいます。


 そうして自分からハードルを上げて、還らぬ人になった人も大勢います。それは鷹狩りに限らず、全ての魔物相手に考えうる事態です。


「オレ様はカッコ良さ、結構気になるかも……」


「カッコ良さというか、気分の良し悪しは魔術のキレにも影響するので、程々には取り組んでいくべきですよ。私の服装も半ばカッコつけです」


「エレインさんの格好は俺も気分アゲアゲです!」


「若殿は正直ですね。元気でよろしい」


 エレインさんは微笑みました。


 セタンタ君とマーリンちゃんもレムスさん追随して「好きで~す」と、エレインさんのライダースーツの如き身体のラインが出る戦闘服を褒め称えました。


 豊かなで柔らかな乳房、それと真逆を行く細い腰、全体のバランスを損なわない程度に丸みを帯びたお尻を隠す服ですが、シルエットは裸に近い格好です。


 パリス少年は黙って心のいいねボタンを押し、ガラハッド君はムッツリとした表情を浮かべつつも、改めて目のやり場に困って視線を空に逃しました。


 

「さて、雑談はその辺にして進みましょうか」


『は~い』


 依頼こなす前に日が暮れると困るので、一行は再び進み始めました。


 進めば進むほど、そこら中で冒険者の姿が見受けられました。


 皆さん、一心不乱にアルコン狩りに勤しんでいます。


 魔物の方が多いとはいえ、郊外を進む一行は既に十以上の鷹狩りパーティーと遭遇していました。探そうと思えばもっといらっしゃるでしょう。


「マジでメッチャいる。アルコン狩りって儲かるのか?」


「そこまで儲からねえかなー」


「駆け出し冒険者向けの魔物だからな。スゲー儲かるってほどではないけど、そういう奴らにはちょうどいい相手だから狩りに来てるんだよ」


 疑問を口にしたパリス少年に対し、セタンタ君が説明してくれました。


「アルコンの羽は矢の羽……矢羽に使えるんだ」


「へー、だからアルコン来るの待ちながら羽むしって袋に入れてる奴らがいたのか。オレ様はてっきりトリ肉狙いかと思ったぞ」


「アルコンの肉はマズいぞ」


「可食部も少ないしね~」


「なるほどなー」


 稼げる魔物ではなくとも、駆け出し冒険者の相手としては相応。


 レムスさん達が道中で狩ったアルコンは――今回は羽をむしってる暇もないので――死体を拾い上げ、道中で出会った駆け出しの子達に譲っていきました。


 譲られた側も狩る手間が省けるので喜んでくれています。


 レムスさんやセタンタ君ぐらいの冒険者になると、アルコン狩りで得られる報酬は小遣い稼ぎにも満たないものです。


 しかし、価値は人それぞれ。お金一つとっても対価の多い少ないは人や環境によって受け取り方が変わってきます。



「私とパリスぐらいの駆け出しなら、程よい獲物というわけか……」


 ガラハッド君が呟き、微笑しながらパリス少年に「今度二人で来てみるか」と誘い、パリス少年も笑って「いいな、それ!」と応じました。


「ああ、そうか、お前らならちょうどいいだろうから……今日の道中に狩ったアルコン、数珠つなぎにして、持って帰ってから羽むしってみるか?」


「うーん、行きは荷物になりそうだし、帰りに少しだけ貰えればいいかな」


「そうだな。数匹持って帰って、帰ってから羽むしりの練習でもしよう」


「そうか、じゃあ帰りの取り分は全部お前らのもんだ」


 レムスさんの言葉に喜ぶ駆け出し冒険者二人組。


 それを見たセタンタ君は、ちょっと眩しそうな顔をしました。



 一行が都市を出てから二時間後。


 休憩を挟みつつも、身体強化魔術で高められた身体能力で踏破してきた甲斐もあり、都市が霞むほど遠くに見える場所――目的地近くまでやってきました。


 昼時にはまだ少し早いですが、ここでお弁当を広げるようです。


 巣の破壊前に腹ごしらえをし、お腹がこなれるまで英気を養った後、巣の正確な位置の捜索及び破壊工作へと移るようです。


「メシ食いながら聞いてくれ。巣の場所は休憩終わった後、マーリンちゃんが索敵魔術で正確な位置を押さえてくれる」


「実はもう押さえてまーす」


「早えな!」


「向こう、あの空を旋回しているアルコンの数が多いとこの下辺りかな」


 複数の巣が集まり、集団繁殖地ルッカリーを築いているようです。


 弱い魔物アルコンとはいえ、大群が近いので一行は崖に出来た横穴に移動し、そこで改めて昼食を取る事になりました。


「んで、話の続きだが、巣の掃討は俺とセタンタとガラハッドで行う」


「えー……オレ様は行っちゃダメなのかよ」


 パリス少年が膨れましたが、苦笑したレムスさんにたしなめられ、「まあ一羽二羽ならともかく、群れ相手だと足引っ張っちゃうか……」と納得しました。


 納得して、自分の分まで頑張ってきてくれとガラハッド君を激励しました。


 激励されたガラハッド君はちょっと困惑顔です。


「私も足を引っ張るんじゃなかろうか?」


「いや、ガラハッドは全身を鎧で包んでるからな」


「アルコン相手なら、この場で一番相性良いんだよ」


「ははあ。まあ、せっかくなのでパリスの分まで頑張ってくるか」


「その意気だ。エレインさんはパリスとここで待っててください」


「了解です」


「マーリンちゃんは索敵な。何かあったら交信魔術で教えてくれ」


「了解でーす」


 実行前の段取りは後で詰めるとして、一行は食事へと戻りました。


 一足早く食べ終えたパリス少年は「ふぅ」と息を吐きつつ、索敵魔術で鷹の羽音を集めつつ――ふと思った事を口にしました。


「この後、レムスさん達でアルコンの巣をぶっ壊すんだよな?」


「おう。それが今回の依頼だからな」


「巣が破壊されるって事は、アルコンの数も減る?」


「しばらく減るな。繁殖がちぃと止まる事になるから」


「そうなると、ここまでに会ってきた駆け出し冒険者の奴らは困るのかな? ほら、アルコン少なくなるって事は、メシの種が減るって事だろ?」


「まあな」


 レムスさんは皆のために食後のお茶を淹れつつ、頷きました。


「けど、放置しすぎるとアルコンの群れが大発生する事になる。そうなると都市周辺の危険度が上がるからな。駆け出しも出ていけなくなる。駆除するのは大事だ」


「うーん……なるほどなぁ」


「矢羽もここのアルコンいなくなると確保できねえわけじゃねえしな。あと、アルコン狩っておくのは冒険者の安全確保のためもあるが、一般市民のためもある」


「弱い魔物なのに?」


「弱いけど、飛ぶってのが厄介なんだ。数が増えすぎると都市を囲む市壁を超えてやってくるアルコンを捌き切れなくなるからなぁ」


「あ、そっか」



 パリス少年の言う通り、アルコンは弱い魔物です。


 しかし、飛翔能力という厄介な特性を持ち合わせています。


 市壁を超えて襲来出来るという事は、無防備な一般市民が都市内で襲われる可能性もあるという事です。


 そのため都市に常駐している防衛部隊で対応出来る数に留めるべきですし、可能であれば絶滅させておきたいところです。


 この近辺のものが絶滅しても別の生息地から飛んで集団繁殖地を築き始めたり、最悪、魔物を生み出している神様が一から創造して送り込んできます。


 イタチごっこになってしまうのですが、それでも狩らないわけにはいかないので、冒険者ギルドは定期的に巣の破壊工作依頼を出しているわけです。



 実際、過去の事例として子供が目玉を抉られた事もありました。


 治癒魔術で元通りになったとはいえ、恐怖はひとしお。


 事例が一件だけでも「都市内でも魔物に襲われる危険がある」という事で首都からやってくる一般市民の方が減るという事態にも発展しました。


 都市の管理者と冒険者ギルドが責任の所在で揉めつつも、根本的なところを解決しなければ意味が無い、という事で管理者側は防衛強化、ギルド側は巣の早期撲滅という事で話は片付いたようです。


 怪我の危険がある都市、という悪評はその後も数年は晴れずにいたものの、皆さんの尽力もあって現在は払拭。


 されど、いつ同じ事が起こるとも限らないのでレムスさん達の働きに都市の将来がかかってきているのです。



「まー、アルコンの巣ぐらい俺一人で余裕なんだけどな」


「身も蓋も無い」


「私が行く必要性……」


「そりゃ経験積むためだ! お互いにな」


 レムスさんはニカッと笑いつつ、「ガラハッドには戦闘経験、俺には総長として人を率いる経験がもらえるわけだ」と嬉しげに言いました。


ザコ相手とはいえ、頑張ろうぜ皆!」


『おー!』


 皆が叫んだ事でアルコンが数匹やってきて、「うわぁ」と大騒ぎになりましたが無事に駆逐され、もうしばらく休憩を続ける事になりました。


「私とマーリンちゃんは少し偵察に行ってきますね」


「男衆は察してね」


「ういうい、気をつけてな」


「女性だけ行かせるわけにはいかない。私もついて行こう」


「ガラハッド、どうしても行きたいなら去勢してから行け」


「??」


 女性陣が少し離れた場所に行った後、レムスさんは「場の女の子度が下がっちゃった……」と残念そうに言葉をもらしました。


 そこから男性陣だけでちょっとした猥談をしていたのですが、それは横槍で――別の冒険者パーティーからの呼びかけで――止められる事になりました。



「お、パリス? パリスだ」


「あれ? ひょっとしてガラハッド……君?」


「こんなとこで何してんだ?」


「隠れてんじゃね? ハハハ!」


 話しかけてきた冒険者パーティーは、20人ほどで構成されていました。


 多くの子達が物珍しそうに、ニヤつきながらパリス少年達を見ています。


 話しかけられたパリス少年とガラハッド君はちょっと不機嫌そうに黙り、小声で「知り合いか?」と話しかけてきたレムスさんに小声で言葉を返しました。


「学院の同級生……です」


「同級生で冒険者パーティー組んでるんだ。オレ様達は入ってないけど」


「ほー……ちょっとウザそうだな?」


 レムスさんは何の気無しにそう呟きました。


 そして、その言葉通りになりました。




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