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少年冒険者の生活  作者: ▲■▲
九章:虐殺の引き金
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5/8 すくいの手



 母の献身と幸運で追手をやり過ごした少年は、その事に安堵する暇もありませんでした。


 自分の腕の中でぐったりとした弟を――追手に気づかれないために弟の口を塞いでいたところ、それによって窒息した弟を抱きしめたまま震えていました。


「ぅ、あ。う、うッ、あぁぁぁぁ……! あぁぁぁぁ……!!」


 言葉を紡ごうとしても、それはハッキリとした形にならず、ただのうめき声として少年の口から漏れ出すだけでした。


「――――」


 少年の弟は微かに閉じたまぶたの間から白目をのぞかせ、ピクリとも動かくなっていました。やせ細った手が土の上に投げ出され、そこに蟻が登ってきても何の反応も示さずにいました。


「あ、あっ……嫌だ……頼む……」


 少年は肩で息をしながら震える手で弟を撫でました。


 かさかさに乾いた肌に小さな雨粒のようなものが落ちましたが、そんなものでは何も変わりませんでした。少年の弟は動かなくなったままでした。


「だ――だれか」


 誰か助けてくれ。


 少年はそう叫ぼうとしましたが、思いとどまりました。


 追手は完全に撒けたわけではありません。今は崖下に落ちた母親の死体を検めてに行っているだけ。少年達と一緒に落ちたと思われた母親の傍に少年達の死体が無い事に気づけば、直ぐに追走してくるでしょう。


 敵しかいない。誰も助けてくれない。


 それでも、


「誰か……だっ、誰かっ……!」


 それでも少年はそう言わずにはいられませんでした。


 砂埃にまみれ、乾ききった頬を濡らしながら祈りました。


 誰か助けてくださいと祈りました。



 ……その願いは聞き届けられました。



 彼らの様子を密かに見守っていた神は、腕を振って術を行使しました。


 癒やすための術を使いました。


 神に見られている事を知らず震えていた少年は、奇跡が起きたと思いました。


 疲弊しきっていた自分の身体が僅かに軽くなり、腕の中から「けほっ」と咳き込む音が響いたのです。にじむ視界の中、少年は弟を見ました。


「あ、あっ……!」


「……にい、ちゃ……」


 無数の蝿にたかられたような人影が――この世界の神が木の枝に腰掛け、見下ろす視線の先。少年の弟が息を吹き返し、身じろぎしました。


 少年は無言で弟をギュッと抱きしめました。


「ごめん」


 今度は窒息などさせないように、大事に、大事に抱きしめました。


「ごめんなぁ……!」


 少年は奇跡カミに感謝しました。自分達が本当に神に助けられた事は知らず、神が直ぐ傍で見守っている事も知らず、それでも感謝しました。


 少年達は救われました。


 救われたはずでした。


「……逃げよう」


「おかあさん、は……? にいちゃん……おかあさんは……」


「…………」


 少年は弟を背負い、木の棒を支えにして歩き始めました。


 うるさいほど鳴る心臓の鼓動を聞きつつ、歯を食いしばって静かにその場を離れ始めました。母の犠牲を無駄にしないために弟を連れて逃げ出しました。


「にいちゃ……おかあさん……。おかあさんが……」


「逃げなきゃダメなんだ」


 少年は背中の弟の重みと疲労に押しつぶされそうになりながらも逃げる事にしました。


「かあさんに、頼まれたんだ」


 少年は母親の最期の言葉を思い返しながら歩き続けました。


 東へ、東へ。


 母と共に目指した見知らぬ異国バッカスに向けて。


「ボクは……おまえの、お兄ちゃんだから……」


 少年の母は言いました。


 貴方は立派なお兄ちゃんだと言っていました。


 立派なお兄ちゃんだからこそ守れると信じ、託しました。


 その言葉は少年にとって呪いとなりましたが、必要な呪いでした。


 少なくとも、この時は。


「絶対守る」


 ぜったい、ぜったい、と念じながら少年は東へ歩き続けました。


 弟の重みと、母の呪いがあるからこそ歩く事が出来ていました。


 ひとりぼっちだったら、もう一歩も歩けないほど弱りきっていました。


「大丈夫……。にいちゃんが、お前を……」


 少年は知りませんでした。


 自分と瀕死の弟に、癒やしの術を施してくれたのが神だと知りませんでした。


「ぜったい…………守る、からなっ……!」


 少年は知りませんでした。


 自分達を神が見守っている事を。


 その神が嗤っている事を知りませんでした。


「ぜったい、おまえを守る。だから――」


 少年は知りませんでした。


 この世界の神が、邪悪な存在だと知りませんでした。


 バッカス王国における常識を、この時はまだ知りませんでした。



「に、にいちゃ……」


「っ…………。なん、で……」


 少年の背で弟が小さく悲鳴を上げる中、少年は杖にしていた木の棒を構えました。それぐらいしか頼れるものがありませんでした。


 少年達の行く先で、獣の唸り声が聞こえました。


 その獣は森狼と呼ばれる魔物でした。


 ほんの一瞬前、神が――嗤いながら――創造した生まれたての森狼でした。


 少年は知りませんでした。


 神が自分達を救ったことを。


 救っておきながら、もっと絶望する姿が見たくて魔物をけしかけてきたことを。


 神が邪悪な存在だということを、知りませんでした。

















































「は――――はっ――――はぁッ――――!」


 少年は必死に駆けました。


 必死に魔物から逃げようとしました。


 少年は、いまの自分があの獣に勝てないことは理解していました。



「は――――は――――は――――」


 背に乗せた弟を落とさないよう、片手を添えて走りました。



「ああああああああああああああああああああッ!!」


 追手の存在を忘れ、叫び、棒きれを振り回しながら逃げました。


 追ってくる魔物が近づいてこれないよう、棒きれを振り回して逃げました。



「来るな」


 少年は弟のことは忘れませんでした。


 恐怖しながらも、それでも母の言葉のろいを守ろうとしました。


 守りたいと思っているからこそ、必死に守ろうとしました。



「来るなぁッ!!」


 飛びかかってきた魔物の鼻先に、棒きれが偶然あたりました。


 それは本当にただの偶然でした。


 その偶然により、何とか噛みつかれずに済みました。


 神は手を叩いて喜びました。うまい、うまい。上手、上手、と。


 ただの見物客のように観戦に徹しました。



「あっ……! あぁぁっ……」


 偶然で命を繋いだ少年は嗚咽混じりの悲鳴を漏らしました。


 もう逃げ道がなかったのです。


 崖っぷちに追い込まれていたのです。


 飛び降りたら助からない。少年がそう思うほど高い崖でした。



「にいちゃ……」


 少年が正気を失わずに済んだのは、弟の重みと声があったからこそでした。


 弟の声を聞いた事で、背に乗せた弟も震えている事に気づきました。


 彼はその弟を崖っぷちに下ろしました。


 下ろして、棒きれを手に魔物の方へ向かいました。



「に、にいちゃ……!」


「だいじょうぶだから!!」


 少年の声は、弟が聞いたことがないような涙声でした。


 少年の足は震えていました。疲労だけではなく、それ以外の感情によって。


 それでも少年は棒きれを槍のように構えて――。



「ぜったい守る! 今度は、ぜったい……!」


「にいちゃ……!」


 背に弟の重みがなくとも、弟の視線と声を支え少年は立っていました。


 闇雲に棒切れを振ったところで勝てない。


 子供である自分の力では勝てない。


 少年はそう考え、賭けに出ることにしました。



「来い! お前なんか、こわくないぞ!!」


 少年は声を張り上げ、魔物を挑発しました。


 その叫び声は子供の死体がないことに気づいた追手にも届きました。


 当然、土を蹴って走り寄ってくる魔物に対しても――。



「わああああああああああああーーーーーっ!!」


 少年は棒きれを槍のように突き出しました。


 自分こどもの力だけでは勝てない。


 だから、相手が飛びかかってきた勢いを借りようとしました。


 少年の狙い通り、魔物は飛びかかってきました。



「ぁ」


 少年は賭けに負けました。


 狙い通りに飛びかかってきた魔物に、突き出した棒きれ。それを外しました。失敗してしまいました。


 突き出された棒きれは魔物をかするだけの結果に終わり――。



「あぐぅッ?!!」


 肩口に噛みつかれた少年は引きずり倒され――。



「アアア゛ーーーーッ゛!!!」


 魔物の牙は少年の肉を切り裂き、骨にまで届きました。


 激痛に叫ぶ少年は、それでもまだ諦めていませんでした。



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーッ゛!!!」


 肩口に噛み付いてきた魔物の首を掴み、転がり――――。



「うあ゛ぁ゛ッ!!!」


 崖から落ちました。食いつかれたまま。


 賭けに負けた。


 自分と弟、両方が生き残る賭けに負けた。


 だから、少年は自分の命を使い、再び賭けに出ました。


 母のように自分の命を使い、弟を守ろうとして――。



「ゥ゛ぐあ゛ッ!!」


「ぐぅ゛ーーーーっ……!!」


 死にぞこないました。


 落ちた少年に手を伸ばした弟が――崖っぷちに生えた木の幹にしがみつきながら――ギリギリのところで足を掴んで助けてくれました。


 落下の勢いを止められた少年は岸壁に打ち付けられましたが、肩口に噛み付いていた魔物がクッションになりました。


 肉が余計に切り裂かれる事になりましたが、打ち付けられたショックで魔物は少年から口を離しました。そして、下へと落ちていきました。


「ぅ……ぐ、ぅ…………」


「に、い……ちゃ……!」


 少年の弟は、兄の足首をギュッと掴みながら耐えました。


 2人の遥か下方では、足をばたつかせて空中であがいていた魔物が頭を打ち付け、派手に血肉を撒き散らす事になりましたが――少年はそうなりませんでした。


「にいちゃんっ……!!」


「…………」


 少年は肩口から血を垂れ流しつつ、朦朧とする意識の中で自分が死なずに済んだ事を悟りました。守ろうとして、守られた事に気づきました。


 ただ、このままでは助からないと思いました。


 逆さ吊りの姿勢でなんとか命を繋いだものの、上に上がるだけの気力は残されていませんでした。……自分より小さな弟が持ち上げるのは不可能だと思いました。奇跡でも起きない限り。


「……おチビ、よく聞け……」


「にいちゃ……にいちゃんっ……!」


「向こうに行くんだ。なんとか……生きて……」


 少年は自分が向かっていた方角を――東を指差しながら言いました。


 弟が困惑しても構わず言葉を続けました。


「バッカス王国に、行け。お前なら、ぜったい、だいじょうぶ……」


「にいちゃ……にいちゃんは……?」


「にいちゃんは、別の道から行く。下から」


 少年は魔物が落ちていった先を――下を指差しました。


「下から、行くから……あとで、バッカス王国で、会おうな」


「むりだよ……!」


「だから、その手を離せ……。行くんだ。バッカスへ……生きて……」


「むりだよっ……!」


「無理じゃない。お前ならできる」


「手、はなしたら、にいちゃんしんじゃうっ!」


「大丈夫だ」


 少年は優しい声色で話しかけました。弟を落ち着かせるため。


 自分の事は諦めさせるために。


「下……落ちる途中に、木、生えてるから……アレ掴んで、降りるから……」


「やだぁ……!」


「上がるのは無理だ。……別々の道を行けば、助かるかもしれない」


「やだぁっ!!」


「ばか。お前、ボクの弟だろ」


 逆さ吊りになった少年は、額を濡らしながら言葉を続けました。


「弟は、兄ちゃんの言うこと……聞かなきゃだめだ」


「やだよぉっ……!」


「手、離せ。はやく……たのむ、から……。お前は、逃げ……」


「やだ、やだっ、やだぁっ……!!」


 少年の弟は精一杯、力を込めました。


 なんとか兄を助けるために。全力で引き上げようとしました。


「ふ、ぬぅぅぅ……!」


「離せ。お前も、落ちちゃうだろっ……!」


「うぅぅぅぅぅぅ……!!」


 小さな身体でも、精一杯の力を込めました。


 兄や母のように自分が出来る精一杯のことをやろうとしました。


 けれど、引き上げる事は出来ませんでした。


「あぁぁぁ~っ……! うわああああああああああんっ……!!」


 手が白くなるほど一生懸命、力を込めてもダメでした。


 それどころか、もう、兄の足を持ち続けることすら――。


「離してくれ。離せ。離せよっ、ばかぁぁぁっ……!!」


「やだっ、やだああああっ……!!」


 2人分の嗚咽混じりの声が崖っぷちで響き続けました。


 1人はもう諦めていて、1人はぜったいに諦めないと思っていました。


 にいちゃんみたいに諦めない。


 そう思ってがんばっているのに、にいちゃんみたいにカッコよくなれない自分が悔しくて、つらくて、ポロポロと涙をこぼしました。


「にいちゃんの、言うこと、聞けよぉっ……!」


 少年はもう、どうすればいいのかわかりませんでした。


 母は自分達を守ってくれた。その母に弟を守るように頼まれた。


 それなのに守ってやれなくて、それどころか守られて、自分はなにもできない情けない奴だと思い、悔しくて、つらくて、ポロポロと涙をこぼしました。


 弟の涙すら止められない自分が恥ずかしくてたまりませんでした。


 そんな兄弟2人の様子を、神は楽しげに眺めていました。


 助けてやる、と言い、塩を撒くように手を振って術を行使しました。



「「――――」」


 少年も弟も、神の存在に気づきませんでした。


 しかし、2人とも、別のものに気づきました。


「離せ! 早く!! 早くぅっ!!」


「うぅ……」


「逃げろ!! お前だけでも!! 早くしろっ!! 逃げろーーーーっ!!」


 獣達の唸り声と息遣い。


 それが近づいてきたことに気づきました。


 それはさきほど落ちていった魔物と、まったく同種のものでした。ただ、今度は複数聞こえてきました。


 少年は暴れました。なんとか自分だけ落ちるように、弟に自分の足を離してもらえるように気をつけて、必死に暴れました。


 今ならまだ、弟だけは助かるという希望を抱いて。


 少年は知りませんでした。


 神は、希望それを握りつぶすのが大好きだという事を。


「ぁ゛! あ゛ーーーー!!!!」


「ああっ……!!」


 少年の見上げる先で、弟がのけぞりました。


 のけぞりながらも兄の足首を必死で掴んでいましたが――魔物達の息遣いが直ぐ傍にありました。もう、落ちる以外の逃げ道はありませんでした。


「やめろ! やめろっ! やめろーーーーッ!!」


 少年は叫びました。


 血の臭いが漂い、肉が引きちぎられる音が響く中、必死に叫びました。


「やめてくれーーーーッ!!!!」


 ぶちぶちと響く繊維の引き裂かれる音。


 獣達の汚らしい息遣い。


 それをかき消すように叫びましたが、それらの事実は消えませんでした。


 逆さ吊りになった少年には弟の現状を見て取る事が出来ませんでした。弟の上半身しか見えていませんでした。


 それでも、見えないところで恐ろしい事が起こっているのはわかりました。


「う゛ゥ゛ーーーー」


 少年の弟は口角から泡を吹きつつ、それでも兄の足首を掴み続けました。


 半狂乱になって叫ぶ兄を助ける道を、なんとか探そうとしました。


「に゛、ぃ゛……ぢゃ゛……!」


 にいちゃんみたいにがんばるんだ、と考えながら。


「ぅ゛、ぅ゛ッ……! 死んじゃ、だめ、だから……」


 小さな身体に詰まった勇気と共に、最期の力を振り絞りました。


「いっしょに゛、ぜったい、生き――」


 少年の弟は手を離しました。


 兄の身体を可能な限り振り、精一杯投げました。


 兄が言った崖途中にある木に向け、出来る限り近づけるために。


「――――!!」


 少年は手を伸ばしました。


 落ちていきながら、それでも弟の方へ手を伸ばしました。


 届かないことがわかっていても、それでも。


「――――」


 全ての力を使い切り、動かなくなった弟が獣達に引きずられていっても――。


「――――!!」










































 少年は崖から落ちました。


 奇跡は起きませんでした。


 ただ、弟が力を振り絞ってくれたおかげで、生き残りました。


 崖途中に生えた木の枝に手が届きました。


 その枝は少年を支えきれず、ポッキリと折れてしまいました。


 それでも、落下の衝撃を少しは軽減してくれました。


 そのおかげで、即死は避けることができました。



「は――」


 少年は足が邪魔だと思いました。



「は――」


 何の役にも立たなくなった部位のくせに、重たくて邪魔だと思いました。



「は――」


 糞尿と肉片が混じり合ったものがこぼれるだけの部位を鬱陶しく思いました。



「は――」


 少年はまだ生きていました。


 母の言葉が、弟の存在が、まだ彼の命を繋いでいました。



「は――、は――――」


 視界が真っ暗になっていても、それでも進みました。


 まだ動く手指を動かし、なめくじのような速度で進みました。


 まだ終わりじゃない。


 まだ助けられる。


 まだ守れる。


 そう思いながら進みました。



「――――」


 進もうとしました。


 想いだけは先に進んでいました。


 身体はもう、その想いについていく事が出来なくなり――。



「――――」


 少年は動かなくなりました。











































「――――」


 あるところに、1人のオークがいました。


 彼は西方諸国に渡り、口外できない極秘の仕事を終えて帰る途上でした。


 バッカス王国との国境までまであと少しに差し掛かったところで、彼は振り向きました。大剣を背負った身体を動かし、国境付近の一角を見つめました。


「どうした、調係」


「糞でもしたいのか?」


「……声が聞こえなかったか?」


 呼びかけてきた仕事仲間達の声に対し、オークはそう言いました。


 子供の声が聞こえた、と続けました。


 仕事仲間達は――親しくないどころか険悪と言っても過言ではない相手はうんざりとした様子でそのオークに言葉を返しました。


「知らん。聞こえたとしても幻聴だろう」


「先に帰っていてくれ。難民の子供がいるのかもしれない」


 私は少し調べてから帰る、と言って隊列から離れようとしたオークに対し、仕事仲間達は舌打ちしながら武器を向けました。


「勝手な事をするな、薄汚い托卵神童。俺達の仕事は終わったんだぞ」


「独断専行もいい加減にしておけよ。いくらお前が魔王様の覚えめでたい存在でも――――おいッ?! 待てッ!!」


 オークは仕事仲間の静止を聞かず、走っていきました。仕事仲間から矢が飛んできても、振り返らずに大剣で防御し、気にせず駆けていきました。


 自分が聞いた声を――気の所為だったかもしれないと思いかけるほど小さな叫び声の主を探すため、自分の魔術ちからを行使しました。




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