第五章:メリーに迫るようです。
『ピンポーン』
「はいはい~」
インターホンが鳴ったから取り上げメリーをスルーして玄関に。
扉を開けると鉄也ともう一人、メガネをかけたインテリ系の青年がいた。
「二人共おはよう。」
「おはよー」
「挨拶はいい。
早速取りかかるぞ。」
「おい、カズ。俺、寝てないからちょっとくらい休ませてくれよ。」
このインテリメガネは渡辺 一俊。
頭は俺達よりいいが、学年トップって訳ではない。
鉄也と同じで俺のことを信用してくれている。
それと科学で全てを証明しようとしている。
だから……
「早くあの、怪談メリーさんに会わせてくれ!!
この目で見てみたい!!
そしてその正体を暴きたいぃぃぃぃ!!」
幽霊や心霊現象など非科学的な事を証明しようとしている。
まあ端から見ればオカルト大好きな奴なだけだ。
こんな奴だが生徒会にも属していて、他の生徒からの信頼も厚い。
「はぁ~ メリー。」
『何ですか?』
「今周りにも見えてる?」
『いいえ。』
「じゃあ、見えるようになって。 後で何かおごるから。」
『疲れるから嫌です。』
「なってくれ。」
『嫌です。』
「なって。」
『嫌。』
「なれ。」
『命令形!?』
「僕達には今、見えないけどあそこにいるみたいだね。」
「亮が演技などするはずがない。
それに会話も成立しているようだ。
やはり霊と言うのは興味深い。実に興味深い。」
とりあえずメリーをアイスで釣って、普通の人にも見える状況になってもらった。
「さて、鉄。始めようか。」
俺と鉄也は早速、とある作業に取りかかるためパソコンの前に座った。
ちなみに一俊はメリーに質問攻め中。
「うん。まかせ、ぶはっ!!」
「鉄。部屋、殺人現場みたいにしないでくれよ。」
「あはは。 大丈夫だよ。
なったのはここのエレベーター内だけだから。」
「……拭いた?」
「いや。」
「拭けよ!!知らない人見たらビックリだわ!!
警察呼ばれるわ!!」
「あはは。 大袈裟だな。」
「させてんの誰だよ?
はぁ~、俺拭いてくるからしばらく頼むぞ。
メリー?」
「助けて下さい~」
「まだ質問の答えを聞いてないぞ!!」
「助け――」
「……放置で大丈夫だな。」
とりあえず管理人に言ってエレベーターを一時止めてもらった。
理由を聞かれて、血を拭きますって素直に答えたら受話器に手をかけたから、約30分詳しく説明した。
それからエレベーター内は床一面、真っ赤に染まってたから綺麗に掃除した。
……1時間以上かかったぞ。
てか鉄よ……どんだけ吐血してんだよ。
失礼だろうが言おう。
よく生きていられるな……
『自分でも不思議だ、って言ってましたよ~』
「……OK. いきなりお前が現れたことと心を読んだことはスルーしよう。
で、何かようか?」
『はい。鉄也さん達が呼んでましたよ。
もうお昼ですし、それに案外早く終わったそうですよ。
よく分かりませんが。』
「……そうか。
分かった。すぐ戻ると言っといてくれ。」
「はい~」
「さてと……ん?
……つ、通路もか……」
とりあえず廊下は目立たない程度に掃除した。
正直、範囲が広すぎて1人では時間がかかりすぎる。
すでに2時間以上は掃除したぞ。
そろそろ戻るか。
……腹、減ったな。
俺が部屋に戻ると3人?(1名勘定不明)は自分の家のようにカップ麺やら冷蔵庫を漁っていた。
「……なあ?とりあえずツッコミ入れていいか?」
「あっ、亮さん。
お帰りなさい~」
「先に食べてるよ。」
「全く遅いぞ。何をしているのだよ。」
「うん。 やっぱつっこむわ。
てめーら!!何我が物顔で人の部屋占拠してんだ!?
後鉄!!せめて少しだけでも手伝え!!体調悪くなったら休んでいいから!!
後カズ?お前も手伝えよ!?
てか鉄と一緒に来たよな?なら吐血したの見てたなら拭けよ!!
何? 俺1人で2時間以上も掃除して。
バカみたいじゃん?俺バカみたいじゃん?」
「「「まあまあ。」」」
「ははは。全員歯、食いしばれ。修正してやる。」