第四章:彼が動きだすようです。
眠…眠い……
現在・朝の5時です。
数分前までメリーにつき合わされてゲームをしてました。
昨日、今日と徹夜でゲームをしたのは初めてかもしれん……
さて、そして俺が徹夜をするはめになった元凶のメリーは……寝落ちしてます。
はぁ~。どんだけ俺の家に馴染んでいるんだ?
「……寝顔も可愛いな、こいつ。」
そう言い俺はメリーのほっぺたをツンツンした。
……はっ!!何してんだ俺は!?
「いかん、いかん。」
俺は頭を振ってパソコンがある部室に向かった。
あっ、言い忘れてたけど俺のマンション4DKで独り暮らしには広すぎるんだよな。
俺はパソコンの電源を点け、インターネットを開いた。
「やっと調べれる気がするな……」
そもそも俺は怪談のメリーさんを詳しく知らない。
だから調べようと思っていたんだが、ずっとメリーのゲームにつき合わされていたから調べれる時間がなかったんだよな。
さてと、早速某情報サイトで調べますか。
慣れた手つきで、あっという間に目的の情報ページにたどり着いた。
「え~と、何々……」
『メリーさんの電話』
少女が引っ越しの際、古くなった外国製の人形、「メリー」を捨てていく。
その夜、電話がかかってくる。
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの……」
電話を切ってもすぐまたかかってくる。
「あたしメリーさん。 今タバコ屋さんの角にいるの……」
そしてついに「あたしメリーさん。 今あなたの家の前にいるの。」
少女は思い切って玄関を開けたが、誰もいない。 やはり誰かのいたずらかと思った直後、またもや電話が。
「あたしメリーさん。 今あなたの後ろにいるの。」
その後どうなったかを語らず、「あなたの後ろにいるの。」で締め、『余韻の恐怖』を演出するのが基本であるが、派生として以下のようなパターンがある。
「以下のパターン? どんなんだ?」
俺はそう呟き、ページをスクロールした。
・・・・・・・・・・・・・・・
振り向いたら殺される。
少女が刃物で刺される。 少女の生死、怪我の具合は様々。
マンションが舞台で、電話の度に自分の住む階に近づいてくる。
轢き逃げをしたタクシーの運転手に、被害者から電話がかかるパターン。
名前は様々で日本人の場合もある。
上記の派生が複合されたものも存在する。
などなど。
「俺の場合は……殺されそうに、なったのかな?
それとマンションが舞台はあってるな……
轢き逃げと言うのもあってか。
あれ?続きがあるのか?」
基本のオチを踏襲したジョーク
「…………」
とりあえず見てみる事にした。
・・・・・・・・・・・・・・・
少女は電話を意に介さず、後ろにいると言われても無視して出掛けてしまい、少女の後ろを半泣きでついて行くメリーさんの姿が目撃される。
「かまってやれよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・
舞台が超高層ビルで、少女はその147階に住んでいる。 その上、メリーさんはエレベーターを使わずに階段で上がってくるため、それによる疲労のためか、1階上がるごとにかけてくる電話の声がだんだん息も絶え絶えになり、家にたどり着く前にメリーさんはダウンしてしまう。
「……とりあえず、ツッコむか。
147階って高すぎだろ!!俺のマンションでも20階だぞ!!
あとエレベーター使えよ!!なにその変なプライド!?
そりゃあ疲労でダウンするわ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
メリーさんはそのまま通り過ぎてしまう。 何年後かに「ロシアのハバロフスクにいる」という便りがある。
「行き過ぎ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
扉を開けてもらえず、涙声で「開けてよ……」と電話をかけてくる。
「これも泣いちゃったよ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
携帯にかかってきた際に電車の扉を背に乗り込んでいたため、メリーさんが泣きながら電車のホームで追いかけて転び「きっと貴方の所に行くから~!!」と泣きながら叫び昔の恋愛物のようなラストで終わる。
「いや、そんで終わるんかい!?」
・・・・・・・・・・・・・・・
携帯がかかってきた際に壁に凭れかかって座っていたため壁に埋まってしまい「お願い、出してぇ……」と泣く、または潰されて消滅する。
「俺なら後者がいいな……」
・・・・・・・・・・・・・・・
どうやらこれからする事には、あんまり役にはたたないかな……
ん?何をするかって?
……ゲーム、だよ。
さてと、じゃあ準備するかな。
……うわ~ マジで寝る時間ねーや……
「お、終わった……
あ~、寝み。」
今現在はもう10時になります。
そして俺の目の前にはパソコンが3台あります。
これからやる事に必要で今の今まで配線の接続やらセットアップをしてました。
睡魔に襲われて思いのほか時間がかかった……
え? メリー?
まだ寝てるよ。
このまま、永遠の眠りにつかせてやるのも面白そ……いや、もうついてるか。
『返事がないただの屍のようだ。』
……起きてましたね。
「………」
しかも俺の反応を待ってますよ。
よし。俺、スルー、OK?
『NO.』
「さてと、そろそろあいつらが来る時間かな?」
『NOって言ったじゃないですか……』