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第二章:メリーとお話です。

『いやー、お茶まで出してもらってすいません。』


「飲んだら帰れ。」


『あー、ちょっと無理ですね。』


メリーさんは今、リビングで俺の出したお茶を飲んでいる。

てか、どうやって飲んでるんだ?

湯呑みもどうやって持ってるんだ?


聞いてみたら『普通にですけど?』だ、そうだ。

霊の普通って?


「えっ?メリーさんって憑くタイプの霊?」


『そうみたい何ですね。

あっ、後メリーでいいですよ。 年下ですし。』


「へぇ~、ちなみに何歳?」


『400と8歳です。」


「どこが年下やねん!!」


『冗談ですよ。

生きてた時は15歳。

霊体になって1年目です。』


「つまり15……ん?

生きてた頃の記憶あんの?」


『名前や生い立ちは分かりませんが、死んだ時は覚えてます。』


「そう、か……

じゃあ、メリーが怪談のメリーさんになったのは?」


『『あっ、それは冥界のくじ引きでメリーさん役を引いたので。』


「いや化ける理由くじ引きかよ!!

そりゃあ予想外れるわ!!」


『どうせメリーと聞いて、外人を予想をしたんでしょ。』


「あ、あぁ……」


『日本人の霊ですいませんね。』


「いや、別に……

俺愛国者だから外人よりかは日本人がいいな。」


『えっ、それって……』


「安心しろ。 好意はない。」


まあ、霊という事を除いたら結構好みなんだがな……


『あっ、やっぱ好意あるんじゃないですか。』


人の心読むなクソが。

てかどうやって読んだ?


「まあ、いい……

とっとと消えてくれ。 さっき連絡があって友達が来ることになったから。」


『だから無理なんですって。』


「じゃあ、しばらく無視するわ。」


『大丈夫ですよ。誰にでも見えるようになるから。』


「なにその便利機能!?」


「人に憑いている状態なら可能な能力なんです。

でないと、周りからは1人でぶつぶつ言っている状態になりますからね。」


「痛々し!!」


「ちなみにほら、もう私のカッコが『』から「」になってるじゃないですか。

その時が普通の人にも見えますよ。」


「知らねえよ!!

つーかメタいわ!!」


しばらくし、インターホンが鳴った。


「早いな、鉄。」


「体調がよくてね。」


こいつは谷口たにぐち 鉄也てつや

同じ高校に通う同級生で、俺の事を理解してくれている数少ない友人だ。


「全く、体弱いんだから無理するなよ。」


「大丈夫、大丈…ブハッ!!」


「鉄!!」


だけどこいつは体が弱く、時折吐血する。

初めて見る人はマジでビビる。


「あはは、大丈夫。」


「そうか、まあ入れ。」


まあ、俺は慣れっこだがな。


「あはは、お邪魔します。」


「そんなかしこまらなくても……」


「お邪魔しちゃってくださーい。」


「「えっ?」」


「亮?誰この子?」


どうやら俺以外にも見える状態のようだ。


「えっと……妹?」


「亮の妹って……」


「……クソ野郎が養子を取ってた……

で、何故か今日来た。」


「よろしくお願いします。」


「あ、どうも。

僕は鉄也。 君は?」


「あたしメ―」


「し、詩織だ。」


「え?」


「詩織ちゃんか。よろしく。」


「う、うん。」


なんか、ヒヤヒヤもんだ……


取りあえず、そっから3人(1人?幽霊)でモンハンをやった。

ゲーム機とソフトは余ってたからメリーに貸した。


しかしメリーは、

「まだだ、まだ終わらんよ!!」

「ええぃ、空の王者は化け物か!!」

「守ったら負ける。 攻めろ!!」

「罠遅いよ。なにやってんの!?」


と、うるさかったから、ガンダムに変えた。


「貴様は、俺の――」


同じだった。


「そう言や亮?」


ゲームをしながら鉄也が話しかけてきた。


「どうした鉄?

後メ、詩織下がれ。 負けるから。」


「守ったら負ける。 攻め――」


「それ聞いた。

で、鉄なに?」


「詩織ちゃんって幽霊?」


「ぶっ!!」


「はは、何でだよ。

幽霊なんてこの世にいる訳ないだろ。」


「亮からその台詞が聞けるとは思わなかったよ。」


「何でそう思うんだ?

あ、詩織。ゲーム中断な。」


「やらせはせん!! やらせはせんぞー!!」


「しばらく1人でやってろ。」


「つれないですよ、亮さん。」


「強制中断ー」


そう言い俺は、メリーからゲーム機を奪い取り、鉄也と対峙した。


「話の続き、しようか。

……どこまで話したっけ?」


「詩織ちゃんが幽霊かなって所まで。」


「そうか……

何でそう思う?」


「う~ん、上手く言えないけど、生きてる人とは違う雰囲気がしたんだよね。

僕からだ弱いからちょっと僕に近い感じがしたんだよね。」


「笑えねーよ。」


「それにちょっと触れた時、人の体温じゃなかったから。」


「触れれんのかよ……」


そう呟き、ジド目でメリーを見た。

メリーは俺が見ているのに気がついたら「てへっ!!」と小声でいいながら舌を軽く出し、右手で頭を軽く叩いていた。


昔何かで見たことがある気がするが、不覚にも可愛いと思ってしまった。


「でも何より……」


あっ、鉄也の話続いてたんだ。


「何より、亮の妹って言うのが、無理あるよ……」


鉄也がそう言った瞬間、俺はメリーを見た状態で固まった。

メリーはその状態の俺を不思議そうに見ている。


「……信じてくれるか?」


俺は取りあえず、こいつが怪談のメリーであることを話そうと決意した。


「今更何を信じないって言うんだよ。」


鉄也、ありがとう。


俺はこいつがメリーさんであることを話した。

鉄也は、俺の話を何も疑わず信じてくれた。

俺の事を理解してくれて、信じてくれる。

本当に鉄也には感謝してる。


「……まあ、そう言う事があって今……つーか今日にいたる。」


「とうとう亮も取り憑かれか……」


「えへへ。」


「えへへ、じゃねえ。

取り憑いてんのは誰だよ。」


「まあ、明日は日曜。

明後日としあさっては祝日。その次の日は学校の創立記念日でまだ休みがあるんだからしばらく様子を見たら。」


「……まあ、それが今できる事、か……」


「じゃあ、時間も時間だから僕は帰るね。」


「もうそんな時間か。

ちとゲームに夢中になりすぎたな……」


「それじゃあ。

あっ、また明後日来るね。

ちょっとあること思いついたから。」


「……ああ、俺もだ。

準備しておく。」


意味ありげな会話にメリーは首を傾げた。

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