プロローグ
私には、二人の兄がいる。
どちらも私とは血の繋がりがない。
母も父も、兄たちとは違う、いや、それだけではなく。
私も、二人の兄も、みんな母と父が違うのだ。
別にそれは特別なことではないだろう、めずらしいことでもない。
再婚して新しく義兄妹になっただとか、そんな設定ドラマでも最近は少なくない。
けど私たちは、そんな何かしらの形のある兄妹ではない。
血の繋がりも、共通の親族がいるわけでもなんでもなく。
まあ、はたから見ればごっこ遊びといったところ。
最近はSNS等で仲良くなった年上の友人を姉のように慕ったり、そんな風な人たちは少なくないと思う。
家族設定という世界観に浸って、でも実際の姉等ではないことを時々実感したり。
わからないけどそういうものなのだろうか。
だけど私たちは違う、血の繋がった弟や兄、妹や姉よりもお互いの方が大切だと認識してる。
認識じゃない、きっとそうなのだ。
狂っているのかもしれない、実際に何を言い出しているのか、いくら仲良くても血の繋がりがある兄弟よりも大切だなんて憤慨だろうか。
それでも、確かに大切なのだ。
誰よりも、愛しくて大切で、ずっとそばで居てほしいと願う、そんな存在。
そこに存在するのは恋愛感情でも、友情でもなく、家族愛。
夏は暑く、冬は寒いというそんな当たり前と同じ。
なにがいいたいかというと、私には兄が二人居るという、ただそれだけ。
これは、私と兄達の日常を綴った物語。