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22 二次会にて


途中からリィナの一人称ではなくなります(酔っ払いの一人称を文章にするのはちょっと・・・)


時間が経つにつれて、歓迎会というより、忘年会とか打ち上げみたいな・・・


皆さん、すごい騒ぎ様ですよ------

ああ、あっちで踊ってる人たちが居る・・・



「リィナ、のんでるぅぅ?」

「は、はい。飲んでます、キーラさん」

「ぜーんぜん、酔ってないじゃないっ、わたしにウソついたわねー」

「嘘なんてついてませんよう。誤解です」


ワイン1瓶抱えて、私の肩を抱きながら絡んでくるのは、メイド長様です

キーラさん、酔うとそんなになるんですね・・・

お仕事、つらいんでしょうか・・・


「キーラさん、リィナもずいぶん酔ってますよ」

おおっ、アリッサちゃん。助けてくれるの?

「私にウソ付いたら、クリスさんの寝室に放り込むわよー」

「キーラさん、リィナの場合、それ洒落にならないから」

ナンシーさんが頭を抱えています


「ええっと、放り込むなら、リィナにしてください」

アリッサちゃ---------ん!!!!!!


というか、クリスさんって、どんだけ(けな)されキャラなんですか・・・

そんなに悪い人には見えないんだけど・・・

確かにあの笑顔は何かひっかかるけど。


「クリスさんはねー」

「俺様」

「腹黒」

「んー、鬼畜?」

「裏表ありすぎ」

「「「「まあ、根は悪い人ではないんだけどね」」」」


みなさん、それぞれ印象が違うんですね


「まあ、実害が無い限りは、大丈夫よ」

「はあ」 

実害があってからでは、遅いのでは・・・?


「さて、そろそろ行きますか」

「どこにいくんですか? ナンシーさん」

「うふふっ。二次会」

二次会ですとっ

「もちろん、リィナも行くのよ」


そう言って、夜の街に連れ出されました・・・




***************************************



「はい、かんぱーい」

「「「かんぱーい」」」


女子4人で二次会・・・いやむしろ女子会です

お屋敷から10分くらい歩いた、大通り沿いのお洒落なバーです


それにしても、ナンシーさんもミシェルさんも、ずっと飲んでますね

お酒強いですねー

誰が一番強いんですか?


「ミシェルかな」

「ミシェルでしょ」

「ええっ、なんでっ、どう考えてもナンシーでしょ」

「あれ?そういえばアリッサちゃんはジュースなの?飲まないの?」

「うん。体質的に、無理なのー」

「リィナも、最初酔っ払ってたのに、もう平気そうよね」

「そんなに飲んでないんですってば」






「ねえねえ、リィナはー、彼氏いるのー」

「-----------------居ないです」

「なに? いまの間は?なんか訳アリなの?」

「でも彼氏いるのに異世界に召喚されたとかって、悲惨よね」

「年齢的にも、そうですね。ある意味・・・彼氏居なくてよかったです」

「結婚しようと思ったことは?」

「もちろん、ありますよ。ところで、皆さんの年齢って、聞いても良いですか?」

「私は27」

「私は28」

「私は30。リィナと同い年ね」

ミシェル、アリッサ、ナンシーの順に答えてくれました。

ナンシーさん、同い年だったんですねー

ますます親近感がっ。


「ちなみに、みなさんご結婚は?」

「私は1回失敗してる」

「私は婚約者が居るの」

「私は・・・相手が居ない」

これもミシェル、アリッサ、ナンシーの順に答えてくれました


「リィナ、ナンシーはねぇ。ナンシーの事を大っ好きなお兄ちゃんが居てねー」

「あのお兄さんが居たらー、結婚できないよねー」

「うるさいわねっ、別に兄のせいじゃないわよ」

ああ、なんか、ますます親近感が・・・



「大体、兄に睨まれて引き下がる男なんて、こっちからごめんだわ」

「そうですよねっ!」

「・・・睨む兄もどうかと思うけどさ」

「そうなんですよね。なんで睨むんでしょうかね」

「妹の幸せを望んでないのかしら」

「・・・不思議ですよね」

「リィナ、やたら同意してくるわね」

「・・・ウチにもシスコン兄が居るんです」

「・・・今日は飲むわよっ、リィナ」

「はいっ、ナンシーさん」



お兄ちゃん、莉奈は異世界で同士に出会えました。




**********************************************



「で? リィナが飲みに行ったまま、まだ帰ってない、と」


屋敷に戻ったシオンとクリスは、リィナを含むメイド4名が戻っていないという報告をキーラから受けた


「はい旦那様。ナンシーとミシェルはともかく、アリッサが一緒なので、大丈夫だとは思いますが」

「ああ、アリッサは飲まないんでしたっけ。どうします? シオン様」

「・・・一応、明日の昼までは拘束時間ではないけどな」

ただ、あまり治安が良いとは言えない深夜に、街に不慣れな異世界人を外出させているとなると、召喚主の保護責任が・・・


「心配無いとは思いますが、なんなら私が迎えに行きましょうか?」

「・・・私も行く」

「はい」




**********************************************


そして深夜のバーには、酔っ払いが4名・・・


「おにいちゃんなんか、嫌いだー」

「キライだー」

「ああ、はいはい。ちょっと二人とも飲みすぎよ」

「あははははははッ」

「ミシェルも笑ってないでー」

「ええー笑ってないよぅフフフフフっ」


その4人のテーブルに、近づいてくる男が2人


「ねえねえ、4人で飲んでるの? 楽しそうだね。一緒に飲もうよ」

「俺ら、あっちで仲間と飲んでるんだけどさ」


「あー悪いけど、ナンパとかいらないから」

「「いらなーい」」

「ナンパだってあはははははは」

「だいたい、あなた達その制服、騎士でしょう? 女引っ掛けてんじゃ無いわよー」

「ええ?そうなの?騎士って、女引っ掛けちゃいけないのー?」

「おっ? なんかそっちの子、話わかるじゃん」

「違うから。この子は『わからないが(ゆえ)』の質問だからっ。もう、ナンシーもリィナも黙っててっ」

「黙っててだって、あはははははは」

「ミシェルぅー」


「まあ、いいじゃん。じゃあさ一杯だけおごらせてよ」

そう言って、仲間を呼ぶ男2人

呼ばれた男達は、それぞれ酒瓶とグラスを手にしている

「ちょっと、いらないから。この子達にこれ以上飲ませないで」

「いいからいいから、一杯だけ」

「ちょっと! ナンシー、グラス受け取らないでっ」

「・・・わたしもう飲めませんよう」

「リィナ、その判断は正しいわ。飲んじゃダメ」

「ふふふふふふふっ」

「ミシェル笑ってないで。あーもうっ、ナンシー飲まないでってばー」



「はい、そこまで。これは没収」


そう言って、後ろから近づいてきた人物が、ナンシーのグラスを取り上げる

「アリッサ、酔っ払い相手に良くがんばりましたね」

「クリスさん! うぇぇぇぇん、来てくれたんですねー」

「あはははははは、クリスさんだー」

「ミシェルうるさい黙りなさい。リィナ、大丈夫ですか?」

「はぁい。大丈夫ですよ~~」

「・・・酔ってますね。ほら、みなさん帰りますよ。ナンシー、起きなさい」

「んん--------------------」



「おい待てよ、あんた誰だよ」

突然現れ、帰り支度をさせる『見た目の良い男』に、男たちが苛立ちはじめる


「・・・私は、この子たちの上司です。アリッサ、会計してきなさい。」

「はいっ」

「なあ上司さん、俺ら楽しく飲んでたんだけどさー」

「そうですか。ほらリィナ立ちなさい。ナンシーは・・・立てそうにないですね」


「おい無視すんなよ、上司さん」

完全に“相手にしない”姿勢を貫いているクリスに、物騒な雰囲気になる男たち。


クリスは机に伏せたまま動かないナンシーの肩をたたくが、それでもナンシーは動かない

「・・・ナンシー、いったい何を飲まされたんですか」

クリスがナンシーから没収したグラスの酒に口をつけ、顔をしかめる

「薬入りですか・・・」

「てめぇ、勝手に飲んでんじゃねぇよ」

「・・・我が国の騎士も、質が落ちましたね。」

「・・・」

クリスの冷たい視線にたじろいたのか、男達は一瞬黙る


クリスは持っていたグラスを、後ろで静観していたシオンへ手渡すと、

シオンは酒のにおいを嗅ぎ、ナンシーの様子を見て「即効性の睡眠薬だな」と小さくつぶやく

「最近は碌な人材が集まらないと言っていたな。リィナ、お前は『それ』飲んでないな?」

「わたしもうのめませんよぅ?」

「よし。出来ればもう酒を(・・)飲むな」

「飲むなだってフフフフ・・・?・・・だ、旦那さま-------------」

「おや、ミシェル。酔いが醒めましたか? 真っ青ですよ?」

「会計してきましたっ・・・だ、だ、だだんなさまっ」

やっとシオンに気づいたミシェルとアリッサが、シオンを見て驚愕する


「なんだ?若造がっ」

「何様のつもりだ、てめえ」

「この者たちの、主人だ」

シオンは、尚も言い募る男たちを一瞥し、眉をひそめ嘆息する


「クリス、先に行くぞ。そいつらの処理は任せる。あと、ナンシーを持って(・・・)こい」

「はい。シオン様」


まだ驚愕したままのミシェルとアリッサは、シオンの言葉を待っていた

その二人に向かって、一言。

「帰るぞ」

「「はい!旦那様っ」」

「ほら帰るぞ、リィナ」

「はぁーい」

ふらふらとついてくるリィナに手を貸してやりながら、店を出て行くシオン。


店に残されたクリスは、先程の顰めっ面とは一転、口元に笑みを浮かべ、男たちを見渡す。


もちろん目は笑っていない・・・


「君達、公爵家の使用人に『薬入り』の酒を飲ませて、タダで済むとは思っていませんよね?」

「こ、公爵・・・?」

「!! まさかあの若造・・・」


「さて、あなたたちは第二騎士団のようですね。降格の上、娯楽施設など皆無な辺境へ飛ばしてあげましょう。もちろん、全員バラバラにね」

クリスは、穏やかながら決して反論を許さない口調で、男たちに言った









メイド長は酔うのも早ければ、醒めるのも早いです


ナンシー、旦那様に物扱いされました。"持ってこい"って、ちょっとひどいかも


ミシェルは笑い上戸です。離婚の理由は酒癖ではありません・・・たぶん。


リィナは、本人は楽しく酔ってます。限度量も分かってます。

ただ、判断力が無くなってます(←何気に一番危険かも)


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