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1 事の始まりは......

そもそも、私は"こちらの世界"でOLをしていた。

職業は『銀行員』。

といっても、規模の小さい銀行に勤めてるので、メガバンク勤めのOLさん達からすると、つつましい生活を送っているのですが。


ただし、仕事は半端なく忙しかった!

つつましいのは、給料だけ。


なぜ忙しいのかって?

人が少ないから、窓口から集金まで、なんでもやらされて。


その日は、12月30日、今年最後の営業日。

営業店は......嵐だった。


その日が期日の税金を納めに来る客と、

年越しに使うのか、現金を下ろしに来る客と、

なにより、お年玉に使う1000円札を『新券(ピンサツ)』に両替する客で。


今は午後3時、すでにシャッターは閉まり、店内に「駆け込み来店」した客たちが、まだロビーに沢山いる。

「りなちゃん、これ新規ね!」

「りなさん!これ照合して」

「りな、これ再勘しておいて」

殺気立った窓口の3人が、後方の私に書類を渡していく。


......みなさん、私、昼ごはん食べてないのですが......

......交代で食事に行ったあなたたちと違って、私、交代要員がいないのよ?

......仕事がはじまってから、水すら1滴も飲んでいないのよ?

課長に目で訴えてみると、時計をチラッと見て

「15分......いや10分なら」と眉間にしわを寄せて言う。

「!! すぐ行ってきます」

許可が出たので、私はダッシュで執務室を後にした。


**************************************



コートを着てから、おにぎりを持って屋上に上がった私は、今日があまり寒くないことに気づいた。

「ああ、今日は暖かかったんだぁ~」

なぜ屋上かと言うと・・・食堂で食べてると内線電話で呼び出されそうでねぇ。

適当に座って、ペットボトルのお茶を飲みながら、おにぎりをかじる。時間が無いからねー。


その時、ふと遠くで、聞いたことの無い言葉が、聞きなれない旋律で聞こえてくる。

きっと下を走っている車が、ステレオの音をMAXにしているんだろう。


無視無視


ああ、でもいい天気だなぁ、お日様ポカポカしてるよ。


♪☆■〇%+?*&▼⊿♪♯・・・・


うるさいなぁ

知ってる歌なら、まだ良いけど、知らない歌(しかも、言語もわからない)が遠くで聞こえるのって、すごく耳障り。はやくどこか行ってよ。


・・・・♪☆■〇%+?*&▼⊿♪♯


「うるさいなぁ・・・」

私は、おもわずつぶやいてしまった。

そのあと、ほんの一瞬、まばたきをした私は、次の瞬間には、屋上に・・・居なかった。


 ここ、どこ?・・・

新規=初来店客の口座作成

照合=印鑑照合

再勘=現金を再度数えなおしたりすること。

銀行によって、違う言い方になるそうですが、とりあえずそんな感じです。


あ、主人公の名前、やっと出てきたw

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