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17 メイドさんのお仕事1

市場から帰ってから数日間、語学勉強に明け暮れました。


なぜなら・・・


市場から帰った日の午後、私には洗濯が待っていたのです!

正直もうヘトヘトだったのだけれど、頑張りましたよ!

だだ、終わったら夕食も取らずに寝てしまいました


夕食の時間に呼びに来たクリスさんが、着替えもせずにベッドで倒れるように眠っている私を見て、相当焦ったそうです。


自己管理が出来ていなくて、申し訳ない・・・

ただの疲労です。体の疲労というより、頭と心の疲労です。。。


・・・そんなわけで、勉強だけに専念すること2週間


今日は異世界何日目だったかな・・・まあ、もういいか。どうせ自力じゃ帰れないんだしね


今日から、やっとメイド修行の再開なのです




**********************************************




「みなさんもう知っていると思いますが、当家にメイドとして召喚したリィナです。語学勉強の為、しばらく客室に居ましたが、今日から使用人棟へ移ります。リィナ、挨拶を」

「はい、クリスさん。もうすでにご挨拶した方もいらっしゃいますが改めまして、リィナと申します。宜しくお願いいたします」


使用人たちは朝、朝礼をします

毎日ではないそうです

朝礼で、クリスさんに紹介された私は、我ながらきちんと挨拶できました




努力が実ったのか召喚条件の所為か、順調に話せるようになりました。

というか、普段使う言葉って、大抵決まっているんだよね


まだこの世界の事も良くわからないから、

普段の生活で小難しい政治経済の話とかしないしね

仕事はメイドだから、大抵は家の中の事だし

質問すれば、教えてもらえる環境だし


買い物でも、特に困ることは無かった


日本でもそうじゃない?

コンビニやスーパーで聞かれることなんて『袋いりますか』『お箸いりますか』『ポイントカードお持ちですか』くらい。

聞かれた事に対しては『はい』『いいえ』、もしくは頷いたり首を振ってもOK


そうそう、この世界のジェスチャーは、日本と似ていました

すごく助かりました


そして、メイド長・・・キーラさんに教わったこと

メイドは寡黙な方が良いそうです

なので、旦那様に「もう一度言ってください」を連発するなと言われました

では、どうするかと言うと

首を(かし)げる・・・そうです

うーん、この年でそんな可愛らしい仕草、似合うかしら?

そのうち慣れるかな


ちなみに、使用人同士は別ですよ

仕事中の私語はもちろん怒られますが、コミュニケーションは推奨されています

仕事を円滑に進めるためにも、報告・連絡・相談は必要だし、

いつでも相談をしやすいように、仲良くなるのも仕事の内ですね

但し、恋愛は不可です。


使用人だけで打ち上げとかパーティーとかするんですって

楽しみですっ


そんなわけで、今日は引越しです

といっても、私の荷物なんて、ほとんどないんですがね


クリスさんとナンシーさんが引越しを手伝ってくれています


あ、ナンシーさん、そのウサギさんは............気に入りましたか。ダメです! そのコは差し上げられませんっ


そうだ、クローゼットに元々入っていた服は............もらっていいんですか、そうですか


ああ、こちらに着て来た制服ですね。なんだかもう懐かしいですねぇ。ん? 何ですかクリスさん。え? 着てほしい?......いいですけど、ミニのタイトスカートですよ? この国ではダメなのでは?

え? ナンシーさん、タイトスカート知らないの?

コレです。


・・・


「な、何考えてるんですかクリスさんっ! こ、これじゃ足っ」

「別に、ナンシーに着ろと言ってる訳じゃないですよ。この丈のスカートは異世界では標準です」

「ええっ、そうなの!? リィナ」


まあ、そうですね。事務服としては標準です


「さあ、リィナ、着てみてください」

「ダメ~~~」


ナンシーさんの叫びが廊下に居たキーラさんに聞こえて・・・クリスさんは怒られていました。

スカート丈の事というよりは『遊んでないでさっさと引越ししなさい』的な意味で。


はい、なんでしょうキーラさん? あ、はい着ません。わたし着ません着ません


クリスさんは旦那様が呼んでいるとかで(キーラさんはそれを伝えに来たみたいです)、執務室に戻っていきました

変わりに、フットマンのケイン君が荷物持ちで来てくれました


ケイン君、私より小さいのに力持ちです

いくつ? え、18才? ------大きくなるといいね


ナンシーさんはウサギのぬいぐるみを、

私は召喚者セット一式を、

その他の荷物(といっても、鞄2つ分)をケイン君が持って、使用人棟へ移動します


ちなみに、私が今まで居た部屋は客室棟にありました

使用人棟はその名の通り、使用人たちの部屋のある棟です

といっても、別棟という事は、外観からはわかりません。その辺は防犯上、しっかりしてますね

地下通路を通って、使用人棟へ向かいます

これだけ大きなお屋敷だと、基本、使用人は旦那様と同じ屋根の下では暮らさないそうです

主人と使用人だからというだけではなく、使用人のプライベートを尊重するという意味合いもあるそうです。


「ここが今日からリィナの部屋よ」

ナンシーさんが開けた部屋は3人部屋でした

と、言うことは、あと2人同居人がいるんですね

「そっちが私で、あっちがアリッサ。リィナはこっちを使ってね」

ベットと机&椅子、クローゼットが1人分の備品のようです


やっぱり、ナンシーさんが同室ですか、よろしくお願いします


で、アリッサさんというのは?

今日は休暇で里帰りですか。そうですか。


ところでケイン君

君、女性の部屋をジロジロ見すぎですね

あー、ほらね、ナンシーさんに怒られた

荷物どうもありがとうね

え? またあとで?


「今日はリィナの歓迎会だもの♪」

"お酒飲める? "

と、ナンシーさんがウキウキ聞いてくる

「はい、飲めます」

まあ、程々に

好きなお酒ですか? 日本酒です。輸入されてますかね・・・?







たいした荷物もなかったので、ナンシーさんに手伝ってもらって、あっという間に片付きました


「さて、荷物も片付いたしリィナ、仕事に行きましょう」

「はい、ナンシーさん」



さあ、今日から本格的にお仕事ですっ









日本酒好きというと、酒飲みのイメージがありますが、あくまで『程々に』ですよー

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