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8 この国の事4

脱字修正しました

私はいま、朝食を待っています------クリスさんと。


手術は・・・あっという間に終わってしまいました


*************************


「莉奈さん、どうかしましたか?」

目がよくなったせい・・・というわけではないのだけれど、

この人本当、ムダに顔がいい。。。


「いえ、よく見えるなあ・・・と」

裸眼を矯正したわけだから、当たり前かもしれないが、コンタクトしてる時よりも視力がUPした。


それよりも、小一時間で検査から手術まで終わってしまうって・・・すごい


「クリスさんは、日本に居たんですよね」

「ええ、もう10年以上も前ですが」

「私、さっきからなんだか驚く事ばかりで。環境問題にしろ医療技術にしろ、日本でも取り入れたらいいのにって・・・」

「・・・この国は、国王が治めていますから」

クリスさんは苦笑しながら、そう言う


「そうか・・・絶対君主制なら、王様が法律ですもんね」


たとえば、日本では新しい薬や医療が認可されるまでにはとても年月がかかる。副作用の事を考えると慎重ならざるを得ないのだが、この国では王様が決めたことには、国民は従うのだろう。結果、副作用が出たとしても・・・


「逆に言えば、国王が馬鹿だと、国が滅ぶんです。議会制の国では、たいていの場合は多数決ですからね。全員が馬鹿ではない限りは、国が滅ぶことはありません。」


馬鹿って、ひどい言い様だけど、理解はできる。


「それを国民も良くわかっています。国王に提案する新しい技術や知識、献上する物品、すべて安全性が確認できたものです。つまりこの国の技術が発展したのは、『王様に認めさせた以上、なにか問題があったら、自分たちの責任になる』という恐怖からくる責任感でしょうか」

クリスさんの説明は、すごくわかりやすかった。


・・・さっきの馬鹿発言がちょっと気になるけど。

しかも、王子様顔でニコニコしながらだし。

"王様が馬鹿だったら(仮)"の話なんて、怒られないのかしら。


「ちなみに、この国は絶対君主制ではありますが、王家および王族は国民の支持によってその座にあるだけなのです」

「? つまり ?」

「国民からの支持が無くなればクーデターが起き、別の一族が『王家』を名乗るでしょうね」


なんか、すごいですね・・・『支持が無くなればクーデター』が前提ですか。


「まあ幸いな事に、現王妃様は昔から、国民からの圧倒的な支持を得ている方なので、現国王の御世は問題ないと思いますけどね」

「へえ~」

王妃様、人気者なんだ。

「昨日、召喚主の説明義務の事を、シオン様が話していたでしょう? 王家の事も含めて、もう少しお話いただけると思いますよ」


クリスさんがニコニコ話している間に、朝食が運ばれてきました。


ここは、眼科の近くの食堂です。

昨日の夕食は、どうやら私にあわせて作ってくれていたらしいということを、さっき聞いたので、

これから3年間暮らしていくのなら、こちらの料理を食べてみたいと言った所、ここに連れてきてくれました。


チョイスはクリスさんに頼んだら、運ばれてきたものは、ジュース、シリアル、フルーツのコンポート

この後、トーストと卵料理とソーセージ類らしい・・・

つまり、フル・イングリッシュ・ブレックファーストな訳ね。

そうと知っていれば、そんなに心配しなくてもよかったかな


「使用人たちは、朝からコレは食べませんけどね。今日は莉奈さんの初朝食ということで」

「・・・そうすると、今後メイドの私はひょっとして」

「あちら風にいうなら、コンチネンタル・ブレックファーストですかね」


だよね。そんな気はしてました。


食べ始めたら、

ジュースすごい美味しいっ

シリアルは・・・普通。

フルーツは・・・生でいいんじゃない? ジュースがあれだけ美味しいんだから。


トーストは、普通

卵は濃いっ。これは美味しいっっ。この卵で出汁(だし)巻き作りたいっ

ソーセージも、味が濃い気がする


うん、心配していた食生活は、大丈夫そうな気がしてきたね。


食事をしながら、これから1ヶ月の『お勉強』についての話をした。

一から語学を勉強するなんて、そう簡単には行かないだろう------

「昨日も少しお話しましたが、日本語とは文法が同じですので、語彙(ごい)が増えれば、すぐに話せるようになりますよ」

「だといいんですが」

「話せるようになってもらわないと困ります。ので、目標を決めて、ペナルティーを設けましょうか」

クリスさんは、ニコニコと笑顔でそんなことを言う


(こわ)っ!!

ちょっと後ろ向きな発言をしたとたん、ペナルティーとか言い出すし!!


この人、いい人なんだけど・・・いい人なんだけどなあ

なんか、笑顔が黒くみえるというか・・・気のせい?


「ええっと、ところでクリスさん」

「はい、なんでしょう」

「クリスさんは『家令』ですよね。それって、執事とどう違うんですか?」

私は、貴族の階級とか使用人の名称とかよくわからない

それに、『メイド』といわれても、家事手伝いの仕事でいいのか・・・

ひょっとしたら、この国では違うかもしれないし・・・


「そうですね、わかりやすく言うなら、家令は旦那様の仕事をする者で、執事は旦那様の身の回りの事をする者です」

「クリスさんは、旦那様の仕事をしているんですか? じゃあ、旦那様は何をしているんですか?」

そう聞いたとたん、なぜか急に、クリスさんが黙る


・・・え、なに? この沈黙。なんか、聞いちゃいけなかったの?


「ええと、そうですね。シオン様の仕事については、直接教えていただけると思いますが、この国では貴族の大半は、領地の管理が仕事です。ですが、シオン様は王宮で仕事をしています。」


ということは、旦那様は貴族か。まあ、そんな気はしてたけどね


「シオン様は、王宮の仕事とは別に、地方に領地を持っていますので、そちらの管理も必要になります。王宮の仕事に加え、領地の管理ともなると、いくらシオン様が優秀でも、お一人では手がまわりませんので、王宮の仕事と屋敷(タウンハウス)の管理を私が、領地(カントリーハウス)の管理をもう一人の家令で賄っています」

「もうひとり、いるんですか」

「ええ、珍しいですけどね。まあ、私はどちらかというと、シオン様の秘書みたいなもので、王宮に付いていくことが多いものですから」


ふう~ん。旦那様、忙しそうだね。

若いのに大変だ







やっと、この国の説明が出てきました・・・少しだけだけど。よかった。

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