閑話6 ラングとジョナサンの特訓日和
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この親友コンビは、性格も好みもまるで正反対――なのに、なぜかウマが合う。
日々増えていく仲間たち。
その温かな瞳に見守られながら、二人は今日も着実に成長を続けていた。
早とちりのラング。
天然のジョナサン。
そんな二人のやり取りは、意図せずとも周囲に笑いの花を咲かせるのだった。
「ねぇジョンジョン、筋トレにも慣れてきたし、今度は“特訓”なんてどうかな?」
(強くなるために、組手のひとつもしておきたいんだよな……)
「えっ、ラング君、“特訓”ってあれ? 素早く体を潜り込ませたり、ピタッと止まってまたすぐ動くやつ?」
(ラング君もリヤカー引いてみたいって言ってたし……仕事のために、早く俺も一人前にならなきゃって!)
「そうそう!体の動かし方を覚えるのも大事だよね!」
(打ち合うだけが特訓じゃないしな。動きのキレも大事ってことだね!)
「うんうん、腕も足も、どっちも鍛えないと!」
(リヤカーの取っ手って意外と重いんだよな。それに、荷物満載になると、止まるのに足でグッと踏ん張らなきゃだし)
こうして二人の“特訓”が始まった。
もちろん、これまで通りの筋トレも欠かさない。
しかも、いつものハイテンションは特訓にもそのまま引き継がれていた。
「意識を集中! はい♪ イチ・ニイ、イチ・ニイ! ここで筋肉に語りかける~♪」
今日はジョナサンがラングを“追い込む日”。
「了解、教官! オイ俺の広背筋、もっとデカくなれ~~~っ!」
ラングはリヤカーの引き手部分に素早く潜り込み、地面から持ち上げては落とすを繰り返す。
「いいぞ!キレてるキレてる! 背中に羽が生えてきた~!」
ジョナサンは最早、掛け声依存症だった。
ラングもすっかり、そのノリが身に染みついてしまっている。
(……あれ? こんなので強くなれるんだろうか? 組手は? あれ? まだしないのね……)
場所はいつもの運搬作業の現場。
休憩中の仲間たちが、何やら始まった奇行を不思議そうに見つめていた。
「俺らがこのリヤカーに乗ればいいのか?」
確認しながら、ぞろぞろと荷台に乗り込んでいく男たち。
ついにはジョナサンまでもが飛び乗り、荷台の上からこうして“追い込み”の声をかけている。
「ほら、ラング君!休まないで!今だよ、乳酸が溜まってる今がチャンス!筋肉の声に耳を傾けて~!」
「オイ俺のハムストリング! まだいける、まだいけるぞ~! やぁ俺の大腿四頭筋! 今こそ力を貸してくれ! 大地を踏みしめ、瞬時に止まれぇ!」
仲間たちが大量に乗ったリヤカーは、もはや重量オーバー。
それでもラングは引いては止まり、引いては止まりを繰り返す。
「ラング君、いい血管出てるよ~! 仕上がってる~! お尻もでかい!」
再び始まった、例のノリ。
周囲の仲間たちも、完全に乗せられていた。
「いいぞラング~! 仕上がってきたな~!」
「よっプリ尻!でか尻最高!」
「あーお姉ちゃんのお尻見て~~!」
「それなら俺はお〇ぱい派~~!」
……脱線が止まらない。
そして、気づけば仲間たちも特訓に巻き込まれていった。
やがてこの日々の積み重ねが、
“ポルテアの危機”に立ち向かう力になることを――
このとき、誰もまだ想像すらしていなかったのである。
ラングとジョナサンのほのぼの日記いかがでしょうか?
作者は楽しいと思っているのですが、正直読者の皆様にはどう映るのでしょう?
是非感想をお聞かせください。




