3話 スキル【言霊】
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下級神モルベスト・ルミスがラングと共に知恵を絞って生み出したスキル【言霊】について説明しよう。
【スキル:言霊】
このスキルは、「言葉にした内容を現実へと反映させる」という、極めて珍しい初級スキル≪初≫である。だが、ラングの持つ特異な資質によって、グレードの枠組みを超えた性能を発揮する可能性を秘める。
◆強化要素
バイタル値(Vt.)による補正
通常、Vt.(生命力)はHPと同値であり、一般人は100程度だが、ラングは転生時に「101,500」という神域レベルのVt.を得ている。これを神力換算すれば10.1に相当し、常時スキル補正が「+10.1%」されることになる。
スキルに課した制限
言霊スキルは**「効果が自分には及ばない」**という致命的ともいえる制限を持つ。どれほど強力な言葉を発しても、対象は必ず他者に限られる。しかしこの制限がある代わりに、スキル補正が大幅に強化され、当たりスキルと同等以上の補正効果を発揮できるようになっている。
加護・祝福による強化
言霊は神的な概念と深く関わっており、加護や祝福を複数受けることで進化の可能性が広がる。ラングは既に夢想神の加護を受けており、その効果範囲や成長性において通常の初級スキルと一線を画す。
◆スキル構造
スキルの補正内容を示す漢字一文字の”効果”が発現し、スキルはその組み合わせと成長によって格上げされていく。ただし、神より授かりし加護・祝福により対象範囲が異なる。
基本形:≪奮≫(ふん)……士気・やる気を高める、能力値上昇
中位形:≪奮起≫……士気・やる気を大きく高める、能力値大幅上昇
上位形:≪発奮≫……限界突破レベルの能力向上を引き出すが、反動あり
ラングの≪言霊≫は、今後発現する効果によってあらゆる可能性を秘める。その真価は、言葉と信念をどう扱うかにかかっている――。