閑話3 ラングとジョナサンの筋トレ日和
とある日すっかり仲良くなったラングとジョナサンがたわいのない話をしていた。
「ラング君、僕もっと強くなりたいんだ(内面的にの意)」
「えっジョンジョンは十分強いんと思うんだけどな。大きいし(体がの意)」
「そんな事ないよ、みんなから小さい小さいって言われてるんだ(声がの意)」
「えっマジで?もっと大きくなりたいの?(体がの意)」
「うん、もっと大きくなって自信を持ちたい(声と内面の意)」
ラングはここで手を顎に添えながらしばし考え込む。
(これ以上大きくなれるのかな?強くなりたいとも言ってたし……なら筋トレすればいいんじゃね?筋肉がつけば体回りも大きくなるし強くなる!)
こうして二人は時間を見つけては筋トレに励むようになった。
「ほら、ジョンジョン追い込みが足りないよ!疲れがたまって来た時が勝負なんだ!」
「あっうん……。はぁはぁうおぉぉ!」
歯を食いしばって自らの肉体を追い込むジョナサン。
「ほら、イチニ、サンシ!筋肉を意識して!筋肉に語りかけるんだ!」
ラングも体を動かしながらさらにジョナサンを煽る。
「ぅうう~ん。僕の上腕二頭筋!もっともっと大きくなるんだ!」
(確かに大声を出してるけど、本当にこれで人に話しかける勇気が持てるのだろうか?)
二人の意思はかみ合わぬままその後の筋トレは続いた。
やがて、腕や足が一回り大きくなる頃、ジョナサンはラング以外の人に対してもおどおどしなくなり、声が小さいなどとからかわれたり、叱られる事もなくなった。
だが、それもこれも彼らが筋トレしていた場所にこそ秘訣があったのだ。
「ラング君どうしていつもわざわざ人前で筋トレするの?これじゃいい笑いものだよ」
筋トレを初めて間もなくの頃ジョナサンはラングに尋ねた。
「ぅぅ~ん。はぁはぁ、それはね今のこの時間が一番効果が高いからだよ。食後2~3時間経った頃が最も大きくなりやすいからね(体が)」
ラングは筋トレを続けながら答えた。
「でも大きくなってから、みんなに見てもらおうと思ってたのに(おどおどせず大きな声で人と話せる自分を)、これじゃあんまりだよ……」
ジョナサンはか細い声で不満を洩らす
「ほらジョンジョン声が小さい、大きな声で内なる自分に話しかけて~はい、オイッチニー、サンシ!」
こうして仕事の休憩の合間に同僚たちの前で奇声を上げる彼らは運搬部の名物となった。
「ほらジョンジョン筋肉への語りが足りない!」
面白がって声がかかれば
「はい!オイッチニーサンシー」
にわかトレーナーが増殖する始末。
そんなこんなでみんなに面白がられ、声をかけられるうちにジョナサンはいつしか苦手を克服していたのだ。
「ねぇジョンジョン最近すっかり大きくなったね!(体が)」
「うん、筋トレ(による羞恥プレイ)のおかげかな(声が)」
チャンチャン!




