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16話 取り戻した自信とともに、未来へ歩き出せ!

「本日のお宅の晩ご飯どうでしたか~?」

「もちろん最高でした~!」

食器を片付けながら、そんなふざけたノリで盛り上がるラングとその仲間たち。


その理由は明白。



ラングとその仲間達の食事が質・量ともに格段に良くなったからだ。


もはや、商会の一般職員たちが口にする食事すら遠く及ばない。


もしこの世界にもミ〇ュランがあったなら、☆がいくつもつくだろう。


元々海の近いこの町では魚介系食材はそこそこリーズナブルだ。


これまでも、ほんの少しだけど奴隷用の料理にも使われていたっぽい。味をちょっとでもマシにするためにね。


俺が元居た世界で言えば”出汁”をとるのに近い。


だが、ポテトやカボチャなど新鮮な野菜とシソやバジルと言った香り豊かな食材の提供を受け、美味しくならないはずがない。


残念ながら卵はもうなくなってしまったが、それでもほっぺたが落ちる美味しさだ。



(これは内緒なのだが2~3日に一度くらいはスイーツを食べている。)



それと、収穫の時必ず俺が呪文を唱える。



「おいしくな~れ、おいしくな~れ」と。



そう、どこかの”メイドさん”よろしく、心を込めて植物に語りかけながら収穫してるんだ。



それが着実に効果を上げているのがわかる。


だって、言葉を浴びた植物が光ってるんだもん。


もう、俺の【言霊】スキルってば、どこまでも規格外になってくれちゃって!とか思っちゃうよね。


次収穫に行くときは


「萌え萌えキュン」も追加しようかしらん。



食堂にはこんな通達文が張り出された。




【通達】


本日より、食材の持ち込みが認められた。

以下の条件を満たす場合、料理部門において調理の対象とする。


一、食材は毒性等の有無を確認した上で提出すること。

二、調理可否および品質判断は料理長が行い、基準を満たす場合に限り調理される。

三、料理提供は当該食材持ち込み者および関係者に限る。


料理長より




これにより、俺達が特別メニューの提供を受けても表立って文句は言えない事となった。


おっちゃんのその気遣いと行動にマジ感謝だよ。




食の改善により、俺たちは着実に生活を向上させていった。


気軽に軽口を叩き合えるようになり、楽しい時間が確実に増えた。


同部屋の仲間たちはもちろん、ジョンジョンもすっかりその輪の中に入り、今ではすっかり仲良しだ。


この成功体験は、まさに皆に自信と活力を与えた。


俺が描いたプロセスに、仲間たちはより積極的に協力してくれるようになり、

“食の革命”は俺一人のものではなく、皆の目標へと変わっていった。


そしてこの度、支配人さんを交えて今後の展望を話し合う場が設けられることになった。

この前の約束通り、おっちゃん(料理長)が支配人と話をつけてくれたのだ。


その場には俺の仲間たちも出席する。


場所はもちろん、俺たちの「戦場」であり、成果の舞台でもある――食堂だ。


おっちゃんが腕によりをかけて作った料理を、まずは支配人に実際に食べてもらい、胃袋をガシッと掴むことが最初のミッションとなる。


そのうえで、食の改善――ひいては“食の革命”に繋がるプロジェクトの立ち上げを提案したい。


その準備として、俺たちはプロジェクトの内容をあらためて精査することにした。


これまでは俺が一人で構想し、動いてきたけど、これからは違う。


おっちゃんのアドバイスを真摯に受け止めて、仲間たちと共に歩むと決めた。


俺たちは何度も膝を交え、真剣に話し合いながら――

次なる戦略目標を定めていった。


 俺たちが目指すのは、単なる食の改善なんかじゃない。

 飢えや粗末な食事に甘んじる日々を変え、誰もが生きることに希望を持てる世界を作ることだ。

 そのために――俺たちは《食の革命》を起こす。


 ここに、そのための段階的目標をまとめてみた。


《食の改革から始まる、革命へのロードマップ》

一、空き地の活用と生産基盤の整備

 ・除草計画の中止

 ・敷地の利用許可の取得

 ・専属の管理・収穫人員の確保


二、自生植物からの発展と多様化

 ・食材となり得る植物の継続調査

 ・有用種の移植と環境適応の試験

 ・香味野菜や保存食向けなど、多品目化の推進


三、農耕の確立と安定供給体制の構築

 ・土壌の肥沃化(堆肥や土質改良)

 ・計画的な耕作地運用(連作障害や土壌疲労の回避)

 ・農耕ノウハウの蓄積と共有


四、主食の再構築

 ・新たな主食候補(穀物など)の調査と導入

 ・安定した生産体制の確立


五、調味料の開発と供給網の整備

 ・甜菜てんさいを活用した砂糖の製造と安定供給

 ・菌類の研究(発酵食品や調味料への応用)


六、畜産の導入と運用

 ・飼育に適した動物・魔物の選定と調査

 ・家畜の飼育環境と管理体制の構築


七、トレルの実の再評価と高付加価値化

 ・品種改良による用途拡大

 ・専用レシピの開発

 ・ブランド化を通じた社会全体の食環境改善への波及


これらはあくまで、段階的に実行していく計画だ。

 ……もちろん、同時に進められるなら、それに越したことはない。


 けれど、何より大事なのは――

 たとえ少し背伸びしても、でっかい目標を掲げて生きること。


 惰性で日々をやり過ごすだけの奴隷でいたくないなら。

 ここから抜け出したいと本気で思うなら。


 それくらいの覚悟と気概がなければ、きっと未来なんてつかめやしない。

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