13話 タマゴランチはいかが?
「今後本編に登場するヒロインの一場面イメージ」「メイド服姿のエマとアイファ」
「※AI生成」「AI generated」
あちこちに横たわるニワトリたちの姿を見て、俺はふと呟いた。
「……近くに卵、あるんじゃね?」
そう、体の大きさこそ俺の知ってるニワトリとは違うが、
いや、よく見ると爪も大概だな、あんな鋭く巨大だったのか……
嘴だって洒落にならない大きさだぞ?
あんなの相手に戦ってくれた仲間達には感謝しかなかった。
「みんなありがと。みんなが勇敢に戦ってくれたから魔物を倒す事ができたんだ」
俺は真心を込めて伝える。
「そんな事ないよ、ラング君も一緒に戦ってくれたよ。だってラング君の一言一言に勇気をもらったもん」
ジョンジョンは穏やかな笑顔を浮かべラングに語りかける。
「そうだね、ラング君の言葉を聞くと、なぜか力が湧いてきてね。ほら、ご覧の通り――勢い余って木に激突するくらいには、さ」
ホルスさんは照れくさそうに笑いながら、頭をかきつつ言った。
猛烈な勢いでニワトリ達を蹴散らし、直後大きな木に激突したホルスさんは、その後何事もなかったかのように立ち上がったのだった。木は根っこごと傾いてたけどね……
「そうそう、ラング君の強化スキルこそ今回の勝利の要因だよ。これは紛れもない事実さ。途中”投摘”っていうシーツを獲得したんだけど、これも多分君のおかげなのかな。ほんと大した子だね君は。」
スーベさんは石を投げる振りをしながら俺に笑いかけた。
「みんなにそう言ってもらえると嬉しいな。じゃ、これはみんなの勝利だね!」
俺は心からの笑顔を浮かべ、拳を軽く突き出す。
仲間たちも次々と拳を重ね、笑い声がこだました。
続けて、
「みんな、あともう一仕事お願い。多分この近くに”この鳥の魔物”の巣があるはずだから、探したいんだ。きっとそこにあれがあると思うから。それと!スーベさん、あそこで息絶えた個体が1羽いるんだけど――食材鑑定、お願いしてもいいかな?」
あちこちでピクピク痙攣しているニワトリ達に敢えてとどめは刺さなかった。
彼らの縄張りに入り込んでしまったのだろう俺達にも非があったし、命まで奪う必要はなかったからだ。
それに……ニワトリならいつか手懐けて飼育したい――なんていう思惑もあったしね。
その後俺達は手分けして近くを捜索し、やがて空き地に隣接する密林近くでやつらの巣を発見し、見事20個近い卵をゲットすることができた。
スーベさんの鑑定によると
「バイオレンスチキ」というのがこの食材すなわち異世界ニワトリの名称だそうだ。
これはあれだな、今後は”チキン”と呼ぶことで決まりだね!
さて、今回の収穫は――
キセカエポテト(ジャガイモ)、ヨンホンデモゴボウ、ナスビクン、ドテカボチャ、イッポンデモニンジン、トメイト、エダマメ、アオジソ、アカジソ、バジル、クルミ、卵の12品。
それと無限の可能性を秘めた”色白のあれ”となった。
いろいろ”おイタ”が過ぎたせいで、この世界におかしな名前を持つ食材や雑草を爆誕させてしまったが……
元々この世界になかったに等しいものだからして、当然誰もこの幼稚ないたずらには気付かないはず――
……なので、俺は心の奥底に封印することにした。
さて、いよいよおっちゃんをぎゃふんと言わせる時間だ。