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10話 色んな意味で大収穫だったのだが……

挿絵(By みてみん)

”シーツ”タケノコを見て呆然とするラングのイメージ

「※AI生成」「AI generated」



空き地に来て以来“悪ふざけ”が過ぎるラングであったが、食材探しのほうを疎かにしているわけではなかった。

ジョンジョンやホルスは黙々と土を掘り、新たな食材を探したり、すでに食べられると分かったものをさらに掘り起こしていた。


ラングとスーベは空き地を一緒に歩きながらも、それぞれ別の役割をこなしていた。

スーベは地上に見える草木をひとつひとつ丁寧に鑑定し、食材になりそうなものを見極めていく。

一方ラングは、周囲の様子を見渡しながら、まだジョンジョンとホルスが掘っていない植物を見つけては、その根元を掘るよう二人に的確に指示を飛ばしていった。


こうして見ると、ラングは“探すか指示するか”、どちらかしかしていないことがわかる。


しかし、これはラングが煩わしい作業を他人に押しつけ、自分は楽をしている――という話ではない。


断じて!

違うのである。


彼には彼なりの、ちゃんとした理由があったのだ。


つまり――


彼のスキルは自分には作用せず、他人にしか効果を発揮しないという特異な性質ゆえなのだ。


ラングのスキル【言霊】は、まるで生き物のように日々進化を続ける特殊な力。そして、現在発現している3つの効果にも、以下のような進化が見られる。


ふん

士気ややる気を高め、仲間たちの能力を引き出す。気力の奮い立たせと、一時的な能力値の上昇をもたらす。


はつ

何かが生まれ、始まり、飛び出す――まさに「発する」力。

隠れていた才能や現象、可能性を顕在化させ、予期せぬ“発見”や“発明”へとつなげる力。


しん

想いの強さが、現実への影響力を増す。

願いや理想が、まるで具現化するように現れはじめる――そんな兆しすら見えてきている。


能力補正の面では、上級や伝説級のスキルに遠く及ばないかもしれない。

だが、これらの効果は互いに作用し、ときには補完し合うことで、思いもよらぬ成果をもたらすのだ。


だからこそ、ラングは仲間たちに言葉をかけ続け、想定を超えた成果を引き出そうとしていたのである。


ジョンジョンやホルスが掘り当てた食材が、スキル【言霊】の効果による“当たり”だった可能性もある。

逆に、同じものをラング自身が掘っていたら、【鑑定】で「食べられぬ」と判定されていたかもしれないのだ。


さらに、ラングのスキルを受けた三人にどんな成長や変化が訪れるのかも楽しみのひとつだった。


とくに≪発≫と≪真≫は、この世界の法則を超越する“なにか”をもたらす可能性を秘めている。


そして――

“シーツ”と呼ばれるこの世界独特の技能が、まるでタケノコのようににょきにょきと生えてきたのである。


≪掘削≫

≪根堀り≫

小道具シャベル扱い≫

≪シャベル男≫

≪名付け上手≫

≪草刈り人種≫ などなど……


もはや訳の分からない状態になってしまった。


いや、≪掘削≫や≪名付け上手≫は、まだ理解できる。実際にやってることだし。


だが――≪草刈り人種≫ってなんだ!?

人種なの!?特性じゃないの!?


しかも≪シャベル男≫ってネーミング、ちょっとおかしくないか?

よりによって、それが俺に唯一ついたシーツだなんて……!


完全にディスられてるよね!?

……どこの誰からかは知らないけど。






☆ ☆ ☆





【補足:この世界の技能体系】


■シーツ(特技)とアーツ(専技)

この世界には、【スキル】とは別に、実際の行動を通じて自然と身につけていく実用能力群「シーツ(特技)」と、そこから派生・進化する上位技能「アーツ(専技)」が存在する。


◆シーツ(特技)

定義:

 反復作業や経験を通して習得される「便利機能」のような実践型スキル。

 特定の動作や行為を無意識下で最適化し、効率化する補助的能力。


効果:

 行動に対してわずかな補正(補正率5%前後)が加わる。

 例:シーツ《土堀り》では、シャベル作業が自然に最適化され、手加減や力加減を無意識に調整できるようになる。


特徴:

 ・取得条件は「繰り返しの実践」

 ・ステータスへの直接的な影響は小さい

 ・複数習得可能で、生活系から戦闘系まで幅広く存在する


◆アーツ(専技)

定義:

 シーツの中でも、主に戦闘や実用的用途に特化したものが熟達することで進化・昇華した上位技能。


効果:

 補正効果が大きくなり(最大20%前後)、より広範で応用的な使い方が可能となる。


例:

 ・シーツ《投摘》:1つの石を正確に対象へ投げられる技術

 ・アーツ《投摘》:複数の石を連続して、または同時に投げる応用技として発展


特徴:

 ・全てのシーツがアーツに進化するわけではない

 ・進化条件は、技術の反復・熟達・状況への応用力

 ・主に攻撃系、戦術系の特技が進化対象となる



【項目】  【シーツ】    【アーツ】     【スキル】

―――――――――――――――――――――――――――――――

習得方法  実践・経験    熟練したシーツの進化 生まれ持った才能

補正効果  小(約5%)    中(最大20%)    大(決定的な力)

使用範囲  生活・戦闘補助等  戦闘・応用技術    超常的な力も含む

性質    便利な自動化技術  技術の拡張・応用   本質的で多彩な才能




◆神の加護・祝福について

この世界において、「神の加護」や「神からの祝福」は、それ自体がスキルや力を直接授けるものではない。

しかし、それらは持つ者の才能(=スキル)を開花・進化させる力を秘めている。


●本質

加護・祝福とは、「神の恩寵おんちょう」であり、運命の導き。


神ごとに異なる属性を持ち、対応する分野に影響を及ぼす。


●効果

特定のスキルが発現しやすくなる。


対応するスキルが進化・格上げされやすくなる。


スキルの成長速度・適性が上昇する。


一部、幸運・引き寄せ・神託などの特殊効果をもたらす場合もある。



●例:

・火の神の加護 → 炎に関するスキルを取得しやすくなり、炎系魔法の成長が早くなる。


・美の神の祝福 → 魅了系スキル、芸術・美術に関する技能が強化される。


加護や祝福は、スキルそのものではないが、「才能に追い風を吹かせる存在」として重要な役割を果たす。



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