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0話 覇道の始まり

ご覧いただきありがとうございます。

0話 覇道の始まりは本物語の割と後半あたりの内容となります。

また、次話序章~女神と立てた戦略(解放マニュアル全4話)は本編開始前の転生直後や主にスキルについての説明となりますので、一旦飛ばしていただいて、疑問が生じた都度ご覧いただければと思います。


挿絵(By みてみん)

「覇道の始まりイメージ」「※AI生成」「AI generated」




「申し上げます。北から新たな軍勢、その数推定で1万5千姿を現しました」

息を切らした兵士は報告を終えるとすぐにその場から立ち去った。


「ラング様……これはまさに一大事。すでに城を囲む兵と合わせて十万を超えております。とても戦って勝てる数では……」

この地に元々住む民をまとめるその男は苦し気にラングに上申した。


ラングの配下となってからまだ1年と経たない彼らにとって目の前に広がる光景は絶望にほかならなかったのだろう。



「だってさ。確かにこっちの戦力はどんなにかき集めたって3千程度だからね。普通なら勝ち目はないって思われちゃうよね……はて、どうしたもんか。」

この地に住む人々に乞われ、何度も断った末、渋々この地を治める羽目になったラングは――、

しかしこんな状況にも関わらず少しも動じてないようだった。


「あらダーリン、そのわりには随分余裕がおありのようで……。困ったフリをなさったって、自信たっぷりなのはお見通しですわよ」

ラングと常に行動を共にする“ナタリン”にはお見通しだったようだ。


「そうやで兄弟。”人の数だけ”見たら不利かもしらんけど、あいつらが姿現したら(やっこ)さん達どんな反応示すんか今から楽しみっちゅう顔しとるで!」

ラングの兄貴分である“兄い”の目にも、この弟分がこの状況を楽しんでいるのがまるわかりだった。


「ねぇラング君、もう私あの子達呼ぼうか?」

魔物たちを従える“お嬢”が可愛らしい声で尋ねた。


「主、我慢できない。あいつら、〇す」

全身真っ白な巨体を振るわせて物騒な事を呟く神獣。



「はは、バレてたか。じゃぁ始めますか。今からおしおきを始めます!」

ラングが発したこの一言で阿鼻叫喚の蹂躙が始まった。


絶望に沈んだのは愚かにも攻め込んできた敵の方だった。


絶対に踏んではいけない虎の尾を踏んでしまった不始末を今から身をもって知ることになる。




それから間もなく――城を囲む敵軍勢に変化が起こった。



城の西を囲む兵たちが混乱に陥った。


地の中から1体また1体と這い出して来る人――いや、アンデットがまたたくまにその場を埋め尽くしていく――。そして、顔を恐怖に歪ませた敵兵たちに次々と襲いかかっていった……。




城の南を囲う兵たちにも不幸が訪れる。


巨大な蜘蛛の魔獣が群れをなして押し寄せてきた。


脚先一つで敵兵を串刺しにしながら進むまさに化け物だ。


先頭には一際大きな全身真っ白なクモの姿が。


しかもなんと人間の言葉まで操る不気味。


「主の敵は――、全部○す」

物騒この上ない叫びを上げて、敵兵をなぎ倒していった。




城の東では地上からそして上空から雑多な魔物達が殺到する。


その中には巨大なニワトリに似た魔物の背に乗る女性の姿。


一目でその可憐な姿に魅入られるのだが……


拡声器を口に当て何やら指示を飛ばしているようだ。


そう、この魔物の群れを自在に操り、敵兵を蹂躙し始めたのはまぎれもなくこの可愛らしい女性だったのだ。



そうして――城門の北でも戦闘が始まった。


打って出たのは、たった三千そこそこの城兵たち。

だが彼らはまさに、無双していた。


一人ひとりの力が桁違いだ。

中には、クワや竹箒といった、とても武器とは呼べない得物を振り回す――

「どう見ても農民じゃね?」ってヤツの姿もある。


それでも、彼らは人を超えた力を振るっていた。


それこそが――この地の盟主、ラングが持つ“権能”の神髄。




これは、スキル【言霊】で奴隷の身から這い上がり、

やがて世界を変える少年の物語。


涙あり、笑いあり、成り上がりの記録。


ハーレムだって――きっとある。

いや、あらねばならぬ。絶対に!


はてさて、どんな未来が描かれるか――

不幸のどん底から這い上がる少年の成長を、とくと見届けてほしい。





お読みいただきありがとうございました。

前書きにも書きましたが、本編「奴隷解放編」からスタートして、転生のいきさつ及びスキルについて気になった時に序章~女神と立てた戦略(解放マニュアル全4話)をご覧いただければと思います。

せっかくお時間を頂いて、少しでも面白かったと言っていただけるよう努力してまいります。

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