3話 友だち
見てくれる人があまりいないが、そっちのほうが気楽だね
「ムゥー、最近雨ばっかり」
最近雨ばっかりで、遊べてない。
猫は水が苦手だから個属性のやつもわかってない。
できるのは術錬。
こっちでは魔法のこと、術っていうらしい
「琥蜜、おいでぇ。いいのあげるわよぉ!」
なんだろう
「ふふぅ、はい」
なにこれ。きれいなネックレスだな
「月長石よぉ。健康でぇ、幸運な壱年になりますようにぃって。肌身離さずつけてねぇ。ええ、肌身に離せないわねぇ」
ママ.....なんか企んでるでしょ
「じゃあねぇ」
ボン!
き、消えた.....
部屋戻るか
パンパン
「雷神様の加護を我に与えよ。”雷流戯”」
ゴロゴロ.....ドッシュァーン!
「よ!」
「やっほ。雷の精霊クン」
雷の精霊を召喚する術雷流戯。遊び相手してくれる。雷獣のラキとイキを撫でてみたりできるんだ!
「今日は何をしてほしいんだ?雲の上、行ってみるか?」
く、雲の上!
「行ってみたい!」
「いいぞー!ラキ、イキ、来てくれ」
ラキとイキは虎の姿の雷獣。でも愛嬌があってかわいいの!
「ガルルン!」
「ガルロォーン!」
わっ、吠えた.....
「よしよし。琥蜜だぞ!雲の上行くぞ!今日は」
吠えたけど、やっぱりかわいいな、ラキイキは
「よし、俺はラキに乗る。琥蜜はイキに乗ってくれ」
あっ。ネックレスつけないと
「ちょっと待って。ママにもらったネックレスつけてから」
「よし!準備オッケーだよ」
「イキ、しゃがんでくれ」
「ガルルン」
「雲の上の旅へ行くぞ!」
「おー!」
楽しみだな♪
ってことで帰ってきました
雷の精霊も帰りました
けどね、狐耳と狐尻尾が生えてる月みたいな銀髪のミディアムヘアで黄玉みたいな明るい黄色の瞳の中性的な子がネックレスから出てきた.....
「.....」
無言だし
名前聞いてみるか
「あなた、名前は?」
「僕の名前、はない、よ」
ないの?
「封印、月長石にされてた。生まれてすぐ、に。だか、ら名前な、いよ」
言葉がたどたどしい.....
「そうなんだ。じゃ、名前つけてあげるよ」
「ほ、ほんと、に?!」
そりゃね、狐子なんて呼んでちゃあさ、なんかね
「入れたい言葉とかある?」
これは聞いとかないと
「狐、入れたい」
狐ね、銀狐とか?んー、違うな。楼狐.....老人、いや老狐に聞こえる
「んー悩むな|当て字だけど月狐とかいてらこ、月狐は?」
「ら、こ。いい、ね!僕、月狐!」
狐なのにらこってらっこみたいじゃん
「えへ。うれしい!戻るね」
戻る?
「え、戻るって.....」
.....このネックレスにってことか
謎が多いらこ
『僕に出てほしいときは手を二回たたいて、"月狐への呼び出し"って言ってね。出れるようになるから』
ふーん
「そうそう、らこ」
『なあに?』
は、恥ずかしい
「は、恥ずかしいけどさ」
『うんうん』
「と、と、友達になってくれませんかっ!」
うわーん恥ずかしい!
『いいよー!』
こうして私に奇天烈な友達ができた