↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/409

20不安の新しい作物は米だったが

井戸の近くに生えていた新しい作物、それは奇妙な形をした草のような植物で、何か違和感がありつつも、どこか見覚えのあるものだった。その実が花のようにぶら下がっている光景を見た瞬間、僕は何かが引っかかる感覚を覚えた。


「これ、米じゃないか?」と僕が呟くと、ミナが驚いた顔で僕を見た。


「え? 米? そんなわけ…でも、確かに形が似ている気がする」とミナが言った。


僕たちがじっくりとその植物を観察していると、確かに米のような粒が実っているのがわかった。しかし、その色や質感は普通の米とはまったく異なり、どこか不自然に光って見えた。


「どうしてこんなところに…?」と僕は、目の前に広がる異常を理解できずに頭を抱えた。


「確かにこれは米に見えるけれど、どうしてこんな作物が突然生えてきたんだろう?」とミナが首をかしげる。「不安だわ…」


「米なら、これを収穫して食べればいいんじゃないか?」と僕は思わず口にしてしまったが、すぐにその発言が不安を引き起こす可能性があることに気づく。


「でも、ちょっと待って。これ、試しに食べてみたらどうなるか分からないよ」とミナが警戒した表情で言った。


僕は少し戸惑ったが、いくつかの米粒を手で取ってみた。まるで不思議なエネルギーを帯びているかのような、異常な温かさを感じた。そのまま食べるのはあまりにリスクが高い気がした。


「いや、やめておこう。食べるのは危険だと思う」と僕はミナに言い、米粒を手のひらに戻した。


その時、ふとした拍子にその米粒を軽く押してみると、米が硬く、けれども不自然に湿っている感触が伝わった。さらに、表面がぬめりを帯びているようにも感じた。


「これ、普通の米じゃない…」と僕は言うと、ミナは顔をしかめながら言った。


「もしや、あの神殿と関係があるんじゃないの?」とミナが指摘する。


僕はその言葉にハッとした。神殿で触れた石板に刻まれていた文字、そして、あの異常な力がこの新しい作物に影響を与えている可能性があることを、僕は深く感じ取っていた。石板が示した力が、村に広がり、そして新しい作物という形で現れているのだ。


「じゃあ、これが原因で村の食べ物や作物が影響を受けている可能性があるんだ…」と僕は呟いた。


ミナは黙って頷く。「そうかもしれないわ。もしかしたら、これを食べると体調が悪くなるのも、それが原因かもしれない。生米を食べると、気持ち悪くなるのはそのせいかもしれないね」


僕は急に不安を覚えた。もし、村人たちがこの作物を誤って食べていたら、どうなってしまうのだろう。思わず足元を見つめると、目の前に広がる新しい作物が、まるで何かを狙うかのように生い茂っているように感じた。


「これ、どうしたらいいんだろう…」と僕はつぶやき、頭を抱える。


「まずは、村人たちに知らせるべきよ」とミナが冷静に言った。「少なくとも、この米を生で食べないように警告することが必要だわ」


「そうだね」と僕は頷いた。しかし、その後に続く言葉が見つからなかった。


この作物が村に与える影響が、どれほど大きいものか、僕にはまだ見当もつかない。けれども、無視できる問題ではないことだけは確かだった。


「じゃあ、もう一度、あの神殿に行ってみようか」と僕は思い切って言った。


ミナは少し考えた後、頷いた。「そうね。もしかしたら、あの神殿に何か手がかりがあるかもしれないし、石板のことももう少し詳しく調べるべきだわ」


僕たちは、再び神殿に向かうことを決めた。その途中、僕の胸には不安とともに、今までにない強い決意が芽生えていた。この村の未来を守るため、僕は何かしらの答えを見つけなければならない。


帰り道、ふと空を見上げると、そこには薄暗い雲がかかり、まるで何か不吉な出来事が起きようとしているかのような雰囲気が漂っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。