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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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192/409

192 新年の朝とジュースピュアの乾杯

冬の冷たい空気が未だ外を支配している朝、布団の中に丸くなっているシャズナの姿を見て僕は微笑んだ。その白い毛並みがふわふわと膨らみ、ほんのりと温かい体温を感じられる。新しい年の始まりを告げる静かな朝は、このぬくもりが何よりの幸せだった。


やがて、シャズナは小さなあくびをしながら目を開け、まだ半分眠そうに僕を見つめた。僕はその瞬間を逃さず、「シャズナ、新年おめでとう。今年もよろしくね。」と優しく声をかけた。シャズナは耳をぴんと立てて、ふんわりとした「にゃー」で応じた。その声は、まるで「今年も一緒に頑張ろうね」と伝えているかのようで、胸が温かくなる。


僕はキッチンに立ち、朝の清々しさと新年を祝うための特別なドリンクを用意することにした。ジュースピュアは、山の果実で、その甘酸っぱさと香りが新年にふさわしい爽やかさをもたらしてくれるものだ。ジュースピュアの実をしぼり、少し冷たい水と蜂蜜を加えて丁寧に混ぜ合わせる。その芳醇な香りが広がると、シャズナが小さな足音を立ててキッチンに来た。耳を動かしながら、待ちきれない様子でしっぽを揺らしている。


「もう少し待ってね、シャズナ。」僕が笑いながら声をかけると、彼は少しだけ身を引き、目をキラキラとさせて僕を見つめた。その視線に胸がドキリとする。やがてドリンクが完成し、小さな器に注いでシャズナの前に置くと、彼は迷うことなく顔を近づけ、ぺろりと舐めた。


ひと口味わった瞬間、シャズナは目を細め、「にゃー」と楽しそうに声を上げた。その声は喜びそのもので、きっとジュースピュアの香り高い味わいが彼の心を踊らせたのだろう。彼の尻尾はぴんと立ち、耳をぴくぴくと動かしている。まるで「美味しかったよ、ありがとう」と言っているかのようだった。


僕も同じドリンクを手に取り、一緒にその味を楽しむ。ジュースピュアの爽やかな酸味とほのかな甘みが喉を滑り、これから始まる一年の希望を感じさせてくれる。シャズナと共に迎える新年の朝は、何よりも特別で、心から幸せだと思えた。


こうして僕たちは、静かで穏やかな新年の朝を共に迎えた。



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