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178 夏の終わりを告げる音

花火大会が終わり、夏の賑やかさが少しずつ薄れていく中、季節は静かに移り変わっていた。数日が経った頃、シャズナと一緒に農場へ農作物の収穫へと出かけることにした。

農場へ到着すると、辺りはまだ夏の日差しが残るものの、どこか空気に涼しさが感じられた。収穫作業を進めていると、ふとシャズナが立ち止まり、耳をピンと立てた。その視線は遠くの茂みの方に向けられていた。

「どうした？」と尋ねると、微かに聞こえてくる鈴虫の音にシャズナは軽く興奮し、しっぽをゆるやかに揺らした。目を輝かせ、音の方向をじっと見つめている。

「それはね、シャズナ。鈴虫の音だよ。秋の始まりを告げる音なんだ。」と教えると、シャズナはにゃーと元気よく返事をし、嬉しそうに小さく飛び跳ねた。その仕草に、夏が終わり秋が訪れることの喜びを一緒に感じたような気がした。

風が少し冷たくなり始めた空の下で、シャズナの鈴虫の音を聞く耳は、しばらく動くことをやめなかった。