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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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168 交配して出来た野菜を調理する

ゴウンユアに似ていると言われた新しい野菜をどのように料理しようか、行商人からアドバイスを受けたことを思い出しながら、僕は台所に立った。豚肉、卵、玉ねぎといった材料を用意し、調味料としては塩、胡椒、そして少しの醤油を使うことに決めた。行商人が教えてくれた通り、ゴウンユアはそのまま食べるには少しクセが強いので、調理法に工夫が必要だ。


まず、玉ねぎを半分に切り、薄切りにしてフライパンで軽く炒める。玉ねぎが透明感を帯びてきたら、次に豚肉を細かく切って加え、塩と胡椒で味付けをする。豚肉がしっかりと焼けたところで、ゴウンユアの実を縦に切り、皮をむいて中身だけを使う。


その後、ゴウンユアの実をフライパンに加え、少しの醤油を垂らして、全体をよく混ぜ合わせる。苦味やえぐ味が気になるので、少し時間をかけて炒めることで味を落ち着かせる。野菜と肉がよく絡み、香りが立ってきたところで、最後に卵を割り入れ、軽く混ぜて閉じるために使う。


卵が程よく固まり、全体が一つにまとまったところで、完成だ。


「さぁ、いよいよ食べてみるか。」僕はフライパンを火からおろし、皿に盛りつける。


一口食べてみると、最初に感じるのは苦味とえぐ味だ。それでも、豚肉と玉ねぎの甘みが少しずつそれを和らげ、醤油の風味がアクセントになっている。思わず「うん…」と唸ってしまう。あの行商人が言っていた通り、まさにゴウンユアのような独特の味だ。


「偶然にもゴウンユアを作ってしまったんだな。」と、しみじみと実感する。苦味とえぐ味がそのまま残るわけではなく、調理したことでその特徴がうまく引き立てられ、味わい深くなっている。


シャズナも横でじっと見つめている。普段、野菜にはあまり興味を示さないシャズナだが、今日は少し気になった様子で見つめてくる。「にゃー」と小さく鳴き、興味津々で僕を見上げる。


「シャズナ、これも一緒に食べる?」と、ちょっとだけ残った一口をシャズナに差し出してみる。シャズナは興味深そうに一口食べると、少し顔をしかめながらも、ちゃんと飲み込む。「にゃ…」と短い鳴き声をあげて、どうやら気に入ったらしい。


僕は笑いながらシャズナを見つめ、「お前も食べられるものは少しは分かるんだな」と言って、また一口食べる。


この新しい野菜、ゴウンユアに似たものを手に入れ、試してみることで、やはり新しいものを育ててみる面白さを再確認した気がする。そして、行商人の言葉が本当に役立ったことに感謝しながら、今日はその味わいをしっかり楽しむことができた。


「これからもっといろんな料理を試してみよう。」僕は胸を張って言い、シャズナと一緒にゆっくりと夕食を楽しんだ。



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