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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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161/409

161 瓜きのこが芽吹いた記録つけ

翌日の朝、穏やかな日差しが農場を包み込んでいた。シャズナと一緒に朝の散歩を済ませ、まず向かうのは瓜きのこの栽培実験場。昨日まではただの湿った土と菌床だったが、今朝、ふと見るとそこに小さな変化が訪れていた。


「おお、やった!」と心の中で思わず声が出る。土の上から、細い白い根がしっかりと伸び、その間から小さな芽が顔を出していた。瓜きのこ、ついに芽吹いたのだ。これは予想以上の成果だ。


シャズナが僕の隣で興味深そうに土の上を嗅ぎ回る。時折、鼻をひくつかせながらも、目の前の小さな成長にどこか誇らしげな表情をしている。彼も、この農場での新しい発展に興味津々のようだ。


僕はすぐにノートを取り出し、記録を開始する。まずは芽が出た場所と、その周辺の環境を詳細に書き留める。土壌の湿度は昨日と同じく保たれており、気温も安定していることが確認できた。重要なのは、この芽が他の栽培実験と比べてどのような違いを持っているかだ。


「成長が早いか、遅いか…土の栄養素の影響かもしれないな」と独り言をつぶやきながら、数時間おきに観察し、変化を記録していく。小さな芽が少しずつ成長していく様子を見るのは、まるで命が息を吹き返したようで、心から嬉しく感じる瞬間だ。


シャズナはその間も周りを歩き回り、偶に土を掘ったり、近くの草を見つけて遊んでいる。気ままに動く彼が何となく、僕の心を癒してくれる。ついでに一緒に観察していたのか、彼が土に足を取られて軽くひっくり返り、ひとしきり慌てた後に再び姿勢を正して、何事もなかったかのように僕を見上げてくるのが可笑しかった。


記録が終わると、今度はしっかりと手を洗い、成果を無駄にしないように気をつけながら、次にするべき作業を考えた。芽が順調に育つことを祈りつつ、この実験がどう展開していくかに胸を膨らませている。


「今日はしっかり見守ろうね、シャズナ」と声をかけると、彼はニャーっと小さな声で応えてくれた。



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