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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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159/409

159 今日は農作業と収穫品の納品

朝早く、まだ薄い霧がかかる農場に出て、僕は深呼吸をした。新鮮な空気が肺に入り込み、体全体に活力を与えてくれる。シャズナも朝日を浴びて気持ち良さそうに毛づくろいをしている。


「よし、今日も一日頑張ろう」と僕は声を出してみた。まずは、今日収穫する野菜を確認するため畑を巡回する。畑には、瑞々しい葉物野菜や鮮やかな色をした根菜が実り、その一つ一つがまるで誇らしげに空を仰いでいるようだった。


鍬を手に取り、慎重に土を掘り起こしては収穫していく。野菜を傷つけないよう、丁寧に土を払ってかごに入れる作業を繰り返す。隣ではシャズナが興味深そうに僕の手元を見つめている。「シャズナ、手伝ってくれたら助かるんだけどな」と冗談めかして言うと、彼は「にゃあ」と返事をした。


昼過ぎには、収穫が終わり、収穫物を手押し車に載せて村の市場へ向かう準備を始めた。市場では地元の人たちが賑わい、新鮮な野菜や果物が売られる様子に活気があった。


「こんにちは、いつもお世話になってます」と声をかけながら、農作物を卸す作業を始める。市場の店主たちからも「いい出来だね」と声をかけられ、胸が少し誇らしくなる。


納品を終えた後、市場での雑談を楽しんでいると、ふとシャズナが市場の隅で興味深げに何かを見つめているのに気づく。僕が近づくと、小さな子供たちがシャズナを囲んで楽しそうに笑っていた。


「おいおい、シャズナ、人気者だな」とつぶやき、僕もその輪に加わり笑顔を見せた。収穫品の納品を終えた満足感と、穏やかな日常の風景に、心が温かく満たされる一日だった。



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