151 シャズナと猫用布団
シャズナの寝床が少し冷たそうに見えてきた。春先とはいえまだ冷える。
彼はいつも僕の布団の端で丸まって眠っているが、その小さな体が朝になるとわずかに冷えていることに気付いた僕は、彼のために特別な猫用布団を作ってあげることにした。
市場に行って、柔らかな布と中綿を購入した。布はシャズナの毛並みとよく合うクリーム色で、彼が落ち着けるようなシンプルなデザインだ。家に帰ってから早速、裁縫道具を取り出し、布団作りに取り掛かった。針と糸を動かしながら、シャズナが近くで興味津々に僕の手元をじっと見つめている。
「これ、シャズナのためなんだよ」と話しかけると、シャズナは一瞬目を細めて、まるで嬉しさを表すかのように「にゃっ」と軽く鳴いた。僕はその声に元気をもらい、さらに針を進める手が早くなった。
数時間後、ようやく猫用布団が完成した。ふわふわとした中綿がしっかり詰まっていて、手触りも柔らかく、シャズナが気に入ってくれることを願いながら、彼の寝床にそっと置いた。シャズナは新しい布団の匂いをクンクン嗅ぎ、少しだけ戸惑ったような仕草を見せたが、やがてその上に軽やかに飛び乗った。
「どうかな?」と僕が尋ねると、シャズナは布団の上で体をくるくる回ってから、ついに丸くなって寝始めた。その顔には満足そうな表情が浮かび、柔らかい布団にすっぽりと包まれた姿がなんとも愛らしい。
その夜、シャズナは猫用布団でぐっすり眠り、僕もその姿を見ているだけで心が温かくなった。彼が快適に過ごせることが、僕にとって何よりも嬉しいことだった。これからの寒い冬も、シャズナと一緒に乗り越えていける気がして、僕は心の中で小さくガッツポーズをした。
その日以来、シャズナの猫用布団は彼のお気に入りの場所となり、毎晩そこで安らかに眠る姿が僕の癒しとなった。




