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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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148/409

148 農場へシャズナとお出かけ

春の風が心地よく吹く日曜日の朝、シャズナと一緒に農場へ出かけることにした。朝食を終えた後、シャズナはすっかりお昼寝モードに突入していたが、少し散歩をしてくるだけだというと、目を輝かせて僕を見上げた。


「行こうか?」と声をかけると、シャズナは一瞬戸惑ったような顔をしてから、すぐに尻尾を振って喜んだ。そんな仕草を見ると、心が温かくなる。シャズナとのこの静かな日常が、どんどん大切になっていくのを感じる。


軽く身支度を整え、農場へ向かう途中、周囲の景色は春の訪れを感じさせるものばかりだった。道沿いには色とりどりの花が咲き誇り、木々の新芽が鮮やかに輝いていた。風に乗って、遠くから草の香りや花の香りが漂ってくる。


農場に着くと、広い畑が目に入る。まだ作物の成長が始まったばかりで、土の中に埋まった種が今か今かと芽を出すのを待っている。シャズナは嬉しそうに辺りを駆け回り、時折草むらに顔を突っ込んで何かを探している。僕はその後ろを歩きながら、穏やかな時間が流れていくのを感じた。


「そろそろこれを植えようか」と、近くの小さな畑に向かいながら、シャズナに声をかける。今日は新しく買ってきた種を植えるつもりだった。シャズナはその言葉を聞いて、僕の側にぴったりと寄り添う。時々、僕がしゃがんで土を掘ると、その隣でお座りしてじっと見守っていた。


「ありがとう、シャズナ」そう言って頭を撫でると、シャズナは嬉しそうに尻尾を振った。少しの間、静かな作業を続けていると、シャズナは突然飛び跳ねるようにして、草むらの中に飛び込んだ。何かを見つけたらしい。


「シャズナ、何かあったの?」と声をかけると、シャズナは小さく鳴きながら、僕の元へ戻ってきた。その口には小さな虫がくわえられており、嬉しそうにそれを僕に見せてくれる。


「それ、君のだね」と笑いながら、シャズナに微笑む。彼は得意げな顔をして、また畑の端に駆けていく。


こうして一緒に過ごす時間がどんどん深まっていくことを実感しながら、僕たちは農場での作業を続けた。シャズナは時々僕の周りを走り回り、時々草むらの中で小さな発見をしては、嬉しそうにその成果を僕に見せてくれる。


昼近くになり、作業を終えると、僕たちは少し休憩をとることにした。農場の隅にある木陰で、広がる景色を眺めながら、シャズナと一緒に静かなひとときを過ごす。風がそよぐ中で、シャズナは僕の足元で丸まって昼寝を始めた。


「今日はいい日だね」と心の中で呟きながら、穏やかな時間が流れる農場を後にした。



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