146 春の陽気と農作業
春の陽気が農場に訪れ、暖かな日差しが広がり始めた。柔らかな風が木々の間をすり抜け、草花の匂いを運んでくる。春は、静かな冬を終わらせ、すべてのものに新たな命を吹き込む季節だ。僕は今日は一日中農作業をしようと決めていた。
シャズナが足元に寄り添って歩きながら、僕は畑に向かった。土はすでに少し温かくなり、作物を育てるには最高の状態だ。畑を耕し、余分な草を取り除きながら、今年も美味しい作物が育つように手をかけていく。そのたびにシャズナは僕の周りを歩き回り、時折草をくんくんと嗅ぎながら僕を見上げてくる。
「もう少しで、いろんな野菜が育ってくれるかな」と言いながら、僕は種を撒く準備を始めた。シャズナも興味津々で、時々僕の手元を見つめながら、何か面白いものを見つけたかのように尾を振る。春はやっぱり、何か特別な感じがする。
畑に撒く種は、これから育てる予定の春野菜たちだ。サンシャインベリーの苗もそろそろ植え時だし、他にもトマトやレタス、カボチャなど、今年の収穫が楽しみでならない。手を動かしながら、ふとシャズナを見てみると、彼は僕の近くで小さな草をくわえようとしている。さすがにそれを食べるわけにはいかないけれど、なんとも愛らしい仕草だ。
「シャズナ、あまり食べないでね」と笑いながら、草を取り上げて別の場所に置く。彼はちょっと不満そうに耳をピンと立てたが、すぐにまたおとなしくして、僕の側でおとなしく座った。
作業は順調に進んでいき、やがて日が傾く頃、畑には春の風と共に新たな命が宿り始めた気がした。今日もまた、シャズナと一緒に過ごすことができて嬉しい。ふたりで、春の陽気に包まれながら、ひとときの安らぎを感じていた。
「今年も、美味しい野菜が育ってくれますように」と、心の中で願いを込めて作業を終えた。




