137 農場へお出かけとシャズナの相手
朝食を終えてしばらくしたころ、穏やかな日差しが農場の方へと僕を誘うように輝いていた。シャズナも満腹で機嫌が良いのか、足元をぴょんぴょん跳ねている。「よし、シャズナ。農場へ行こうか」と声をかけると、彼はまるでその言葉を待っていたかのように尾をふり、僕の足にくっついて歩き始めた。
農場へと続く小道には春の花々が咲き乱れ、軽やかな風がそれを揺らして甘い香りを運んでくる。シャズナは興味深そうに道端の花を観察し、時折ちょんちょんと前足で触れてみたり、蝶を追いかけたりして遊んでいた。
農場に着くと、作物たちが日差しを受けて輝いていた。青々とした葉の間からは黄金トマトが顔を覗かせ、紅葉キャベツも元気そうだ。シャズナは興味津々で畑の端を駆け回り、何かを見つけてはちょこんと座って僕を見つめる。その瞳に映る好奇心と無邪気さが、僕の心を和ませてくれた。
「シャズナ、これ見てごらん」と手に取った黄金トマトを彼の前に差し出すと、慎重に匂いを嗅ぎ、鼻先で軽く触れた。「にゃあ」と一声鳴き、その反応がまるで「おいしそう」と言っているように感じられた。
僕は農場の仕事をしながら、シャズナの相手をする。ときどき彼が駆け寄ってきては足元でじゃれ、僕の作業を手伝おうとするかのように見守ってくれている。その小さな体に込められた愛らしさと元気さが、この農場での一日をさらに豊かにしてくれるのだ。
太陽が少し高くなり、日差しが心地よく体を包む中、シャズナと僕の農場での時間はゆっくりと流れていった。農作物たちの成長を見守り、仲間と共に過ごすこの時間が、何よりも大切なひとときであると実感する朝だった。




