133 シャズナと一緒に農場へ
朝の支度を終えた僕は、シャズナと一緒に農場へ向かうことにした。シャズナは軽やかな足取りで僕の横を歩き、時折ふわりとしっぽを揺らして楽しそうに周りを見回している。青空が広がり、陽光が心地よく農場の大地を照らしていた。
「今日は野菜たちの様子を見に行こうか。」
僕が声をかけると、シャズナはにゃあと元気よく鳴いて答える。農場の入り口には、植えたばかりの作物が小さな芽を出し、緑の絨毯を広げているかのようだった。シャズナはその光景を興味深そうに見つめ、時折鼻をひくひくと動かして土の匂いを嗅いでいる。
トマトの苗が陽光を浴びてぐんぐんと成長しているのを確認すると、思わず笑みがこぼれた。シャズナもその傍で嬉しそうにしっぽを揺らし、作物の間を駆け回る。
「シャズナ、あまり作物を踏まないようにね。」
注意を促すと、彼女は一瞬立ち止まり、僕を見上げてから、まるで理解したかのようにふわりと耳を動かして移動した。その賢さに、僕は改めて感心する。
畑を一通り見回り、必要な手入れを終えると、シャズナは再び僕のもとに駆け寄り、体をこすりつけて甘えてきた。手を伸ばして頭を撫でると、心地よさそうに目を細めている。
「今日もよく頑張ったね、シャズナ。帰ったら美味しいごはんにしよう。」
シャズナは僕の言葉に応えるように大きく鳴き、しっぽをぴんと立てて前を進んでいった。こんな日々が、いつまでも続けばいいと願いながら、僕も彼女の後ろを歩き出した。




