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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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122/409

122 切った油揚げの中に卵を入れて出汁で煮てみた

冬の寒さが骨身に染みる頃、暖かい料理がひときわ恋しい季節となっていた。前回の行商人から買い付けた油揚げを活用し、新たな料理を試みることにした。そこで思いついたのが、油揚げに卵を入れて出汁で煮込む一品だった。


まずは、購入した油揚げを包丁で半分に切り、袋状に開いた。中に新鮮な卵を一つずつ割り入れ、慎重に中身がこぼれないようにして口を閉じる。用意しておいた鍋に昆布と鰹節でとった上品な出汁を張り、そこにそっと油揚げを浮かべるようにして入れた。


火を弱めてしばらく煮込むと、鍋からは卵と出汁の優しい香りが漂い始めた。油揚げは出汁を吸い込み、卵は程よく固まり始める。時折、菜箸で出汁をかけては煮崩れしないように見守った。


「これでいいだろう」と鍋の蓋を開けると、湯気と共に芳醇な香りが部屋いっぱいに広がった。油揚げはふっくらとし、出汁の旨味が中の卵にしっかりと染み込んでいる。


一口食べると、優しい塩味と油揚げの香ばしさが絶妙に調和し、卵のまろやかさが舌の上で広がった。心も体も温まるこの料理は、寒い冬にぴったりだ。窓の外では冷たい風が吹き続けていたが、僕の心はこの一皿でぽかぽかと暖かくなっていた。



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