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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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120 冬きのこと暖かいスープ

冬の冷たい風が頬をかすめる頃、花咲村では暖かな食べ物が恋しくなる季節がやってきた。家々からは煙突を通じてほのかな薪の香りが漂い、どの家庭でも暖炉に火をくべて暖を取っている。僕も家に戻るとすぐに薪を足し、暖炉の火が心地よい温もりをもたらしてくれるのを感じた。


この季節に欠かせないのが「冬きのこ」と呼ばれる、甘みと旨味の強いきのこだ。行商人から手に入れた新鮮な冬きのこは、見るからに肉厚で、色合いも美しい。このきのこは寒い時期でもしっかりとした食感を保ち、特にスープにするとその風味が格別だ。


僕は手早く調理の準備を始めた。玉ねぎを薄くスライスし、少量のバターでじっくり炒めると、甘い香りが広がった。そこへ冬きのこを加え、香ばしさを引き出すように炒め合わせる。鍋に鶏がらスープを注ぎ込み、数種類の香草を少し加えると、鍋から立ち上る湯気に心が和んだ。


「いい匂いだ」とつぶやきながら、スープをひと煮立ちさせた後、塩と胡椒で味を整える。シンプルでありながら、冬きのこの旨味が存分に引き立つ一品が完成した。


テーブルにスープを運び、ゆっくりと木のスプーンで一口すくってみる。口に広がる深い旨味と温かさに、体がほっと落ち着く。窓の外には、冷たい風に揺れる木々の影が映り、冬らしい景色が広がっていたが、部屋の中はスープのおかげで温もりに満ちていた。


「やっぱり、冬はこういうスープが一番だな」と、心の中で思いながら、僕はもう一口味わった。



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