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のほほん異世界暮らし  作者: みなと劉


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114 ジンジャー、クローブ、カルダモン、ソーブのスパイスティー

冬が深まるにつれ、寒さは次第に鋭さを増し、風が肌を切るような日が続くようになった。そんな日、僕は暖を取るために行商人から買ったスパイスティーを試してみることにした。その中でも特に気になっていたのは、ジンジャー、クローブ、カルダモン、そして珍しいスパイス、ソーブのブレンドだった。


台所に立ち、スパイスを小鍋に入れ、ゆっくりとお湯を注ぐと、温かな香りが部屋中に広がり始めた。ジンジャーの刺激的な香りが体を温め、クローブの深い香りが心を穏やかに包む。カルダモンのさわやかな風味が鼻を抜ける中、ソーブのほのかな甘さが全体を優しく引き締める。


「これは…特別な冬の味だな」と心の中で呟きながら、じっくりとその香りを楽しんだ。スパイスティーは単なる飲み物ではなく、心を豊かにする一杯だった。特にソーブの香りは初めて体験するもので、心地よい驚きをもたらしてくれた。


やがてティーがちょうど良い濃さに煮出された頃、火を止めてカップに注いだ。琥珀色の液体が湯気を立てながら、目の前に広がる。ゆっくりと一口含むと、体中に温かさが広がり、寒さでこわばっていた体がほぐれるようだった。ジンジャーの刺激が程よいアクセントとなり、クローブとカルダモンの複雑な香りが調和をもたらしている。ソーブが加えるほのかな甘さは、甘味料を加える必要がないほど自然で絶妙だ。


「これなら寒い夜も耐えられそうだな」とカップを手に取り、焚き火の前で一息ついた。窓の外では、雪が静かに舞い降りている。冷たく静かな世界の中で、このスパイスティーは温もりと共に心に安らぎを与えてくれた。


冬の夜長、暖かい飲み物を片手に過ごす時間は、何ものにも代えがたい贅沢だと改めて感じた。



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