ママがママを倒して幸せになるお話
ナーろっぱで生きてる地上のたつのこの音など、様々な音を口からまねて奏でる人間もいれば
とんでもないことを口に出すものまでいた。
「なぁ兄ちゃん、山のぼろうぜ」
妹が口を動かした。
その山というのは、とんでもなく蒸し暑いところで、日にいよっては60度を超えることもある。
この世界は避暑地という言葉を知らないらしい
「なぁなぁ可愛い妹よ、なんでそんなことを突然言い出す」
「いいじゃねぇかよ、暇だしさ」
ド田舎に生まれ住んだことを悔やむ。
うちの家は麦藁のルフィのような、いかにも江戸時代の百姓が暮らしていたような家に住んでいた。
家の横には水車がついている点が、いかにも西洋という感じだ。
この世界に西洋も江戸時代もないがな。
「おかあさん、山のぼっていい?」
「いいわよ、害虫防御魔法かけといてね」
こいつは女なのに、なぜか、男っぽい口調をするからややこしい感覚になる。
「いってきまぁす」
妹は棒読みで家を出発していった。
それを俺はストーカーのようについていく
家の横にすぐ、山の入り口がたたずんでいる。本当に勘弁してほしい
「丸太の階段ってこけそうなんだよなぁ、なんで石にしなかったんだろ」
オレンジ色の目とロングヘアーという妹の見た目で男っぽいというのは、ギャップ萌えが大好きな男にとってはいいとこどりなのだろう。
全然興奮しないがな
蒸し暑い中を登って、途中休憩の椅子があるわけでもなく、ノンストップでやまをのぼっていた。
「おっ、見ろよ、ドクタケが生えてるぜ」
道の途中で、道中、横にどこでも生えていた木の一つに、キノコが生えていた。
それで毒を抜いて夕食にするのだろうと思っていた矢先、
彼女は毒タケを食べてしまっていた。
「大丈夫、ドクの耐性あるから、食べても問題ないのさ。」
妹が自画自賛していると、
妹は何やら、体に異変が起きていた
最初は気のせいだと思っていたが、少しずつだったが、大きくなっていることに気づいた。
おれより慎重高かったっけ?
ものの10秒ほどで、8歳だった妹は、25歳ぐらいにまで急成長したかのような見た目になっていた。
12歳だぞ俺は。
「ほほ、しゅごいねぇ」
全部食べてからしゃべろ
「こんなん今までなかったよな?すげぇwすげぇw」
と笑いながら、体中をこんにゃくになったかのように、手をあちこち触っていた。
「おお、兄ちゃんが小さく見える。そういえば兄ちゃんって頭の上のほう白髪だったよね?」
ああそうだったな
危機は突然やってくる。
そのように会話している途中だった。
まさかだとは思ったが、
妹の背後に剣を振り下ろす大勢でいる奴が背後にいた
「あぶない」
妹へ俺は救急車のサイレン大きさで警告を出すが、振り下ろされる寸前だと思った俺は、もう目の前で妹が死ぬところを見るしかないと思っていた。
しかし、それは見事に外れた。違ったらしい、剣だと思ったのは、クソ細長い杖だった。
「ここで何してる。」
ほほ、とうなってしまった。紫色のツインテールと目で、服は紫いろのタンクトップの下に、白いジャージのようなものを着ていた。しかし、耳がとんがってるやつは見たことあるが、大仏みたいに耳が垂れている人間は初めて見た。
「山遊びですけど、だめでした?」
妹は耳が垂れている女に聞いた。
「いや、別にいいのだが、この時期は暑すぎて、体が温度に耐えきれなくて死んでしまう奴がいるから気をつけろよ」
いい人だった。安心。
「ねぇねぇお姉さん、魔法対決しようよ」
何馬鹿なこと言ってるんだお前は
妹は一種のプライドの持ち主であった。
「...いいでしょう、子供ではないですし」
「そいつは見た目だけですよ」と警告する前に、もっと広いとこでやろうという素晴らしいお姉さんの提案で、やつらは広いどこかに行ってしまった。
それで、今こうやって面倒な戦いの審判に付き合わされてしまっているわけだ。
勝手にしてろよもう
「それでは、よーい、スタート」
俺が棒読みで言うと、
森で囲まれている広場のど真ん中で、二人は戦闘体制に入る。
「禁断術、解放」
早くもお姉さん側は、現時点でのすべてのバリアで防御不可能な技を繰り出そうとしている。
大人相手だと思ってるなら仕方ないか。
「領域展開、リトルボーイ召喚」
我が妹は、なにやら、基本的な魔法ならすべて取得している俺でも知らないような、爆弾のようなものを出してきた。
「この爆弾は、町一帯を放射能で汚染する。」
妹がわざわざ説明するとはありがたい
そして、技名がそろった二人が一斉に技を仕掛ける
寸前だった。
二人の技は、一斉にして、神がいるであろう空の彼方へ飛ばされたのである。
相打ちだと思ったのもつかの間、お姉さんの母らしき人物がこっちへ寄ってきた。
「仕事をさぼるんじゃないわよ全く」
お姉さんは連れて行かれる運命だと予測した
ここまではまだよかった
「逃げるよ」
突如お姉さんは俺とその他一人を抱きかかえると、一目散に森の中へと突進していった。
なんで俺を巻き込むんだよ
あまりにも移動が早すぎて、景色どころか、お母さんらしき人物がおってきているかもわからなかった。
しばらく抱きかかえられ、何時間立ったのかもわからずに、俺らはどっかの湖の近くまで走られていた。
「もう大丈夫だろうね。」
何時間も二人を抱きかかえたであろうお姉さんは、俺らを草むらの横に卸すと、安心したような顔をそっと地面へ向けていた。
なんで俺が巻き込まれなきゃならんのだ。
「ごめん、今から説明するね。」
いただきますとでもいうように、俺らに手を合わせてきた。
「さっきのは私のお母さん。
そして、私はそいつに給料なしで働かされてる
わかる?」
先生にでもなったかのように、俺らに質問してきた。
ああわかるよ、それで、一人じゃ何もできないから、どっかの誰かさんを仲間にして、あの婆を討伐するとでもいうんだろ?
「なんでわかるのよ」
ふざけんじゃねぇ
小説読みまくってて、唯一人生の中で生かされた瞬間であった。
「なんで怒るんだよ兄ちゃん、面白そうじゃん」
誰が協力すると言った。
というと、俺は映画のスネ夫ポジションにでもなったのか、二人は悲しげな表情を浮かべていた。
どっかの某主人公が「俺、またなんかやっちゃいました?」といわんばかりに、時間だけが過ぎていった。
俺、何も悪くないのにな。
「そこにいたか」
ふと声がした。
どうやらさっきのおばさんに追いつかれていたようで、二人が絶望しているのを横に、俺は歓喜の渦に沸いた。
「働くのはいやよ」
「じゃあ、死んでサイボーグになってもらうしかねぇ」
おばさんが戦闘体制に入る。
絶体絶命のピンチなんて、何回小説で読んだだろう
...いや待てよ?これ、使えるんじゃねぇか
二人が戦闘準備に入っているのをほおっておき
俺は救世主となる彼らに会いにいくことにした
ーーーーーーーーー
やっぱりいるじゃねぇか
「...どなたでしょうか?」
5人くらいで結成されている。勇者ご一行が目の前にいた。
森の中の道なき道を進んでいたのだろう。周りは雑草だらけだった。
俺は、小説で身に着けた予知能力が、自分の中にあるかもしれないことを悟ったのだった。
「...つまり、私たちは、この先にいる少女たちを助け、はたまた、その中の一人の少女のお母さんを、私たちが倒す運命だと?」
俺の説明に勇者たちは困惑していた。
「面白そうね、やってみる価値はあるわ」
魔法使いっぽい女が答えた。
そして、俺を含むご一行でこの面倒な物語を片付けるつもりだったのだが
またもや突然だった。勇者が百獣のライオンになる勢いで叫ぶ。
「危ない」
ものすごい爆発音とともに、俺は池に飛び込まれるか否かの寸前に飛ばされてしまった。
「小僧、変な真似をやめろと妹にいったではないか」
そんなん知らねぇよ
「こいつは、かなりの猛者だ」
武闘家らしき人間が言った。
その戦いは数時間に及ぶことになるとは、この時は誰も知らなかった。
俺以外はな。
「このままでは、俺の命までも危ういことになる。」
俺の本能が動くと、すぐさまは魔法使いの杖をぶん捕った。
「ちょっと、少年、なにすんだよ」
すまねぇな、俺は一刻も早くこの面倒事を片付けたいんでね。
森の中、ましてや夕方であることもあって、標的が見えづらかった。
俺はさっきのお姉さんが言っていた魔法を唱えようとした。
「死ね」
しかし、婆の速さは人並みではなかった。ウサインボルトの域をはるかに超えている速度で、俺に攻撃を仕掛けてきた。
まずい
またもや俺の本能が動いたのか、俺は自爆魔法を唱えていた。
周りが爆発で消えていくのがわかる。
俺の体も消えていた。
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俺は、白い空間に投げ出されていた。
何もない。
すべてが終わったかのように見えた。
「早く面倒事を終わらせようとすると、いずれ道迷うことになる。」
死んだのか?俺。目の前には白い白衣のようなものを身に着けたじいさんがいた
「自分勝手なことをやめんか、若者よ、男は何事も考えて何かを成し遂げるものじゃ」
古臭い説教とは、情けない神である。
「ここにいるのはわかっている」
また後ろで声がした。
あのおばさんはどうやら神だったらしい
俺の後ろには、あの怪物が表れていた。
娘連れて帰りたいだけなんだろ?
いったい何が目的なんだよ
「娘の持ち帰りの邪魔をする奴は許さん」
...確かに邪魔しようとしてたな。
Uber eatsの邪魔でもしたかのように、婆は魔方陣を召喚していた。
中二病ごっこはいつまで続くんですかね?
と思っていた矢先だった。
婆は突如、うめき声を出し始めたのである。
さすがにこの様子じゃ予測は不可能だな。
婆は頭を抱え、とても苦しそうな演技を試みていたのを、俺は温かい目で見守っていた。
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「何が起こったのか説明してくれないか」
俺は湖のほとりに帰っていた
「子供の体罰は、誰も許しません」
俺の目の前には、あのじいさんがいた。
そのじいさんは、なんと顔だと思っていたマスクを取った。
俺と妹を抱きかかえて逃げてきた。あのお姉さんだった。
「やっと、倒すことができた。
それも、あなたが魔法が一切使えない領域にまで連れて行ってくれたおかげです。いやー、本当に助かりました。」
彼女はうれしそうだった。
日は暮れ、あたりはすでに夜になっていた。
誰かがつけたのか、焚火が俺の目の前に燃え上がっていた。
「それじゃ、元に戻そうかな。じゃあね」
おいちょっとまて、まだ勇者どもにお礼を
...という前に、俺は元のベッドに戻っていた。
妹の状態を確認するが
「山のぼり?兄ちゃんとなんて行ってないよ?」
と一蹴されてしまった。
悪い夢はつきものである。
にしても、なんなんだあの女、最後まで自分勝手だった。まるでうちのお母さんのように
.....
何か気に障ったのだろう、俺はお母さんとおとうさんのベットがある寝室のクローゼットをあさっていた。
あまりにも服が多すぎてかなり体力を削られたのが不愉快だ。
まさかだとは思ったが
クローゼットの中には、紫色のタンクトップと
窓から見える。今では庭のブランコになっている。見覚えのある杖が、地面に刺さってあったのだった。
人気だったら続きかきます。