‥君がいた場所
雪の匂いってほんとうにあるんだね。
ふゆ、じゃなくて雪の匂いがする。
ねこのしっぽがすり抜けた様な柔らかい気配がした。
ただ、君が隣にいて静かに夕陽を眺めている。
もっとあったかい海の方が好きだな。
(わたしは、)
腰掛けていたテトラポットを撫でる。
夕日が冬の海を照らすと天国みたいに白かった。
白い海はきっと冷たい。
‥ここで終わりにしたいです。
‥凡人は花を首から切ったりしちゃいけない。
‥わたしは白い海は隣に人がいたことはありません。