翔太編〜7話
気づくと僕は書斎にいた。
昨日の記憶が蘇る。目の前には、古びた机の上にはあの日記が置いてある。書いた願いが叶うらしい、そんなバカみたいな日記だ。周囲を見渡してみる。不気味な夢に変化があることを期待していたが、全く同じ風景だ。
気は進まないが、とりあえず日記を開いてみる。
左上にはページごとに日数が書いてある。1日目は同じだ。
「え…」
ー2日目ー
勉強が好きになりたい
そこにはあの時かいた赤い文字と、…
それは勉強ができるようになりたいという意味だろうか?
その望みを部分的に叶えた。
部分的というと詐欺に聞こえるかもしれない。だが、1日で願いを叶えられたら、それこそ信用できないだろう?今日、勉強が集中できたはずだ。だから、その集中が切れたら放心状態だったりと、反動があった。
勉強はきっかけと、5分ほどそれに取り組む集中があれば、いつのまにか没頭しているものだ。趣味が楽しく感じるのもそう言ったところがあるのだろう。
でも、人がずっと集中しているのは難しい。だから…
もし君が、勉強…いや、言ってしまえば趣味のようなことをして楽しい人生を過ごしたいなら、私と交換日記を続けないか?
交換日記?と不思議に思うかもしれないが、私は人と秘密の会話をしている、そんな感覚が好きなんだ。
だからこそ交換日記みたいな形で人の願いを叶えているのだ。
それに願いが抽象的なのもあって、君の期待通りになってるかを少し様子見したいんだ。私も万能ではないから、細かい調整ができないかもしれないが。君の答えを待ってる。
不気味、最初に感じたのはそれだった。文字は無駄に丁寧だった。次にかんじたのは不信感。人の願いを叶えて、本人が満足いくまで調整してくれる。どうしてこんなに親切なことをするのだろうか?怪しい。
でも、少し興味が湧いた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
願いを叶えるとかベタなやつだなぁと自分でも思っていますが、少しでも、興味が湧いたのであれば今後も読んでいただけると幸いです。