翔太編〜6話
「ただいま」
返事は…ない。暗い中、照明のスイッチを手探りで探す。ふと、今朝見たメモを思い出す。
「出張か」
急な出張で1週間は僕だけで過ごすことになったのだ。正直に言うとかなり不安だ。不意に時計を見る。6時を指していた。
適当にご飯を作ろうかなと思ったが、食欲はあまりなかった。少し早いかもしれないが、風呂に入ることにした。
風呂から出た僕は、珍しく英語のチャレンジ課題に取り組んでいた。内容は長文、英語の中でも特に嫌いな部類だった。解読不能な暗号の怪文書、そんなイメージを持っていた。が、それ以上に今日の英語の授業が楽しかったので、興味が湧いた。
「Reoccurring Dream…くりかえされる夢か」
僕の手元には辞書がある。英語の知識と辞書、自分ができる方法で、少しずつ解読していく。そして、解読していく度に新しいことが学べる。知識欲っていやつだろうか、それが満たされていく気がしてとても心地よかった。
読書感覚で読み、調べるだけで、新たな単語と知識を学べる。別言語っていう理由で遠ざけてた自分が馬鹿馬鹿しく感じた。
そうして課題取り組むうちに、僕はいつの間にか寝てしまっていた。
短い文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。